ボディシートの使徒

あらゆるものには使徒がいるらしい。
僕が今日使ったボディシートにもどうやら使徒というものがついていたようだ。
ボディシートの使徒が話しかけてきた。

使っていただきありがとうございます。私はボディシートの使徒です。天から命令を受けて、あなたに伝えにきました。あなたはボディシートを使いすぎなので、一週間ボディシート禁止となります。

僕は聞いてみた。

使ったらどうなるんですか？

使徒は答えた。

使うことができません。あなたはボディシートを見ることも感じることもできません。あなたがボディシートを認識できるのはただあなたが使えないと言う事実においてのみです。

僕は自分がそんなにボディシートをつかっていたか疑問に思った。しかし、確かに今日、人目を気にしすぎたあまり、汗を拭くために大量に使ったことを思い出した。

僕は自分の汗臭さを気にしていたから、これからボディシートが使えないと言うことになると非常に困ると思った。

ボディシートの使徒は天に帰っていった。

僕はそれから家にたくさんあったはずのボディシートが見えなくなった。
汗はその他のものでも拭くことができるが、結局それらも使いすぎると禁止になると思ったため、使わないことにした。
汗を気にしないことにしたのだ。
するとどうだろうか、特に汗が多いことによるデメリットというのはそこまで多くないことに気がついた。
僕はそれからあまり自分の汗を気にしないようになった。
使徒というのは悪いものではないのだろう。