はたらいて、好きな色で描く。
私は現在、ZIZO( https://zizo.ne.jp/ )という制作会社でディレクターとして働いています。今まで色んなジャンルの仕事、職場を渡り歩いてきて、今はあと3か月ほどで産休に入る予定です。「はたらくこと」って、なんだろう?と考えたとき、子供のころ楽しみにしていた「画用紙に好きな色で絵を描くことに似ている」と感じました。
あなたなら、何色をえらぶか。
今はWebサイト制作など、デジタルのクリエイティブをメインでやっていますが、元々はレコードショップの店員でした。毎日大好きな音楽に触れていたので、仕事半分・趣味半分みたいな気持ちではたらていたと思います。バイトで時給も低かったですが、楽しかったです。
その頃からバンドをやっていたので、私の生活の中ではバンド>バイトで、音楽活動優先の日々でした。物心ついた頃から、創作に繋がる仕事をしたいと思っていたので、アメリカ留学後に帰国してからは、「好きなこと」を突き詰める日々でした。
数年が経ち、ふと年齢的にも手に職をつけたいなと考えはじめました。生活が苦しかったのもありますが、何か将来に繋がる仕事をしてみたいなと。
人生ではじめて、「はたらくこと」と真正面から向き合うことになりました。この時、画用紙を広げて、あの空を描くなら何色のクレヨンがいいかと、考えはじめたのです。
求人情報を見ながら、どんな仕事が自分にとって向いているのだろう?と考えつつ、とある上場企業のWebアシスタントディレクターのバイト募集を見つけました。
・Photoshopなどを使ったバナー作り
・取材同行、文字おこし、ライティング
・コーポレートサイトの運用
こんな感じの仕事内容でした。雑用とかもするのですが、初めてはたらく上場企業でのキラキラした職場は、今でも印象に残っています。そこではいまだに連絡をとり合う友達もできました。
肝心の仕事は初めてのことばかりで、何かと先輩に質問していました。少し怖い先輩でしたが、親切に教えてくれてたと思います。
そのあとは違う制作会社に就職したり、はたまた派遣社員や契約社員も経験しました。全部デジタル業界のお仕事ですが、ものすごい忙しいときは朝方まで仕事してた時期もありました。
今の会社には昨年入社して、少し経って子供ができたことが発覚。いまは妊娠6か月で、引き続きはたらいています。
子供のころとなにも変わらない
はたらくって、お金を稼ぐことだという人もいるかもしれません。それももちろんありますが、私は「はたらく」=「自分の生を世界に刻むこと」だと思っています。
人にはそれぞれの個性、表現方法がある。いつも周りに怒っている人や、周りと群れずにコツコツ仕事する人。思いやりを持つ人や、リーダーシップをとる人。本当にさまざまです。
自分を表現するーー。
それは子供のころ、真っ白い画用紙に何色のクレヨンで色を塗るか楽しみにしていたときと同じなのだと思います。
こんなにもあらゆる生き方があるのだから、うまくいかないことが起こるのも無理ないでしょう。色にも、赤から青、グレーまであらゆる色があります。はたらくことの中で大事なことの一つに人間関係がありますが、私はうまくいかなくて当然だと思っています。
ただ、たまに気の合う仕事仲間が現れたりする。私は今まで知り合ったクリエイターの人たちのことを尊敬していますが、そういう人たちが存在することで、自分の人生にも変化が訪れると思っています。
信頼関係を作ることも、自己表現の一つ。自分自身の生をその人に贈っている。「共に世界をつくっている」ということなのだと思います。
はたらくことは、お金のためだけではなくて、生きた証を世の中に刻むこと。どんな職種にも言えることだと思います。
生まれてから死ぬまで、好きな色で。
新しい命を授かりながら仕事をする身として、子供が産まれていつか「はたらくこと」について話すとき、「きみがそのクレヨンで絵を描くことと同じだよ」と教えてあげたい。生まれたときから今まで、全てが地続きになっているのですよね。
それくらい世界は広くて自由で、私はそのなかで好きな色を足しながら、これからも生きていくのでしょう。
あなたは今、どんな色で人生を描いていますか? 時には真っ黒に近い闇の中にいることもあるかもしれませんが、少しずつ白を足していけば、明るいグレーに変わっていくこともありますよね。適度にマイペースに、画用紙を広げていきたいです。
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