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僕は君に、君は僕に

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会話が少ない君と僕との短編物語。 会話は少なくても、心は繋がっている。
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2020年8月の記事一覧

静かな夏

静かな夏

 空を見上げると大きな入道雲がひとつ。
 そこにいつにも増してギラギラと輝く太陽が見え隠れをしている。

ーーザァーン、ザザァーン…

 目の前に広がる大海原の地平線には太陽の光が反射し、キラキラとし、手前では白い波が砂浜を湿らしている。

 僕らは自動販売機と、白いベンチしか無い小さな無人駅で列車を待ってた。

 決して気持ちの良いとは言えない、生温かい風が2人の頬を撫でる。

 君は、微妙に残

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