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日本初!おかき蝶ネクタイ「KOKONOE Bow-Tie」誕生物語 歌舞伎あられ池田屋(取手市)

日本初!いや世界初!?おかきを蝶ネクタイにしてしまった男がいます。
創業80年を超える茨城県取手市の老舗「歌舞伎あられ池田屋」の三代目店主で代表取締役の池田裕児さんです。

今回このおかき蝶ネクタイ「KOKONOE Bow-Tie」の商品開発に携わった私アオキシゲユキが、これまでの池田さんと歌舞伎あられ池田屋の歩みを取材させて頂きました。

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まさかのコロナ禍に新店オープン


2020年2月。
新型コロナウィルスの感染が世界中で広がりをみせ始め、国内でも感染防止への対策が現実問題として議論されつつあったまさにその最中、歌舞伎あられ池田屋の新たな顔となる新店がオープンしました。

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新店は敷地面積約1000平方メートル、店舗面積100平方メートル。新たに土地を確保し、新築で店舗を建てるところから始まった今回の出店計画は池田さんにとっても大きな挑戦でした。そこに訪れた予期せぬコロナショック。感染防止対策として4月から都内のデパートは営業自粛を余儀なくされ、これまで池田屋の売上のメインであった卸売りは大幅に減少。一方ではオープンしたばかりの新店を抱えた池田さん。この危機的状況で経営は一体どうだったのかを尋ねてみたところ、

「おかげ様で新店の売上が予想以上に好調で助かってます!」

池田さんは笑顔でそう答えてくれました。
あられやおかきと言えば年配の方が食べるもの。何となくそんなイメージがあります。少子高齢化のこの日本において、あえて言うならば「若者が食べそうにない」あられやおかきの直営店を茨城の郊外に出店するのは無謀な挑戦なんじゃないか、そう考える人もいるのではないでしょうか?
勿論、池田さん本人の心の中に不安要素が全くなかったかと言えば、そんなことはなかったと思います。しかし、彼にはこれまで培ってきた揺るぎない「信頼」と強い「想い」がありました。

「信頼」とは地元の人に愛される商品づくり、そして企業づくりです。
創業80年の長きに渡って大切に繋いできた米菓づくりの伝統と同じぐらい大事にしてきたのは、人と人との繋がり「地元の方々に愛され続ける企業でありたい」と言う池田さんの言葉どおり、これまでも創業祭などのイベント時には、日頃から池田屋に足を運んでくれるお客様の為に出来る限りの感謝の気持ちを出し惜しみなく届けてきたそうです。その結果、2日間で2000人を超えるお客様が毎回池田屋のあられやおかきを買いに来てくれました。

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そして「想い」とは、日本の伝統文化である米菓を次の世代に繋ぐため、今の時代に合った形でお客様に提案し、お客様と一緒に安心安全な日本の食文化を築いていくという使命でもあり、またもうひとつの側面では、目の前のお客様が「美味しい!」と言ってくれた時の笑顔に直接触れることで、池田屋で働くスタッフが米菓づくりの歓びと誇りを分かち合い、池田屋が常にやりがいと働く楽しさを感じられる活気あふれる職場でありたい、という願いでもありました。

厳しい事業承継、そして職人から経営者へ


そうした「信頼」「想い」の裏側には、池田さん自身の厳しい経験があっりました。三代目として事業承継した時、会社には多額の借金がありました。想像を超える借金の多さを知って愕然とし、会社を継ぐかどうか悩んでいた時に池田さんの背中を押してくれたのは、「私も頑張るから一緒にやろう」という奥さんの一言だったそうです。

叩き上げの職人として美味い米菓を作ることに集中してきたこれまでの自分と、厳しい状況の中で会社の経営をやりくりしていかなければならなくなった今の自分。「職人」と「経営者」の狭間で「これからどこに向かえばいいのか」を模索するようになった時に出会ったのは、茨城県中小企業家同友会でした。
自分たちの会社のこれまでとこれから先の未来に真正面から向き合い、自らその方向性を定める「経営指針成文化セミナー」に参加するも、仕事の忙しさに翻弄され初回は途中でドロップアウト。想いを形にするところまで辿り着くことが出来ませんでした。
2度目の挑戦で現在の池田屋の経営理念である

「伝統と革新で、社会に笑顔としあわせをお届けします」

という言葉に辿り着き、これからの歌舞伎あられ池田屋が目指す未来を鮮明に描くことができました。しかもただ単に描くだけでなく、どうやったらそこまで辿り着けるかという過程を明らかにすることができました。
池田屋が今回オープンした新店は、その時に彼が描いた「未来」そのものだったのです。

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おかき・あられの新しい未来へ


池田屋のおかきやあられは、「美味しさ」だけではなく「楽しさ」があります。それは池田さんが常々意識していることでもあり、そのことは商品開発にも生かされています。オールドスクール的おかきである「海苔巻き」や「うずしお」の傍らには、「トマト味あられ」や「しらす揚げ餅」などの個性的な商品がポップなパッケージデザインで並び、若い世代から年配のお客様にまで幅広く人気だといいます。また、イートインスペースを併設する新店舗ではドリンクの販売も行っていて、この夏は定番のアイスコーヒーだけでなくつくば名産の「福来みかん」を使用した自家製オレンジスカッシュが非常に好評だったそうです。

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池田さんが考える「楽しさ」はこうした部分によく表れています。池田屋はあられやおかきと言った米菓に新たなスポットライトを当てようとしているます。
伝統的と言われるものには、積み重ねてきたその年月の分だけ蓄積されたコンテンツが必ず存在します。時代が変われば人々の嗜好の中心点も移っていきますが、伝統的なものと今を生きる我々との間にある距離がこれまでよりも離れ「古い」と感じるようになった時こそが実は絶好のチャンスなのです。「古い」という感覚の中には、例えば手軽さや便利さ、あるいはカッコよさや面白さの陰で、私たちが見失いそうになっている大切な「何か」がいつも内包されているように私には感じられるのです。

池田さんはその「何か」を探し出して、新たな切り口で米菓の可能性を広げていくことを楽しんでいるように見えます。だからこそ今回のように、実際のおかきから型取りしたリアルな「おかき蝶ネクタイ」をプロデュースするという遊び心が生まれるのだと思いました。

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おかき蝶ネクタイ「KOKONOE Bow-Tie」は、新店舗のオープンという大きな夢に挑んでいく池田さんの姿に勇気を与えられた茨城県中小企業家同友会ドラゴン支部に所属する仲間同士が共同開発した商品で、(有)歌舞伎あられ池田屋代表池田裕児をプロデューサーに、商品のトータルディレクションは金属製蝶ネクタイ「Metal Butterfly」を展開する稲敷郡河内町の(有)日青工業アオキシゲユキ、ネックバンドの抜染プリントと縫製は取手市の(株)江戸てん代表・穴沢あけみ、ネックバンドの監修を稲敷市のDesign lab "Lights” 代表・墳崎嵩史がそれぞれ担当しました(敬略)。

また、本物と見分けが付かないほど精巧に作られたメインの「おかき」部分は、日本の食品サンプルのパイオニアである(株)いわさきに制作協力を頂きました。日本の食品サンプル職人の技術力の高さは、依頼した私たちでさえも声を上げて驚いたほどです。あまりにそっくり過ぎるので間違えて口に入れてしまわないよう、念のためここで忠告させて頂きます。

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おかきやあられをもっと身近に、
そしてもっとカジュアルに楽しんで頂きたい!

そんな私たちの想いが詰まったおかき蝶ネクタイ「KOKONOE Bow-Tie」完全予約販売の商品です。
予約受付期間は10/15(木)から11月1日(日)まで。
店舗でのご予約は歌舞伎あられ池田屋・新店にて直接お申込みください。
また、WEBからのご購入は下記のサイトからお申込み下さい。
<江戸てんWEB SHOP>

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