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資格取得や投資にお金を惜しまない! 不透明な時代を生きるU25世代の行動心理とは?

少子高齢化、労働人口の減少が叫ばれている現代の日本。今後、経済が大きな盛り上がりを見せる気配もなく、明るい未来を思い描くことがますます難しくなっているのではないだろうか。そういった時代の中で、MERY世代の女子たちはどんな不安を抱え、どんな解決策を見出そうとしているのだろうか。MERYのアプリ内で実施したアンケートへの回答から垣間見える、イマドキ女子の行動心理に迫る。

ますます不透明な将来に不安を抱くMERY世代女子が大多数

MERYでは、2021年2月19日~24日にかけて、MERYのアプリ内にて「自身や世の中に関する不安・関心事」に関するアンケートを実施。社会人34名、大学生・専門学生10名、高校生23名、中学生12名、パート・アルバイト14名、専業主婦1名の計94名から回答が寄せられました。

まず、「最近ご自身について不安に思うことを教えてください」という質問をしたところ、将来に関することに不安を抱えている人が圧倒的に多いことがわかりました。

●「結婚できるのかどうか。もしできなかったときに一人で死んでいくことに不安を感じる」(社会人)
●「仕事の方向性は今のままでいいのか」(社会人)
●「経済的にこの先やっていけるかどうか」(社会人)
●「就活で入りたい企業に入れなかったらどうするべきか」(大学生)
●「将来、一人でも生きていけるだけの金銭的余裕を見通せるか」(大学生)
●「大学進路について」(高校生)

就職、仕事、結婚、老後、お金……この先どうなるのかわからない未来に対する不安は、いつの時代においても、誰もが一度は抱くものではないでしょうか。特に現代は、終身雇用制度が崩壊。一律の定期昇給などを廃止する企業も出現し、結婚して夫婦共働きで働き続けたとしても、安定した未来の確証が得られにくい時代です。将来に対する不安がより一層高まっていても不思議ではありません。

また、転職や独立、副業などは当たり前に。結婚せずに「おひとりさま」を楽しむという生き方もクローズアップされるなど、人生の選択肢が急に増えたことで、何が正解なのかわからなくなりやすい時代ともいえるのではないでしょうか。しかも、SNSなどによって周囲の人の行動や情報が見えすぎるせいで、「あの子はこんな選択をしているけれど、自分は今のままでいいのだろうか……」と、自分の将来に自信が持てなくなっているというのもあるかもしれません。

加えて、「コロナ禍でさらに不安になった」、「コロナ禍で一人の時間が増え、いろいろと考えるようになった」という声も見受けられました。新型コロナウイルスの流行という想定外の出来事で世の中が一変。自分自身のキャリアや将来像、老後の先行きがさらに不透明になったことが、将来への不安に拍車をかけているといえそうです。

もうひとつ、少数派ではあるもののMERYが注目したのは、周りから見た自分の評価に対する不安です。

「可愛くないから冷たくされていると思う」(高校生)

この言葉には、自分に自信がなく、これからも周りの人の方が優遇されるような社会の中で生きていかなければならないのか……と、自分の将来をも憂うような気持ちが読み取れます。MERY Lab内の記事でも何度もお伝えしてきたように、自分と周囲を比較し、その結果、必要以上に自分を蔑み、自己肯定感が低くなりがちな、現代の若者ならではの不安といえるかもしれません。

イマドキの中高生はタイムリーな時事問題にも敏感

続いて、「最近気になったニュースや社会的問題について教えてください」という質問をしたところ、「コロナの感染者数」、「コロナのワクチン」、「オリンピックの開催について」など、コロナ禍ならではの話題に関する声が多く集まりました。しかし、それ以上に多かったのが、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元会長、森喜朗氏の発言に関してです。

●「森さんの女性差別発言」(社会人)
●「森喜朗元会長の女性差別発言」(大学生)
●「森喜朗元会長の発言をはじめとする男女差別」(高校生)
●「女性蔑視発言」(高校生)
●「森喜朗さんの発言」(中学生)

本アンケートを実施した期間に起こったタイムリーな話題だったこともありますが、中学生から社会人まで、幅広い世代が強い関心を寄せていることが見て取れます。中学生や高校生までもが、女性差別といったセンシティブな時事問題に興味を持っているというのは、政治や社会問題への関心が薄いと思われがちな現代の若者のイメージとは少し違った印象を受けるのではないでしょうか。

このひとつの要因として、インターネットやSNSなどの情報網が発達したことが考えられます。というのも、新聞やテレビのニュースを見ていなくても、今社会で話題となっている問題に関する情報を仕入れやすくなっているからです。特に、Twitterやブログは匿名で利用する人の割合が多く、人に対して激しい批判を書くことの心理的抵抗が少ないため、今回の森喜朗元会長のような発言は攻撃されやすく、あっという間に拡散されてしまいます。そのため、若い子たちの目にも触れる機会は多かったに違いありません。

また、同じく情報網の発達により、SNS上で「#MeToo運動」や「#KuToo運動」などのハッシュタグを目にする機会もあったはずです。つまり、「ジェンダーギャップ」という社会問題を知る機会が多かったことも影響していると考えられます。

さらに、「学生たちの間で、SDGsがこれほどまでに認知されているのはワケがある」でも紹介したように、2020年度から文部科学省が提示する学習指導要領が改訂されたことに伴い、各教科において教科書のさまざまな箇所でSDGsについて触れられています。SGDsの目標の中には、「ジェンダー平等を実現しよう」という目標も設定されており、教育現場でも「ジェンダーギャップ」について知る機会があったはずです。

このような背景もあり、若い世代の間で、もともと女性差別問題に関する感度が高まっていることも、今回の回答に反映されているのかもしれません。

より素敵な将来を目指して。前向きな気持ちで努力するMERY世代の女子たち

以上のように、ジェンダーギャップの問題や、コロナ禍も相まって先行き不透明な未来を憂い、自分の将来について不安を感じているMERY世代の女の子たち。そんな不安が募る将来に向けて、「今、実際に行っている自分への投資」について聞いてみました。

● 未来のために実際に実行している自分への投資をすべて教えてください。

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アンケートの結果を見ると、「何もしていない」という回答は15.3%にとどまり、MERY世代の女子たちは、何かしら自分の将来のために投資している傾向にあることがわかりました。

回答の多かったスキルアップや資格、習い事の内容について具体的に聞いたところ、世代を問わず、「簿記」や「ファイナンシャルプランナー」、「TOEIC」や「英検」など、就職や転職、仕事を続けていく上で有利に働きそうな資格取得に向けて励んでいるという回答が多く寄せられています。

また、社会人だけに絞って見ると、「金融商品への投資を始めた」という回答も約3割となっています。実際に、楽天証券株式会社の2020年12月期の決算説明資料によると2020年は、ネット証券各社は大きく口座数を伸ばし、1年で約133万口座の開設があった楽天証券をはじめ、SBI証券でも80万口座の開設を達成。特に、20~30代の若年層の投資参入が目立ったようです。

「お金を使わない若者が増えている」といわれる中、なぜMERY世代の女子たちは、資格の取得や金融資産への投資には積極的にお金をかけ始めたのでしょうか。

投資に関していえば、『つみたてNISA』といった商品の登場により、場合によっては月々100円からでも投資をスタートできるといった手軽さが、若い人に馴染みやすかったという理由があると考えられます。

しかし、資格の取得にも力を入れ始めていることを考慮すると、最初にお伝えしたように、将来に対する不安が大きくなっているからこそ、その不安を少しでも払拭しておきたいという堅実な想いが、自己投資の理由に大きく影響しているのではないかとMERYでは考えました。

ところが、将来のために投資している理由についての回答は、その予想を裏切り、前向きな理由のオンパレードとなっていました。

●「歳をとることを辛い、悲しいと思うような自分でいたくない。歳をとっても楽しい人生を過ごしたいから」(社会人)
●「今より自分を好きになれるように」(社会人)
●「いくつになっても自分を好きでいたいから。成長しない人生はつまらない」(社会人)
●「後悔したくないから」(大学生)
●「自分には目標があり、それを達成するため」(大学生)
●「努力の先にある将来のことを思い描くとワクワクして楽しいから」(高校生)
●「将来の自分の選択肢を増やすため」(高校生)

MERY自体がかわいくなりたい女の子のためのサービスであり、基本的に前向き思考な読者が多いがために、今回の回答者もポジティブな人が集まったというのはあるかもしれません。もちろん一般的には、「将来が不安だから」というネガティブな理由で投資や資格の取得に力を入れているという人も多くいるでしょう。

しかし、今回の回答にあるように、ネガティブな理由から一歩踏み出し、将来の不安を払拭するだけでなく、「今後の人生をより充実させるために」と、ポジティブな気持ちで自己投資に挑んでいるイマドキ女子たちがいることも事実です。

これは、「いい化粧品でスキンケアを行う、美容家電を買う」という回答が多かったことにもつながっていると考えられます。

経済的に大きな盛り上がりもなく、団塊の世代のように、荒波を乗り越えての大きな高揚感を得ることもなければ、これからの未来にあまり希望も見えない。そんな時代だからこそ、せめて自分だけはポジティブに楽しく生きていきたいというのが、MERY世代女子たちの本音なのではないでしょうか。

そして、そのために資格取得や投資、スキンケアの見直しといった行動を実際に起こし、前向きに努力している彼女たち。高級ブランドの洋服やアクセサリーなど、今の自分を満たしてくれるものよりも、利益が将来の自分に還ってくるような商品やアイテムを求める傾向は、より一層強まっていくのかもしれません。


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