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食と愛と欲

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無花果

無花果

遠い夏
太陽はどこに隠れてもすぐに僕を見つけ出しそうな位強い日差しで街中を照らす。

庭の大きないちじくの木には
いつも蜂がうるさく舞っていた。

木の下を潜り抜けると蜂が耳元で唸った。
まるで俺のものに近づくなと威嚇されているようだった。

祖父が捥いだいちじくをはじめて見たとき、
その姿のおぞましさに顔を歪めた。

赤黒い肌、少し開いた尻から覗く肉襞のような果はこちらをじろりと覗き込んでいるよ

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バタークリーム

バタークリーム

昔姉が可愛いといって買ってきたカップケーキはとても美しく可憐で僕を虜にした。

キラキラと輝くフェイクシュガーと鮮やかな色に染められたバタークリーム、僕は食べるのが惜しくてそっと宝箱にしまった。

庭で水遊びをして、アイスを食べて大満足の僕は今日のとっておきの仕上げとしてあの素敵なカップケーキを見ると決めていた。

だけど宝箱にしまったはずの素敵なカップケーキは夏の暑さでドロドロに溶かされていた。

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プラムテイスト

「なんか梅干しみたいだな」

「…人のケツの穴弄りなら何言ってんだよ。っていうか梅干しってどういうこと?味の話?」

「味かあ。味はわかんねーな」

そう言って顔を近づける。
鼻息がかかり、思わず身をよじる。

俺の反応を合図に舌が差し込まれる。
ひと通りあたりを舐めまわす。

「うーん、梅干しの味はしねえな!」

顔をあげてニヤりと笑う。
「でも、なんかエロい匂いがすんだよな」

そう言ってまた

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乳酸飲料

乳酸飲料

「なあ!これ知ってる?!」
ルームメイトの新(アラタ)が見せたのは某乳酸飲料だった。

「知ってる。お前よく手に入れたな。ウチのかーちゃん見つかんねえって近所のスーパー何件もハシゴしたって言ってたわ」

「ふふふ…廉(レン)君よ…これをなぜ俺が手に入れたかわかるかね」

「睡眠の質を向上させたいんじゃねえの?」

「アホか。成長期のオレらなんて寝ても寝ても寝足りんわ!実はな…」

新は廉に耳打ちを

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