ルマンド
先日犬の散歩を終えて帰ってきたら、向かいの家の駐車場で、近所の小学生の男の子三人連れが寝そべってキャッキャ騒いでいた。
何してるの?と近づくとお菓子パーティをしているのだと言う。各々お菓子を持ち寄り交換して食べているらしい。楽しそうだね〜と言うとその中の一人がストロベリーの生チョコがついた棒状のビスケットを差し出した。
「これ、あげる」
どうしよう‥。私、余程物欲しそうな顔をしていたんだろうか? 私50代なんだけど小学生からお菓子貰っていいの? 色んな気持ちが渦巻いたが、有り難く頂くことにした。
「これ、美味しい!」
「ホント? じゃこれも食べてみて」
結局3人からお菓子を貰って食べてしまった。今の小学生はなんて心が広いんだ。私は感動した。お返しをしたいが今うちにお菓子があっただろうか?
ルマンド、昨日酒を飲みながら鬼のように食べてしまい、キャラメル味とココア味があと1本づつしかない。リスのように一心不乱に食べずにもう少し残しておくんだったと反省した。他には‥夫所蔵の梅しそ味の柿の種ならある。でもなんか違う気がする。
仕方ない‥。お裾分けは諦めてお礼を言って帰ることにした。
私は子供の頃からルマンドが好きだ。子供の頃おやつにルマンドが出るとワクワクした。50代の私が子供の頃からあるのだから相当歴史のあるお菓子である。調べてみると1974年発売らしい。私とほぼ同年代だ。
当時、あの繊細なクレープのパリパリ感は感動ものだった。割れてしまうと食べにくいという難点もあったが、それは顔を天井に向け、開けた小袋を口にかざすと言う方法で解決した。
それにあのココア味。チョコレート味にしなかったところが秀逸だ。上品で控えめで、昭和のあの時代によく引き算の美学のような商品を作れたなと感動する。
この間、近所のスーパーで見たら175円だった。確か私が子供の頃もそれ位の値段だった気がする。ちょっと安すぎない? 50年間ほぼ値上げしてないんじゃ‥? でもそのおかげで給料日前でも何の躊躇いもなく買う事ができる。ココア味、キャラメル味の2袋でも余裕だ。熱い紅茶を淹れて両方の味を交互に味わうのが、私にとってとても幸せな時間だ。
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