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【エッセイ】本音と建前②。

こんばんは。

前回の続きです。

入社して、半月くらいは元々いた方から引継ぎを受ける形になりました。ただ、この方ずっとこの会社に居たようなのですが、引き継ぎ書っていうものを一切作っていませんでした。

私の中の常識では、自分がいつ休むかもしれないので、引き継ぎ書はマストだったので、引き継ぎ書がない会社があることに驚きました。

全部頭の中に入っているからと仰っていましたが、継ぐ身からしたら不安しかありませんでした。

その方がほどなくして退職し、りんごさんも退職することになりました。後から聞いた話ですが、りんごさんはこの会社にいる本社勤務の人と不倫をしていたそうで、その人を追いかける為に上京したのだそうです。

後に、沢山いる浮気相手の1人に過ぎないと知ったらしく、お別れしたと聞かされました。

りんごさんが退職した直ぐあとに、法務を担当していた方も退職されました。私が入社して1か月と少しで3人も退職なんて、ちょっとおかしいなぁと思い始めました。

会計の方を担当されている方が1人、長期休暇を取られていると聞き、理由を聞くと、上司からのパワハラだという話でした。

もしかして、この会社ってパワハラが普通の会社なのだろうか?

と思ったのですが、自分の部署は大丈夫だろう、だって紹介で入ったのだからと思っていました。

しかし、それは大きな間違いでした。

私が入社して1か月くらい経った頃、長年入院していた祖母が亡くなりました。享年97歳と大往生でした。その為に、会社を休まなければいけなくなり、まだ入社したばかりでしたが、お休みをいただきました。

その2か月後、私が飼っていた犬が亡くなりました。最期に立ち会うことも出来ず、本当に悔やまれました。

そのあたりから、段々と会社の上司からの当たりが強くなってきました。

りんごさんが居た頃とは、違う雰囲気で、違和感が増していきました。

分からない部分は、りんごさんにメールで連絡して、教えてもらい仕事を進めていました。法務の仕事もなぜか、全く分からない私が少し担当することになり、りんごさんが担当していた新卒採用も担当することになり、それ以外にも先に退職した方の仕事も私の仕事になりました。

多分、キャパオーバーだったんだと思います。けれど、会社はそんなこと関係なく、どんどん仕事が降ってくる状態でした。

直属の上司から、私が仕事をしていないということを責められ、毎日仕事が終わる前に、何時から何時まで何をしたか、どこまで終わったかなどの報告をするように求められました。

最初に私を迎え入れてくれた感じとは違い、この時にはもう”使えない人”っていうレッテルを貼られていました。

自分なりに頑張って仕事はやっていたし、友人の顔を潰す訳にはいかないので、出来る限りのことをしているつもりでした。

お盆休みが明けて、このままここで働いていたら、確実に精神がおかしくなると思い、近くの心療内科を検索しました。

電話で予約を取る心療内科で、会社から数分の距離でした。

正直、限界でした。郵便物を出しに外出したタイミングで、電話をし予約を取り、会社が終わってからそのまま病院に行きました。

1階にコンビニがあるビルで、とても病院が入っているような雰囲気はパッと見た感じありませんでした。エレベーターで上がり、扉が開くと正面に美容室があり、左右に更に細い通路があり、右側に進むとその心療内科はありました。

ヒーリングミュージックが流れている10人くらいしか座れない待合室で、自分が呼ばれるのを待ちました。診察を待っている人たちは、みんな下を向いていました。誰一人として、楽しそうに待っている人はいませんでした。

呼ばれて診察室に入ると、左側に長椅子とテーブルが1つあり、右側にデスクと椅子があり、医師はそこに座っていました。

ちょっとナルシストっぽい感じで、色白で暗い雰囲気を持った医師でした。
現状を伝える。

「もう、出勤しなくて大丈夫です。今日、鬱状態という診断書を出しますので、会社にはそれを郵送してください。メールで結構なので、会社にはそういう診断を受けて出勤出来ないと書いてください。まずは、1か月療養と書きますので、診断書の期間が切れる前に、また診察にいらしてください。薬を処方することも出来ますが、どうしますか?」

と聞かれたので、薬は大丈夫ですとお断りしました。それは、以前お付き合いしていた人が鬱の薬から抜けられず大変なところを見ていたからです。

そこから私の休職期間がスタートしました。

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