【旬杯】勝手にめろ賞 「大好きだひたむきに詠む君だから」の12句
感動のエンディングを迎えた旬杯。相変わらず一人大出遅れなオイラですが(すんません)、勝手に賞記事はどうしても出したいのです。
そして発表の前に、暑苦しく語っておきたいことがあります。「ええから勝手に賞の俳句早よ見せろや」という方も、ここは読み飛ばさないで頂きたいです。一区切りを迎えたみんなの俳句大会の中で、勝手に賞の存在価値を改めて記しておきます。
預言者であり創造者
オイラの記憶が確かならば、勝手に賞が始まったのは白杯からです。
この時はまだ、ムーブメントにはなっていません。スターライトうつスピ先生は↑記事でこう書いています。
そして次なる沙々杯で、実際にムーブメントが起きます。
みん俳は参加者の人間性に支えられたと思う
共通していることは、全部もらえると嬉しい笑 ただ、①は原則1句だし、②は多くても50句程度。そして①・②に関しては、予選通過しないと受賞の可能性はない。③は別格だけど、これも1枠。つまり、④がなければ、毎回300句以上が「何もナシ」という扱いになっていたってことよね。ここって、こういうお祭り的イベントにおいて非常に大きなファクターだと思うんですよ。
賞を取るためだけに参加するわけじゃないんだけども、やっぱりねぇ。予選通過しなかった人は、その段階でテンションというか、参加してる感が下がってしまうと思います。勿論大賞の投票もあるし、自分の推し句や仲の良いnoterさんを応援するといった楽しみ方もあります。
だがしかし。だがしかーし(久々に出した気がする)。「そこに自分の句が存在しないんだ」という厳然たる事実はあるわけです。皆さん大人だから、自分のことはさておいて、他の方を祝福出来ますね。みん俳は、こうした参加者のみなしゃまの人間性に支えられた部分が非常に大きいと思っているんだけど、かっちー兄はん、riraしゃん、ははちゃまどう?(聞いてどうすんだ)
予選通過できなかったけど、勝手に賞で○○さんが選んでくれた。これに救われた人が、どのくらいいるでしょうか。オイラもその一人です。これを読んでいる貴方(貴女)も、きっとそうではないですか?いやそうだよね絶対そうだろ正直にいいたまえ(ノシ*`ω´*)ノシ
てかここだけで一記事になるやんけ
ここまでうつスピ先生onlyの手柄みたいな書き方をしてしまいましたが、流石の先生でも1人でここまでにはできません。いつからか運営サイドが勝手に賞を推奨してくれて、纏め記事を作ってくれた。多くの参加者が、勝手に賞の記事を出してくれた。本当にみんなで作り上げたムーブメントですよね。
何より、勝手に賞のコメント欄で交わされる、あたたかい交流。オイラはそれを読むのが大好きでした。オイラが最後までみん俳に参加し続けた理由の1つが、ここにあります。仕事は別として、趣味や遊びでやっていることにおいては、減点法より加点法の方が絶対に人生は楽しい。
さて。ここまで1400文字書きましたが、本編は未だ0字ですよ。相変わらずめろさんはドストエフスキーですね。
ここからが本編
さていい加減参りましょうか。いつもの通り、投句一覧の中から、詠み人知らずの状態で純粋に俳句だけで選んだ12句。順位付けはなく、投句順での発表です(敬称略)。
ではいってみよう٩(ˊᗜˋ*)و
切ない夜に励ましてくれる蝉
旬
いきなりホストの旬くんの句でした。オイラの記憶が変わってるのか、何か現代のセミって、夜中まで鳴いてません?オイラが子供のころは、深夜にセミの鳴き声ってそこまで聞こえなかった気がするんですよね。
寝静まった夜に、セミの大合唱。風鈴じゃないんだよ。セミだからね笑 うるさいな~寝られね~だろ!ってなりかねないところを、「切ない夜に励ましてくれる」と捉える感性が素敵だよね。きっと辛かったこと、嫌なことがあったんだろうな。具体的なことは何も書いてないからこそ、読み手それぞれが自分に置き換えて「切ない夜」を想像できるんです。
みんなしてすいかを割ったような気分
つる
さてお次は…とリンクを押すと、白杯審査員で鶴亀杯ホストのつるさまの句でしたか。あの時はお世話になりました。でもそれが理由で選んだわけではありません(説明不要でしょうけども)。御句を選んだ理由はねぇ、最後の「気分」よ「気分」。え?実際に割ったんじゃないの!?(*✪д✪*) 気分って何よ??が最初の感想ね笑
実際は割ってないのよね。コロナ禍で、みんなでスイカ割りなんて中々楽しめないここ数年。具体的に何をしたかは分からないけど、みんなでスイカ割りをしたような気分になれた。きっと嬉しかったんでしょう。上五の「みんなして」という表現も絶妙。今回のキャッチフレーズにピッタリです。
清流の音どっと来て夏の宿
チズ
酷暑に感じたい涼しさ。清流の音はバチコンでしょう。御句はその上で中七の「どっと」のオノマトペがめちゃんこ効いてます。流石チズしゃん。そういえば、鶴亀杯の白金賞句「結び帯ぷんとふくれて戻り梅雨」も、同じ中七でひらがなのオノマトペでした。
合わせた下五「夏の宿」で、一気に情景が浮かびます。山の小高いところにある隠れ家的な宿。そこまで歩いて「あつーい…」と部屋に入った途端、清流の音。これがチョロチョロではなく「どっと」だから良いのよね。喜びだけじゃなく、そこに驚きの感情が加わります。流石の一言です。
朝靄の果てより響く慈悲心鳥
十六夜
十六夜杯ホストの登場です。慈悲心鳥がどんな鳥か分からない人(=オイラ)でも、景色は思い浮かぶ。早朝の森か林か。とても静か。そこに、鳥の鳴き声。ものすごくクリアに聞こえるけど、ものすごく遠くにいることは分かる。朝靄の中、捕まえるどころか、その姿を捉えることすらもできないけど、声だけははっきり聞こえるというね。
その鳥の名は、慈悲心鳥。どういう由来か分からないけど(調べろや)、慈悲を感じさせる鳴き声、といったところでしょうか。早朝に静かな林の近くを散歩していたら、姿は見えないけど、慈悲深い鳥の声が聞こえた。暫くそこに立ち尽くしちゃいそうですね。
あのころの記憶と一緒に川あそび
しち
さて次は。十六夜杯のイラストレーターとして大活躍だったしちさんの句でした。あ~なんか、しちさんの絵が浮かんでくるような句だな~と納得。「あのころ」という指示語を使うのは、俳句結社の手練れ勢から「どうなの?」と是非を問われそうだけど、オイラの好きを非とする権利は誰にもありません。勝手に賞は是一択です。
「あのころ」に思いを馳せてみよう。ひらがなだから、きっと子ども時代。例えば、塾や習い事ばかりで、全然水遊びできなかった、あの頃の自分に。プールで溺れかかって、水がトラウマになって、それから水遊びから遠のいてしまった、苦い記憶を克服する。打算なく、純粋に日々を楽しめていたあの頃の自分に戻って。色んな物語が描けそうですよね。
捨て猫の上に傘差す緑雨かな
島風ひゅーが
漸く知り合いではないnoterさんで一安心(??)。島風ひゅーがさん。素敵なお名前ですよね。名前がもう夏を感じさせるというか笑 そしてきっと、とってもとってもとーーーってもお優しい方なんだろうなと、俳句や記事を読んで感じました。
御句は季語の「緑雨」がバチコンです。これね、捨て猫に対して、実際読み手がどう思って、その後どういう行動を取ったかは全く書いてない。でもね、「緑雨」がそこを全部伝えてくれている気がするんです。緑雨は優しい雨、大丈夫だよと。「思いを季語に託す」「思いを季語で伝える」ここですよね。きっとうつスピ先生もそうですめろさん!と力強く頷かれているはずです。
ヒメジョオン占拠す公園猫ひとり
かよん
これも目線のやさしさを感じる猫句です。個人的には、かよんさんと前出の島風ひゅーがさんはお友だちになれると思います笑 ヒメジオンの白と緑に映える猫の毛色ってなんだろう?やぱ茶トラかな?サビちゃんだと目立たない?クロちゃんでも良いよね。てか、猫なら何でもいいよね(おい)。
御句は下五の「猫ひとり」が効いています。「ひとつ」「一匹」じゃないんですよ。ひとり。人間に使うことば。かよんさんの、猫(動物全般?)に対する目線がここに込められている気がします。時間経過的にはさ、かよんさんの句→ひゅーがさんの句って繋がっていてもいいよね笑
入梅や傘はあるかと問う練習
夕凪遥
オイラ以上に多忙かも知れない遥しゃんだけど、みん俳にはお互い滑りこみながら続けてきたよね笑 やっぱり出したくなるんよみん俳は。そして御句は、遥しゃんのアオハル句、炸裂!といった趣です。まーこれはね、オイラは選んじゃいますよ(´め∀め`)ワハハ
「一緒に帰ろ?」じゃないんですよ。そんな直接的なこと言えないですから。トマトジュースぶちまけたような顔になってアウトですから。いきなりディープキスするようなもんですから(←??)「傘……持ってるの?」これよこれ!!間接キスのお手本ですよ!!(←???)。それを緊張しないように練習するってんだから。まいっちんぐ町山智浩ですよ。ふざけすぎたゴメン。
蝉しぐれ給水車待つ列の黙
うみのちえ
みん俳ではすっかり強豪となったちえちゃん。白賞は、ちえちゃんがいるから実質5枠の争いだったからね笑 そんなちえちゃんに関して1つだけ自慢するとしたら、白杯の時にオイラの勝手に賞でちえちゃんの句を取り上げられたこと。この時は知り合いではなかったけど(みん俳関係だれも知らなかったはず)、結果的には凄い才能を見いだせていたのよね笑
さて、御句はオイラが考える俳句のお手本のよう。上五「蝉しぐれ」と下五「列の黙」の対比。特に後者のことば選びのセンスったらないよね。「列の黙」なんてフレーズ、あと500年生きても浮かばないよオイラは笑 やぱ俳句ってフィールドでは勝てる気がしない。ちえちゃん、今度は笑いというフィールドで闘いませんか?(やめとけ)
腹出しのギャルも浴衣の隅田川
沙々良まど夏
大会ホストのあるべき姿というか、大切さがものすごく分かったのは、個人的には沙々杯です。あの時のまど夏ちゃんは、音声配信をやったり、関連記事全部丁寧に回ったり。「スゴイな~この人は」と、傍から思っていた記憶があります。みん俳ですっかりお馴染みとなった「ジャイアニズム」や「土管」も沙々杯からですね。全く、誰が言い出したんですかね。
御句はねぇ。伝えたいことは勿論分かります。ただ、この素材を十七音に入れ込むのは大変だな…と。オイラなら諦めて短歌にしてます。でも、まど夏ちゃんはきっちり俳句として仕立て上げました。とにかくね「腹出しのギャル」ってフレーズの強さったらないわけ笑 隅田川の花火大会は特別なイベントであることを、きっちり伝えられてます。今年は無事開催されて良かったです。人やばかったけどね。
断捨離を終えてシャリッと青りんご
シンハ
仮に公式審査員として順位をつけるなら、1位か2位にします。それくらい、今回の中でお気に入り。シンハさんで印象的なのは、オイラが公式審査員をした鶴亀杯の時かな。〆切直前に飛び込んできた「夏服の心許なき登校日」に、心を奪われたのを昨日のことのように思い出します。予選投票でも内心めちゃめちゃ応援してて。決勝行けると思ったんだけどね~シンハさん惜しかったよね笑
今回も負けず劣らずの佳句です。とても分かりやすい平易なことばで、かといってシンプルなだけではなく、「断捨離」「シャリっと」で韻を効かせています(専門用語で「俳諧味が良い」って言うらしい。某株式会社ラブあんどピースの代表取締役平社員から教わった)。オイラも言葉遊びは好きなんですが、やりすぎちゃう笑 御句はちょうど良い塩梅というか。イヤらしくないんですよね。ホントに爽快な句です。
蟻はこぶ誰かの恋のオトシモノ
ミモザ
これも順位付けするなら1位か2位。シンハさんのシャリっと句と相当迷います。「何でこれ予選会場にないんだろう?」っていう句は毎回一定数あるのですが(審査員経験あるから分かる。良句の数が多くて絞るしかないのよ💦)、御句は歴代で一番その思いが強かったかも知れないです。
こんなに物語を感じさせる句は、今回の旬杯の中でありませんでしたよ。上五の「蟻はこぶ」で何を?を気にさせておいて、誰かの恋のオトシモノときたもんだ!!クーーーッと唸る川平さんが見えます。またね、「はこぶ」のひらがな、「オトシモノ」のカタカナのバランスもとても良いのよ。読めば読むほど好きな句です。
ここで悲報です。当該記事は、とっくに5000文字を超えた模様です。従いまして、他にも紹介したい素敵な句はイパーイあるのですが、ここらでお開きとさせていただきます○┓サーセン
みなしゃまの記事や公式賞関連も、来週の連休~お盆期間に、なるべく時間を作って読みに行こうかと思ってます。きっと、みん俳への感謝記事がここから更に増えるだろうからね。
てことで、ドストメロスキーでした(´めωめ`)ノシ マタネン
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