没頭食カロリーメイト

自分や一緒に住む家族に区切りがないと、ただぬるま湯のように桜を見ながら過ぎ去ってしまう春。今年は、次男が幼稚園を卒園して小学校に入学した。たくさん笑って、思いきり泣いて、多くに感謝して、前に進む子どもを見て心臓がキュンとして。どこかで養老孟司先生が以前、心で処理しきれなくなった感情が涙として出てくるのだというようなことをおっしゃっていて本当にその通りだなと思う良い意味で情緒不安定な春だった。そういうとき自分の目に入ってくるもはエモーショナルなものが多い。

大塚製薬カロリーメイト「光も影も」

この春好きな広告。
10代はドラマの連続。受験も様々な思いが詰め込まれる。今年のカロリーメイト受験生応援CMは美術大学を目指す生徒と理系学部を目指す生徒のものがたり。

どうしたらこのようなフレッシュで少し切ないやりとりの数々を思いつくことができるのだろう、高校生を過ぎ去った大人が。印象的なフレーズがいくつも登場する。

「消しゴムってさ、間違いを消すものじゃなくて、光を与える道具なんだって」

大塚製薬カロリーメイトのプレスリリース

高校の美術の授業で、木炭と食パンを使って石膏像を描いたっけ。そのときデッサンの木炭を消すには食パンを使うのだと知った。影をまずとらえるよう言われたのを覚えてる。空間の中に影を表現し、そこから食パンで光を加え、物体を画面の中で浮かび上がらせる。光と影がないとものはそこに存在しえない。私の画用紙に描かれた石膏像はまっくろで、光がまだ届かないところに隠れているようでもあった。石膏像のアウトラインでなく光の筋を視界のままに写し取り、塗りたくった木炭を消したとき、絵に初めて奥行きが生まれ命が宿った。哲学的であり、精神的でもあるその事柄はまた、目の前で展開される紛れもない事実でもあった。ものごとや、そして私が存在するには、光も影も必要なのだった。

美大を目指すことはしなかったけれど、美術は大好きだったし、デッサンも上手くなりたかった。スケッチブックを抱えてニューヨークに行ったこともあった。心にくすぶってるものがあるのかな、デッサンに力を注ぐシーンには見入ってしまう。なぜ私は美大にチャレンジしなかったのだろう。

このような多様性の表現は、とても好ましいと思った。

カロリーメイトは「没頭しているときに隣にあるもの」

大塚製薬カロリーメイトのプレスリリース

"没頭食"これが今回カロリーメイトのテーマでもあり売り文句。ここがまた好きでして。ごはんを食べる時間を惜しんでもやりたい何か、それは誰でも過去に絶対的にあったはず。

子どもたちがどろんこ公園で遊びに夢中になっているとき、いくら東屋でお弁当を広げて待っていてもやってこない。どろどろで、水浸しで、ずっとはしゃいでいる。親たちのことなんて見えてないし、時間の感覚などなさそう。どろんこ公園はそんな子どもたちの夢中になる時間をとても大切にしているから、時計がない。

夢中になるのがどろんこ遊びから、スポーツや音楽が加わって、何かを学ぶときもそうなっていくのかな。

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