栗とSF

栗ご飯の季節。

定期的に頼んでいる野菜宅急便は、その時期に畑でとれた野菜を箱に詰めて送ってくれる。秋になると両手にたっぷり1、2杯くらいの栗が来るのだが、茹で栗にするとかなりの確率で虫を発見してしまう。「なんかごめん…」と思いながら茹で栗をくり抜く作業をすすめ、また「あ…ごめん…」となる。それを20個ほど繰り返して虫を取り除いてから栗ご飯をつくる。虫がいるということは安全なので、子どもたちが食べるものだし第一には嬉しい。栗の中にいるのは、ゾウムシもしくは蛾の幼虫。

たまに耳にする昆虫食の話題。個人的には食べたいかというとそうでもなく、"新しいタンパク源として注目"のような日経新聞的フレーズが好きで興味はある。ほんとうにタンパク源の危機なのかな、でもメジャーにはならないでしょう、なんて思いながら日常プラスちょっとSFというか今より半歩先について考えを巡らすのは楽しい。楽しい中はヘラヘラするので、昆虫食やタンパク質や家畜の出すゲップとオナラのメタンガス量なんかを半笑いで調べる私をみて夫は気味悪がった。

芋虫を貴重なタンパク源として食する文化を紹介するテレビ番組を見て、芋虫だって火を通してあればいざとなったら自分も食べられそうだと勝手に"いざというとき"の覚悟をしてきた。コオロギせんべいが販売しているというので入手しようとおもったら、発売すぐに完売の人気商品だそうだ。多くの人たちがわたしと同じような覚悟をしているのかもしれないと思うと、すぐに来そうな未来について再び考えてしまう。もしかしたらもうすぐそこまでタンパク源危機は来ていて、お肉が流通しなくなる日が近いのかもしれない。我が家にはテレビがないので知るべきニュースが得られていないのかもしれない。そんなことを考えているときほどお肉屋さんに並ぶ品数が少なかったりするのだ。不安が増す。

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