世界の入り口はレジ横に

「あの青い車が欲しい!」
近所のスーパーレジ横、3歳児の目に入りやすい場所にあった食玩ミニカー。わざとだな、スーパーよ!2日がかりで母を説得して手に入れたので、そのスカイブルーのAudiには思い入れがあるみたい。次男は何かとAudiを気にかけて、一緒にお風呂に入ったり、一緒に公園に行ったり、枕元に置いておいたりして可愛がった。4つのマルが横に並ぶのがAudiのマークであることも知った。

街中でAudiを見つけると「あぁ、Audi!」と興奮しながら教えてくれる。自転車の前座席で彼はAudi、BMW、Benz、TOYOTA、HONDA、マツダ...など見かける車のエンブレムをどんどん覚えていく。

これは...この知識をぐんぐん得ていく感覚には... 覚えがある。長男は恐竜だった。ちょうど3歳くらいか。恐竜が好きになり名前をおぽえたくて、ひらがなを覚え、図鑑に載る恐竜はカタカナ表記が多いのでカタカナもセットで覚え、図鑑のページ数で数字を覚え、白亜紀とジュラ紀にいた恐竜はそれぞれ違う種類なことから年代や分布図をつくりながら世界地図を覚えていった。すぅーっと頭に入っていき知識が定着していってるんだろうなという感じ、恐竜こそが彼を知の世界にいざなっているんだな、虫でもウルトラマンでもなく彼は恐竜なのだなという彼へのフィット感。

次男3歳もその時が来たのだろうか、そしてそれは車なのだろうか。胸高鳴る母は前のめりながらエンブレムカードをつくる。表にはエンブレムのみをプリントして名刺サイズにカット。次男はキラキラしながら制作風景を眺めていたが、裏にエンブレムに対する名前を記載していこうと始めたら「ちがうちがうちがう!」と叫び出した。お母さんなんか嫌いだとまで言われる始末。どうやら裏面には何も記載してはならなかったようで、彼は神経衰弱をしたかったみたい。そういえば長男とつくった"恐竜世界地図"も細かい指示がなされていたな。大人が先回りしちゃダメだったんだそうだった。次男の細やかな指示を待つ。


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