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Datos romanticos

最近は仕事で、データを取り扱う。売上、昨年比、顧客分類… そこから自分が何を言いたいかを代弁してくれるようなデータの可視化は難しい。

大学の卒論で蟻や蜂など、社会的昆虫について調べた。蟻は巣の繁栄に忠誠を誓い女王や巣を守るために命をかけるのだが、一方で、戦いに参加しなかったり大きな餌を素に持ち帰るための行列に加わらなかったりと自分勝手に見える行動をする蟻がいる。こういう個体はあらゆるコロニーにある一定数いるのだという。菌種でも蟻でもイナゴでも。そのときは勝手とか怠け者に見える行動は、そのコロニーにとってはリスクヘッジ。巣の100%が敵に向かっていったらもしみんなやられたら巣は再建できないものね。で、8:2の法則。働き蟻のなかで80%は働き20%は働かない。働く蟻を新たに集めた集団でもそれは変わらなく、勤勉なはずの集団でも新たに20%は働かなくなる。色々なことに当てはまってしまう法則で、企業活動においては売り上げに貢献するのは80%の社員と20%の顧客が80%の売上を捻出している。働き蜂はみんなメスで子供を産めるけど女王の産む子供を育てる、それは遺伝子濃度的に自分が産んで育てるよりも巣という集団で女王の生む子供を育てる方が遺伝子濃度が濃く後世に伝わるからだと2002年くらいにいろいろ調べたときはそうまとまった。いったん納得したけど最近やっぱり腑に落ちず調べてみたら2018年に北海道大学が研究結果をだしていた。1匹で子育てするハチと女王の子供を育てるハチが1つのコロニーに混在するシオカワコハナバチを調べていた。結果、ハチの世界でもワンオペはキツいっていう結果だった。社会で地域で子供を育てていくほうがより安全なことを知っててハチは本能で行ってるみたいだ。

日常のさまざまなことをデータ化すると規則があって、自然界にもそれはあって、それらはとても美しくて、この世のすべてが数字で表すことができるのかもしれないと思ってしまう。でも結局のところまずは進まなければ生きなければならず、数字はあとからまとまって蓄積されてはじめてデータになる。もしこの世界のすべてに規則性があり数字ですべて表され得るならば、チョイスを邪魔する余計なしがらみや要素がなくて本能で動けるのがいちばんいいのかもしれないな。.... そんなの難しすぎるけど。

でもそんなことを考えたり規則的に並ぶ文字列や数字を見ていると不思議な気分になり、物語を書きたくなってくる。はぁ…データってロマンチック。

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