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アルファベットが57.5億ドルのサステナビリティ債を発行、環境・社会問題への取組みを強化

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』のテーマは、グーグルの親会社 アルファベットによるサステナビリティ債の発行です。

アルファベットは、2020年8月3日付けNewsで、投資家向けに「Alphabet Issues Sustainability Bonds To Support Environmental And Social Initiatives(アルファベットは環境・社会イニシアチブを支援するためにサステナビリティ債を発行する)」と発表しました。

サステナブル債とは資金の使途を環境・社会の持続可能性に貢献する事業に限定した債券のことで、ESG投資の対象となります。

発表内容によると、アルファベットは史上最高額となる57億5000万ドルのサステナビリティ債を発行し、資本市場のSellサイドまたはBuyサイドの企業など600団体が加盟する非営利機関「International Capital Market Association」(本部:チューリッヒ)が取り決める「グリーンボンド・プリンシプル」「ソーシャルボンド・プリンシプル」に則って、その調達資金をエネルギー効率、住宅、人種的平等、COVID-19対応などにかかわる環境・社会プロジェクトへ充当するとしています。

グーグルは2007年以降カーボンニュートラルとなっており、また過去3年間は電力消費すべてを再生可能エネルギーでまかなっています。今回のアルファベットによるサステナビリティ債発行で、グループ全体としてよりESGへの取組みにコミットしていくことになります。

ちなみに、スイスの金融サービス企業 Mirabaud Groupが今回の債券発行について動画でコメントをしています。ご参考までです。

ブルームバーグのレポートによれば、ESG債発行額は近年急増し、2020年は1/1から8/2までの期間だけで、既に2019年の発行額を上回る1790億ドルが発行されています。

GAFAをはじめとする世界最先端のメガテック企業には、ガバナンスの強化、ダイバーシティ&インクルージョンへの対応、そしてもちろん環境問題への取組みがまずます求められてきます。それに伴って、サステナビリティ債、ESG債の発行も増えていくことが予想されます。

田中道昭

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