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マイクロソフトの環境問題への取組み②

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』のテーマは、22回目に続いて、マイクロソフトの環境問題への取組みです。

マイクロソフトは、2020年9月1日、社会や環境、プライバシーなどのテーマを扱う「Microsoft On the Issues」サイトに、「Sharing data to help launch the Linux Foundation Climate Finance Foundation(「Linux Foundation」の「Climate Finance Foundation」の立ち上げを支援するためにデータを共有する)」という記事をアップしました。

記事によれば、マイクロソフトは、アマゾンやS&P Globalなどと、「Linux Foundation」主導の新しいイニシアチブ「Climate Finance Foundation」を立ち上げ、自らが持つサステナビリティに関するデータをシェアすることで気候変動インパクトの財務モデリングを支援するとしています。なお、「Linux Foundation」は、オープンソース・ エコシステムの実現に向け資金やサービスを提供している非営利組織です。

マイクロソフトは、22回目でも少し述べましたがアマゾンやアップルと同様、「カーボン・ネガティブ」「AI for Earth 」「Open Data Campaign」など、事業の中核から環境問題に対峙しています。今回発表された取組みもその一環。

Climate Finance Foundation」は、オープンソース分析とオープンデータを活用することで、気候変動に関連した投資ポートフォリオや資金調達により適切に対処できるよう、投資家、銀行、保険会社、企業などを支援していくというもの。ファイナンスは、今や、気候問題ソリューションに求められる重要な課題として捉えられています。持続可能な開発目標のためのインフラ整備には今後15年で約95兆ドルが必要とされるという、OECDの試算もあります(動画参照)。

昨年の「国連気候アクション・サミット2019」に合わせて、低炭素推進機関投資家イニシアティブ「Investor Agenda」による共同声明「Global Investor Statement to Governments on Climate Change」が出されました。また、同じタイミングで、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)による国連責任銀行原則「Principle for Responsible Banking」が発足しています。

機関投資家や金融機関は、気候変動など環境問題を経営リスクとして捉えるようになってきています。それに伴って、マイクロソフトやアマゾンといったテクノロジー企業の役割もますます重要になってきます。

田中道昭

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