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ナイキ、「Nike Run Club × Apple Watch Nike」でランニング・ユーザー囲い込み強化

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』で取り上げる企業は、ナイキです。

ナイキは、2020年9月18日、コーポレートニュースサイトに「What’s New to Nike Run Club on the Latest Apple Watch Nike(最新の「Apple Watch Nike」での「Nike Run Club」の新機能)」という記事をアップしました。

記事では、ランナーへ没入型エクスペリエンスを提供する「Nike Run Club」アプリに、ランニング前/中/後それぞれに利用できる新機能が搭載され、最新の「Apple Watch Nike」でロールアウトされると紹介しています。

ナイキは、ランニング、バスケットボール、ジョーダン・ブランド、フットボール(サッカー)、トレーニング、スポーツウェアという主要6事業を行っていますが、2018年度から「トリプルダブル戦略」を採用し、「イノベーションの影響力」「プロダクトの市場への投入速度」「顧客との直接的なつながり」という3つ(トリプル)を2倍にする(ダブル)と謳っています。そして、これが具現化されたのが、NikeアプリやNike Plusメンバーシップといった施策です。

「Nike Run Club × Apple Watch Nike」でのランニング・ユーザーの囲い込み強化は、ナイキの「トリプルダブル戦略」の推進とアップルのウェルネス&ヘルスケアのエコシステム強化(第48回第38回参照)という、それぞれの利益が一致するものです。

ナイキは、2020年度決算(2019年6月1日~2020年5月31日)では、売上高が対前年比4%減、税引前利益が同40%減となっています。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた第4四半期での大幅売上減と最終赤字転落が原因ですが、今年度の第1四半期決算ではデジタルチャネルの好調によって回復基調が見えてきているようです。

田中道昭

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