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テンセントがWAIC2020でホワイトペーパー「Tencent AI: Ambient Intelligence」を発表

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』は、テンセントのAIです。

テンセントは、7月9~11日に上海で開催された世界人工知能大会オンラインサミット(WAIC2020)で、ホワイトペーパー『Tencent AI: Ambient Intelligence(テンセントAI:アンビエント・インテリジェンス)』を発表。WAIC2020期間中の7月10日にも、このホワイトペーパーに関連して、「Tencent Unveils Plans for Artificial Intelligence, Integration with Industries(テンセントが人工知能計画を発表、業界との協業を推進へ)」というテンセントのプレスリリースが出されました。

ホワイトペーパーでは、テンセントが4つのオープン・AIプラットフォームを立ち上げ、エンタメ業界や放送・メディア業界などとAIでの協業を推進していくとされています。ホワイトペーパーのタイトル「Tencent AI」の「AI」は、「Ambient Intelligence(アンビエント・インテリジェンス)」のAIと「Artificial Intelligence(人工知能)」のAIをかけた表現。

アンビエント・コンピューティングは、今年の年初にラスベガスで開催されたCES2020でも大きなテーマとして扱われていました。「アンビエント」という言葉には「環境の」「周辺の」といった意味があります。今のところ、PCやタブレット、スマホなどデバイスを用いなければコンピューティングのサービスを享受できません。しかし5G、AR/VRなどのテクノロジーがオーバーラップしてくると、デバイスなしでのコンピューティングが実現してくる。それがアンビエント・コンピューティングです。

テンセントは2017年に中国政府から「AI×医療映像」事業を委託され、コロナ禍を契機にしてもAIの社会実装を進めてきました。テンセントのAI研究機関「テンセントAIラボ」では、基礎研究とともに「Game AI」などテンセントの事業の強みを活かした応用研究もされています。今回のホワイトぺーパーの発表は、AI分野でのテンセントのリーダーシップ強化につながっていくことになります。

田中道昭

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