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アリババクラウドのハイブリッドクラウド戦略

このnote記事『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとして「GAFA×BATH」などの米中メガテック企業をはじめと国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中からその内容をシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』は、アリババグループでクラウドコンピューティングサービス事業を提供するアリババクラウドについてです。

アリババは、2020年12月3日、「Alibaba Cloud Revamps its Hybrid Cloud Strategy to Accelerate Enterprise Cloud Adoption(アリババクラウドはエンタープライズクラウドの利用を加速するためにハイブリッドクラウド戦略を刷新)」とプレスリリースしました。

ハイブリッドクラウドとは、第65回でもIBMのハイブリッドクラウドについて述べましたが、共有型のインフラストラクチャ「パブリッククラウド」と企業のファイアウォール内にある独立したインフラストラクチャ「プライベートクラウド」を組み合わせたクラウド環境のことで、異なるクラウド環境間でデータやアプリケーションの共有が可能になるというメリットがあります。(動画参照)

プレスリリースによると、アリババクラウドは、ハイブリッドクラウド戦略の刷新によって「ハイブリッドクラウド・パートナー・プログラム」やクラウド上のサービスとの互換性、セキュリティやスケーラビリティ、信頼性をより向上させ、中小企業などのデジタルトランスフォーメーションを推進していくとしています。

ハイブリッドクラウド・パートナー・プログラム」とは、アリババクラウドと一緒になってハイブリッドクラウドの計画、設計、再販などを顧客に提供する企業を募って、アリババクラウドをベースとしたエコシステムを構築しようとするプログラムです。

アリババクラウドをみるポイントの一つは、クラウドを基盤として、コアコマース、ローカルサービス、デジタルメディア&エンターテイメント、さらには物流や金融といったアリババの事業が動いていることでした。今回、アリババクラウドは、ハイブリッドクラウド戦略を刷新することで、パートナー企業や顧客企業をさらに巻き込んだエンタープライズクラウドに力を入れていくことなります。

田中道昭

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