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ベロダインライダー、ネバダ州のインテリジェント・モビリティを推進

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』では、自動運転にとって重要なセンサーの一つ「LiDAR(ライダー)」の開発を手掛けるリーディング企業 ベロダインライダーを取り上げたいと思います。

ベロダインライダーは、2020年8月12日付けプレスリリースで、「Velodyne Lidar Powering Intelligent Traffic Management in Nevada(ベロダインライダーがネバダ州におけるインテリジェントな交通マネジメントを支援)」と発表しました。

プレスリリースによれば、ネバダ大学リノ校は、ベロダインライダーとのパートナーシップのもと同社の「LiDAR」である「Ultra Puck」を利用して、ネバダ州での交通の効率化、持続化、安全性向上を実現するインテリジェント・モビリティー・イニシアチブを進めていくとしています。具体的には、ネバダ州リノ市の横断歩道や交差点にある信号機に「Ultra Puck」を組み込んで、歩行者や自転車利用者など交通量の検出をして、交通状況の分析や渋滞管理など役立てるということです。

「LiDAR」とは「Light Detection and Ranging」の略で、赤外線などのレーザーを照射して、対象物に当たって反射して戻ってくるまでの時間を計測、周辺の対象物までの距離と周辺環境の3次元構造や車線の白線の位置を読み取るというもの。自動運転車の「目」の役割は、映像を撮るカメラ、電波をあてるレーダー、光線をあてる「LiDAR」などの組み合わせによって担われますが、「LiDAR」はその一角を担う重要なセンサーテクノロジーです。(ベロダインライダーのCES2020での動画参照)

ベロダインライダーは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している「グラフ・インダストリアル」を”逆さ合併”の手法で取得することで合意済で、2020年第三四半期末までにその手続きを完了し、ベロダインライダーがNYSEでの上場企業となる予定です(2020年7月2日付けプレスリリース参照)。

ベロダインライダーには、フォード、バイドゥ、自動車部品メーカーのヒュンダイモービス、ニコンが出資をしています。また、ベロダインライダーの「LiDAR」は、アルファベット(グーグル)のウェイモ15回目の『戦略をアップデートする』でテーマにしたバイドゥのアポロが推進する自動運転車にも搭載されています。

課題を抱えながらも自動運転の社会実装が進むなか、ベロダインライダーは量産体制の充実や高機能化を図っています。同社による自動運転やインテリジェント・モビリティのプロジェクト、自動車メーカーなどへの食い込みにはますます注目が集まります。

田中道昭

PS.著書の第8章で自動運転テクノロジーについてやさしく解説しています。よろしければ著書もお手にお取りください!




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