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JD.COM、テクノロジー・ドリブンによる価値創造で小売・EC企業からテクノロジー企業へ

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』は、第44回に続いてJD.COMを取り上げたいと思います。

JD.COM(京東商城)は、2020年10月27日、コーポレートブログに「JD CEO RICHARD LIU: JD’s Conviction is Technology-Driven Value Creation(リチャード・リウCEO:JDの信念はテクノロジー・ドリブンによる価値創造)」という記事をアップしました。

ブログ記事では、JD.COMはEC・小売事業で蓄積してきた能力や知見をもとに物流や健康など他の事業領域におけるバリューチェーンを再構築していく、そこでのカギはリウCEOが持つテクノロジー・ドリブンの価値創造に対する確固たる信念、という内容が記されています。

JD.COMは、2020年6月に、現在上場している米国ナスダックに加えて、香港市場でも上場・IPOを果たし、調達額のうち300億香港ドル(約4,000億円)以上をテクノロジーへの投資へ充当するとしています。さらに、AIやブロックチェーンなどテクノロジー・インフラを提供するJD Digits(京東数字科技、JD Digits Technology Holding Co., Ltd.)は上海市場のSTARボードにA株を、「インターネット×ヘルスケア」のエコシステム構築を進めるJD Health(京東健康)は香港市場にH株を、それぞれ上場・IPOする予定です。

また、第44回でも倉庫拠点の自動化について触れましたが、JD Logisticsは、AI、5G、クラウド、IoTなどの高度なテクノロジーを取り入れた、アジア・ナンバー1のインテリジェント・ロジスティクス・パークを運営しています。

JD.COMは、グループ全体で研究開発に従事する従業員を18,000人超擁し、2020年上期には研究開発費に75.4億人民元(約1,170億円)を充てるなど、今や中国を代表するテクノロジー企業の一つになっています。

田中道昭

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