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チェロ弾きのためのエッセイ〜健康診断〜


楽器の点検に東京へ行ってきました。
今使っている楽器を買って半年経ちました。
楽器を買ってから1日も欠かさずチェロに触れたおかげか、まだ半年しか経ってない?というような感覚です。

今の楽器の状態も健康的だそうで、一安心でした。


さて、点検に即して楽器のことを少し教えていただきました。


まずは季節。

購入したのは2022年5月頃で、楽器が製作されたのは2021年ですので、ほとんど季節を巡っていないです。初めてかもしれない夏で、楽器も大きく変化したみたいです。

夏になると楽器は全体的に膨張し、冬には収縮するそう。
気温はもちろんそうですが、ペグの大きさも変わることから、夏のチューニングはとても大変でした。これからも大変になるのですが…


また、松脂について。

松脂は弦と弓が接触しているところだけでなく、弦と駒が接している小さな溝の部分にも入ってしまうそうです。
そうすると、弦と駒で摩擦が生じるため、チューニングを行った際の弦の移動と共に駒が移動してしまい、駒ズレが生じてしまいます。楽器はミリ単位で製作されるため、ほんの少しずれただけでも音響に大きく影響します。

それを予防するために、件の弦が乗っかる駒の溝の部分に、固形の潤滑油的なものを塗るそうです。元々は化粧品に使われていたとかなんとか。


というわけで、ペグと駒の調整、弓の毛替えをお願いしました。当たり前ですが、とっても弾きやすくなりました。むしろ倍音がちょっと鳴りすぎるくらい?


そういえば、弓の持ち手の革も交換してもらいました。水分に強く耐久性が高い、トカゲの革だそうです。爬虫類が苦手な方には不向きかも…?


これから一緒に成長していくチェロなので、お互いに体調管理を気にしようと、改めて思えました。

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