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チェロ弾きのためのエッセイ〜縁の下の力持ち〜


突然ですが、クイズです。

下に動画がありますが(拙い演奏お許しください)、この曲は何の曲でしょうか?
チェロ弾きなら、もしかしたら知ってるかも?








正解は…





Louis R. Feuillard作曲、「Daily Exercises」の3番の12小節目でした。


つまり、基礎練です。


考えて下さった方、ありがとうございました。そしてごめんなさい笑

でも中には、何かの曲のコーダのように聞こえた方もいらっしゃるのではないでしょうか?



本題です。
Feuillardの基礎練を久しぶりに練習していました。
以前練習している時の感覚としては、指の練習としてこの教則本を使っていたのですが…

最近フレージングに悩んでいた私は、
「Feuillardの教則本ではメロディックな練習ができます」とどこかで書いてあったような…と微かな記憶を脈絡なく呼び起こし、そして突然楽譜を引っ張り出してきて練習してみることにしました。


自分の悩みの壁で立ち往生した時、案外基礎が助けてくれることがよくあります。


さて、Feuillardの最初のページをまじまじと見つめ、BPM=80のテンポでゆっくりと四分音符のフレーズを弾きはじめます。
フレージングを目的としているため、とっても簡単な1小節でも、音の頂点や音高を意識して練習しました。


正直な話、この教則本全部終わってなくて…前回はちょっと飽きてしまったんですよね…良くないと分かりつつ、そっと楽譜をしまっていました。


しかし今回は大違い。1小節をとっても、「あ、このフレージングもありだな…」なんていろんなパターンを考えながら弾いていたので、以前弾いたことのある楽譜とは思えませんでした。その分、時間はかかってしまいますが…

でも、Feuillardの教則本の最初のページで、フレージングを考えた人って実はそんなに多くないのではないでしょうか?
最初の動画のフレーズも「Feuillardの教則本だ!」と最初っから思った方はどれくらいいたでしょうか?


うおーFeuillardすげぇーって思って数秒後、大反省。過去の自分、もっと早く気づいてくれ…とくよくよします。
でも、これをただの指練習だなーと思って終わらせることにはならなそうで、一安心です。喜怒哀楽の激しい10秒間ですね。


長く親しまれているものにはそれ相応の理由があって、その理由に我々が気付けるかどうかが試されているのかなぁ、と感じる今日の練習でした。
基礎はしっかり、毎日やらなければですね。


皆さんも是非、今までの教則本を見返してみてはいかがでしょうか。

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