マガジンのカバー画像

靴屋さんの話

10
運営しているクリエイター

#お客様は神様ではありません

「お客様」になって考えること

お世話になっている靴屋の主人は、年の頃は四十代、接客業を続けている人らしく、片時も崩れない笑顔を誇る男性である。この人が面白い。

例えば、初めて紐靴を履くと決めたとき。彼は
「本当にいいですか~?紐靴、メンドくさいですよ?」
と、こちらの決心が揺るぎそうな質問をしてくる。ここで「メンドくさいから止めます」と答えるか否かで、意志を試されるのを感じた。そこには「どうせ靴を履くなら納得して履いてほしい

もっとみる