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初心者を880時間で「ウデマエオールX」まで育成した話

今回は、当noteでも何度か登場している私の弟子KS27氏を、初心者の頃からウデマエオールXを達成するまでの過程で、どのような育成を実践してきたのか(体験談)を、語っていきたいと思います。

私のマガジン「ウデマエXになる為の方法」は、元々はKS27氏のために作った資料を一般に向けてnoteで公開するために改良したものです。

又、「スプラで学ぶ経済学」シリーズについても、仕事上におけるアドバイスや研修の場において彼に話をしてきた内容の一部で、スプラトゥーンのプレイ向上に転用できるものを掲載しています。

その辺の話も含めて、今回はかなり具体的に踏み込んだぶっちゃけ話を書いていきたいと思います。
当記事を読む前でも後でも構いませんので、マガジンの内容と照らし合わせて見てもらえると「あぁなるほど」「そういうことか」みたいな感じで、より一層理解を深めて頂けるようお伝えできればと思います。


1.はじまりのヒーローモード

私とKS27氏はいわゆる「仕事仲間」で、スプラ云々以前から面識はあるのですが、元々は一緒にゲームをするような仲ではありませんでした。
というのも、私自身がスプラトゥーンを始めるより以前は、TVゲームを嗜む機会がほとんどなく、「ゲームの会話」にそもそも私が入っていくことがなかったからです。

そんな折の2017年秋ごろ、ひょんなことからスプラトゥーンを彼がプレイする機会があり、その画面を後ろから覗き込んだところ、かなりの衝撃を受けたことを今でもはっきりと覚えています。
Switchの携帯モードでヒーローモードをプレイしていたのですが、全くの初プレイなのに、いとも簡単に一つ、二つ、三つ・・・とステージをクリアしていくのです。

今思えば、単純に元々の私がゲーム初心者過ぎただけなのですが、ヒーローモードでも最初の頃は1ステージクリアするのに10分~20分かかっていた自分と比べると、なんとまぁ上手い事か。
「既にA帯くらいの上手さはあるんじゃないか」という感覚でした。
当時の私は、数か月間頑張って頑張って、何度もA帯からB落ちを経験しつつ、ようやっと初めてS+に昇格したかしないか、くらいだったのに(笑)

彼は、確実に私より上手い。

彼の初見プレイを見て、そう直感しました。
しかしながら、彼はプライベートの理由から、しばらくスプラトゥーンに本格参戦することはありませんでした。

勿論私から何ら言う事はないのですが、その後自分自身が上手くなっていけばいくほど、私の正直な気持ちとしては「いやーもったいないなぁ」という思いがありましたね。


2.KS27、スプラトゥーンデビュー

時は流れ、2018年12月。

ここで急に仕事仲間の間でスプラトゥーン熱が過熱し始めます。
KS27氏も、その流れに乗る形でスプラトゥーンに本格参戦してきました。
何故このタイミングだったのかは、未だ私には謎ですが(笑)

とにもかくにも、第4回スプラ甲子園を抽選落ちし、次回に向けて何らかの動きを作っていこうと考えていたタイミングだった為、私にとっては大歓迎の流れ。

かといって、彼だけでなく周りも含めて、スプラ熱自体はまだまだ上がり始めたばかり。
いきなり「甲子園目指してやるぞ!!」と私が立ち上がったところで、そもそもスプラ自体を続けてくれるかどうかは分かりません。

なので私からの関与は「聞かれたらオススメブキを答える」程度にとどめ、しばし様子を見ることにしました。

この時、私のウデマエは2ルールX帯、2ルールS+帯。
私の中に「ウデマエXになる為の方法」は、既にある程度は確立されていました。

なので、周りの会話で、

「〇〇が強い」「〇〇がすごい」

なんて盛り上がっているのを聞いていても、正直なところ、

私「それ、違うんだよなぁ・・・」

と思うこともしばしばありました。
勿論口に出すことはありませんが。

まぁ私にとっては、彼らがスプラへのモチベーションを保ちつつ「自発的に気付いてくれる」のがベストです。
少なくとも、KS27氏を含め全員が「初期状態で比べたら私より上手い」プレイヤーなのです。

初期状態で、比べたら

そう、あくまでこの条件付き、なのです。

この条件が外れるタイミングが、必ず来ます。
そこが、もしも私が指導を掛けるとしたら、最も効果的なタイミング。

私は、周りのスプラ熱を自身の残り2ルールのウデマエX昇格へのモチベーションに変えつつ、注意を払いながらタイミングを待つことにしました。


3.S+の壁

スプラ熱が立ち昇ってから、数ヶ月が経過しました。

この頃には早くも「S+になった!!」という声が、続々あがってきます。

さすがと言うべきか、やはりと言いますか。
想定の範囲内ではありましたが、一方で「マジか」という気持ちも、正直ありましたね。
私なんぞA帯でめちゃくちゃ苦戦したし、なんなら最初のころC⇒C-への降格も経験してますからね?(苦笑)

しかしながら本当の勝負(スプラトゥーン)はここから、です。

元々が私より上手いプレイヤー達。
未経験スタートとはいえ、もしかしたらすんなりXに上がることもあるのかもしれない。

と思う反面、

実際のX帯は全体の1%~2%と言われていて(*2019年春当時)、恐らくここからはそんなに甘くはない。

という冷静な考えもありました。

そしてその考えは的中し、見事に全員がS+の壁に跳ね返され、以降S+~A帯を行き来することになります。

もちろん、初期状態ではあんなに上手いと思ったKS27氏も、ご多分に洩れず。

スプラ熱バブルは一気にはじけ、方々で「きつい」「厳しい」「つらい」といったような発言が発せられるようになります。

「まぁまぁ、S+までとS+からでは”OKライン”の場所が違うから、ここから先は難しいですよね~」
みたいな事を言いながら彼らをやんわりとたしなめつつ、私は心の中で思っていました。


時は来たか。
まずは、基礎の基礎から教えていくことにしよう。


4.「考える習慣」を身につける

各自が何度かS+の壁に跳ね返され「どうやったら勝てるのか」という話題になると、当然「私が教えましょうか?」という感じの話の流れになります。

とりあえず全員で一か所に集まり、各自の実際のプレイングを見せてもらいつつ、アドバイスをしていきます。

とはいえ、アレコレ細かい話をしていきなり改善しようとしても、それは無理な話。
この手の話は「何が強いのか、弱いのか」ではなく、まずは「強くなるための土台」を身につけてもらわなければ話になりません。

すなわち、正しい努力を積み重ねて行くために「考える習慣を身につける」ことが、すべての始まりです。
スプラ熱の始まりからここまでで、各自多少の差があるものの、既に数十時間~百時間以上もプレイしているわけです。

このペースでいけば、少なくとも1年間で数百時間もプレイすることになる。
だったら、いや、だからこそ、必要なことは、

考える習慣を身につける

これ以外には、ありえないのです。


優劣

まず私が教えたことは、この画像の赤く囲った部分、言葉で言うと、

・画面上部のイカマーク(以下:イカ状況)を見ることを常に意識して、状況を考えながら戦うクセを付けて下さい

ということです。

ぶっちゃけ、そもそもこれが出来ないと、エリアの打開の仕方とか、ホコルートの解説とか、そんなものをいくら理解したところで、結局のところ安定した勝ちには繋がらない。

一方で、これを言葉でいうのは簡単ですが実践することはなかなか難しいわけです。
目の前に敵がいれば、当然「イカ状況」を見る余裕なんてない。
余裕がないから、一旦私の言葉は無視して、敵を倒す。
そして、そのまま試合に勝ってしまう(こともある)。

そんな戦いが何戦か続いて、何時間かプレイ時間を経過したら、まぁ私の言葉なんか忘れてガチマッチに潜り、結局アプリ(戦績が見れるヤツ)を見ながら「キルがどうのこうの」なんて会話が、また再燃する。

そして、またS+の壁に跳ね返される。


そんな彼らを見て、私は再び思います。

いやーもったいないなぁ。


5.「社会人だから」こそ「本気でX」目指しますか?

それでも、結局のところプレイスタイルは人それぞれ。
私から「ガチでやる」ことを強制はできません。

しかしながらA帯~S+帯での停滞が続いていく(=成果が出ない)と、わざわざ休日の何時間も使うことに消極的になっていくのは、残念ではありますがまぁ仕方ない、ですよね。

そんな折に、KS27氏の口から”引っかかる言葉”が発せられます。

「時間が取れない社会人だから、ウデマエが上がらない」

『おいおい、私も社会人だが?』
『人の努力を何だと思ってるんだ??』

と、正直思いましたが(笑)、一方で、

『まぁ、高校生や大学生(の時代にゲームをやり込んだ経験があればなおさら)と比べたら、そう感じるのは仕方ないねぇ』

という思いもありました。

そして、この言葉に対して最終的に私は、

社会人だからこそ、本気でウデマエXを目指すなら(=難しい課題だが、自身がそうなりたいなら)、ちゃんとした指導を受けて、効率よくスキルアップに取り組むべきなのでは?

という考え方に、改めて至りました。

そしてついに、私からKS27氏に一つの提案をすることになります。

分かりますよ。
時間も限らてるし、そもそもゲームばっかりやるわけにもいきませんよね。

でもKS27さん、どうせスプラトゥーンやるなら、Xになりたいんですよね?
もし本気でウデマエXになりたいと、そういう「なりたい自分」がいるなら、私の指導、受けてみますか?
やるというのなら、もちろん私も本気でやりますよ。


6.弟子として

KS27氏は私からの提案を快諾し、これによって正式に「弟子として、ウデマエXを共に目指す」ことになりました。

まず最初にやったのは「適正なブキ探し」です。

KS27氏は私と比較して、反射神経にも優れ、S+の壁に跳ね返されているとはいえ、キルレ自体は確かに悪くはない。
私からはとりあえずスシコラをオススメしていましたが、2リグをやって見てみると確かにあまり安定はしない。
本人的にもしっくりこない様子。

立ち回りのポジション解説と、本人の適性を多角的に検討しつつ、何度か試行錯誤を繰り返しながら、最終的にスプラシューターベッチュー(*)に一旦収まった形になりました。
私の細分化ポジションでいうと、③~④あたりの仕事をしっかりこなせるようになろう、という感じです。

*最初のXはスシベで昇格しましたが、その後プライムベッチュー使いになり、残りの3ルールはプラベで昇格したと記憶しています。
ポジションは③~④で、最初から一貫はしてますね。

彼の特徴として「味方側の攻めのターン」の時の攻め方は、元々かなり綺麗といいますか、特にポジション取りに関しては弟子入り初期の時点で私から特に何もいうことはないくらいのレベルでした。

逆に防衛に関しては「そんなところに居たら、そりゃリードされまっせ」的なポジション取りになってしまっていて、その原因は4項の「”イカ状況”の把握力の低さ」にあるのは明白でした。

その他には「打開時に味方とタイミングが合わない」こと。
これは味方のポジションを見れていない(自陣の陣形が把握出来ていない)ことが原因で、これも”イカ状況”の把握力を向上させることで、味方の復帰のタイミングやスペシャル状況をちゃんと見る事。
その上で均衡状態の時に味方へのカバー意識を強めにすること(味方が敵と交戦しているのが見えたら、積極的に横やりを入れに行って、最悪味方がやられても1:1交換に持って行く、という意思付け)を練習課題として課すことにしました。


7.伝説のジェットパック

私がKS27氏を指導していく中で、忘れられないエピソードの一つに「伝説のジェットパック」というものがあります。

彼がまだスシコラを持っていた時期で、私の妻と他の知り合い1人を加えて、4リグのホコをやっていた時でした。

スメーシーワールドの、ヤグラでいう第2カンモンあたりで、ホコ割りに勝ち且つ、ちょうど相手オールダウンを取ったタイミングでした。


この時彼が取った行動が、オールダウンを取った瞬間にジェットパックを使う、というものでした。
ちょうど真後ろから見ていた私は、あまりに突拍子もないタイミングでのスペシャル使用だった為、ツボにハマってしまい大爆笑。

「それ、誰に向かってジェッパ使ってんねん(笑)」と。

伝説のジェットパック

*画像はイメージです


実はこれには伏線がありまして。
この4リグをやる前にKS27氏から私に対して「ジェットパック使うなら、どの場所で使うのが強いですかね?」という質問があったのですが、その際に私は「スメーシーならココ」と、ちょうどこの場所を解説していたのです。

彼はその予習したことを「忠実に実行」した結果、敵がどこに居るのかとか、味方の位置とか、ホコのカウント的にどこまで行きたいだとかは完全に無視した上で「この場所でスペシャルを使用する」という選択肢を取った、というわけです。

もちろん、状況によってはこの場所でのスペシャルの使い方で正しかった場合もあると思います。
しかしながら「考えるべきことを考えた上でやったこと」なのか、そうでないのかでは、意味合いが全く違います。

上記のようなプレイスタイルでは、仮にホコルートやポジション取りをいくら学んだところで、結局のところ「試合内容が安定しない」ことに繋がってしまいます。

「立ち回り」という一つの言葉をとっても、特にその根幹となる「状況把握力」の向上が彼にとっての課題である、という事がはっきりと浮き彫りになった、今となっては”伝説”のエピソードです。

この事は、彼がオールXを達成する過程としては勿論、彼の今後のスプラ活動においても貴重な経験の一つとなったのではないでしょうか。


8.教える側の3つの心得

さて、それでは私がKS27氏をどのように指導していったのか、具体的な活動内容を振り返りながら、同時に「教える側の心得」を解説していきます。
「心得」と書きましたが、ビジネス上ではこれも一つの「スキル」です。


①やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、誉めてやらねば、人は動かじ

誰かに指導を行う際の、基本中の基本です。
初期のころはだいたい週1回のペアリグマ、たまに4リグで、私が(私と)実践を行いつつ、1試合1試合の課題を見つけ、彼のペースで課題に取り組んでもらいながら、改善していきました。
ある程度指導の方針が固まってくれば、イカリングのリザルトを見るだけでも適切な助言が可能になりますし、タイミングを見て2度くらいかな?実際に私のプレイングを後ろから見てもらったりしたこともあります。

この言葉は私のマガジン「スプラで学ぶ経済学」の表紙に、意味ありげに書かれている言葉(笑)ですが、これは第二次世界大戦時の海軍司令である山本五十六氏の言葉として、現在でも経営論や教育論で使われている格言です。

一応山本五十六氏の紹介としてリンクを張っておきます。

ちなみに、しばしば「誉めて伸びるタイプだから云々かんぬん」なんて言葉を目にすることがありますが、指導のスキルを考える立場からの話をさせてもらうと、そもそも「誉めない」なんてのは指導者・管理職としては論外です。

『こんな有名な言葉すら知らないの?』と正直思ってしまいますし、ビジネス知識のある経営者指導者は、口には出さずとも皆そう思っています。

なお、KS27氏に対しては彼自身が「今後ゲームプレイだけでなく、実際の仕事上においてもリーダーシップを発揮できる人材になれるように」という部分まで踏まえての指導の仕方を、本人の希望もあってチョイスしています。


②長期的なビジョンの提示

6項で記したような「適切なブキ探し」「自身の得意不得意の把握、改善」「ポジション別の役割解説(理解)」「ルールごとの勝ち筋の掴み方」等々、これらは全て総合的に検討した上で、

長期的なビジョンを構築し、被指導者と共有、ビジョンの軸からズレない範囲での”trial and error(OJT)”を実行する

事がリーダーシップとしては必要になります。

例えば彼の場合「防衛が上手くいかない」「味方に合わせられない」等の課題は元々自覚があったわけですが、そこから、

『イカ状況を把握することによって、〇〇と△△をまず改善し、将来的に防衛での成功率を上げましょう』

と、課題の根幹から最終目標地点までの道筋の全てを作る事、を指します。
この時「イカ状況を把握しましょう」だけではもちろん不十分です。
ビジョンを正確に伝達して、教える側と教えられる側の意思を統一しておきましょう。

更に言うと「長期的なビジョンを提示」し「メンバーの統合」が出来た上で「動機付け(モチベーション管理)」まで行えるのが理想です。
*参考:リーダーシップとマネジメント

ちなみに、プレイ動画を見てそれに対して課題点を指摘するだけ(=実績管理・問題解決)では、指導としては50点であることは、上記「リーダーシップとマネジメント」で記した通りです。
これは指導する側というよりはむしろ「指導を受ける側」の人に理解しておいて欲しいと個人的には考えています。

解説をしてもらい、それを理解するだけでは「適切な指導を受けている」ことにはなりません。
本気で指導を受けたいのならば、受ける側ももっと踏み込んで、長期的な部分も踏まえて相談、実践をし、二人三脚で進むことによって、精度の高い指導を受け、より良い成果を生み出すことが出来る、のです。


③リーダーに必要な能力は「対人態度」と「高いエネルギーレベル」

ここまで読んでこられた方は、もう何となく理解されているかもしれません。

リーダー(教える側)に必要な能力は、先の”やってみせ・・・”や作り上げたビジョンの伝達を行うための「対人態度」と、それを目標達成までやり遂げる「高いエネルギーレベル」です。

「対人態度」は、さらに細かく砕いて解説すると、リーダーからの「声かけ」と「傾聴」になります。

ここで個人的にポイントだと思うのは、リーダー「からの」です。
”やってみせ・・・”を実践するということは、すなわちそういうことです。

これに関してはスプラ界隈ではなく、実際の仕事上で思うことが多いのですが、日本的組織運営においては後輩や部下からの「報告・連絡・相談」をとやかく言う風習がありますが、実はビジネス世界の組織論としてはこれは大きな間違いで、リーダー側からの声かけや傾聴が出来ないことはすなわち「リーダーの管理者としてのスキルの欠如」として扱われます。

この辺に関しては、スプラ界隈においてもチーム運営にかかわってくることなので、正しい知識・認知が広がってくれることを願いつつ、eスポーツとして発展するならばある意味チャンスとして捉えられる部分なのではないかと考えていたりもします。

「傾聴」に関しては、私が記した「ソーシャルスタイル理論」を一つの指標として使うことが出来ます。

KS27氏の場合、本質的にはエミアブルタイプの人間なので、基本的には「一緒にビジョンを構築する」ところから始め、途中のOJTに関しても本人の考え方(悩んでる内容)を聞くことを重視しつつ、細かく考えてあげるというスタンスで取り組んだ、みたいな感じです。

ソーシャルスタイル理論はあくまで一つの指標で、絶対的なものではありませんが、基本指針として参考にする程度には十分役に立つと思います。


ちなみにですが「高いエネルギーレベル」に関し、少しぶっちゃけて話をします。
目標達成までやり遂げる、というのは、教える側としても一見簡単に見える(実際に努力=出来ないことを出来るようにする、のは指導される側の人間)のですが、実際はそうでもないですよね。

指導する側といっても所詮は人間ですから。
いくら上記の理屈を理解していたとしても、被指導者に対して感情的に思うことがある時もあると思います。
しかしながら、仮に思うことがあったとしても、指導する側は自分の感情を優先することは、よほどのことがない限り(本当の本当によほどの事でもない限り)ダメです。

指導する側としては、感情的な部分は徹底的に我慢し、あくまでも「指導」を粛々と実践しましょう。

「指導」というものは、
・時間をかける
・手間をかける
・目をかける
・気をかける
・声をかける
・語りかける
・愛情をかける

といったように、とても根気が必要なものです。

なので「高いエネルギーレベル」が必要になってくるのです。


9.オールX達成とその後

基本的には上記のスタンスでの指導と、各ルールに関してのテキスト(ウデマエXになる為の方法)を用いての解説を併せて、繰り返し実践していくことで、KS27氏はウデマエオールXを達成するまでに至りました。

テキストに関して言うと、公開しているものの「元」が「KS27氏用に作成したもの」なので、今公開されているものはKS27氏に対して実践していたものより「良いもの」です(笑)

もっと言うと、本当はウデマエがオールXを達成するまでではなく、実際はS+帯のガチマッチにおいて、マッチング部屋の平均パワーが2000台くらいになるまで、を目途にしか私は細かい指導はしていません。

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これは、S+帯からXを目指している人に個人的にオススメしたいのですが、あんまり勝敗とか気にせずに、ここのパワー帯だけ目標にするのが良いと思うんです。

今日は勝ち越したとか、負け越してしまったとか。
またメーター割れてS落ちした、とか。

あんまり深く考えると結構しんどくないですか?

私は3項で記したように、実力が足りてるか足りてないかはともかく、SまでとS+からはOKラインが違うから、何回落ちたとか勝率がどうこうとか、あんまり指標としては参考にならないと考えています。

むしろ、スプラトゥーンの「パワー計測システム」は、どういう仕組みなのか詳細は知りませんが「結構うまく出来ている」と私は考えていて、例えばB帯だろうがA帯だろうが「正しい立ち回り」が出来ていると、2000弱くらいのパワー(内部データ)が貰えたりするんですよね。
単純なキル・デス数だけでなく、あくまで私個人の推測ですが、恐らく「塗りポイントの加算の速さ」とか「ルールカウント進行時のポジショニング」とかも影響してるんじゃないのかな?と感じる節があります。

なので私はKS27氏がS~S+帯を行き来している時に、

「とりあえず1900台のパワー帯に入ることを目標にして、1900→1900後半→あわよくば2000台、という感じで頑張りましょう」

と話をしたことがあります。

私自身が初めてXに上がった時、部屋のガチパワーは1900台後半~たまに2000台、くらいの程度でした。
2つ目の時はずっと2100近くあったのですが、その時はメーターの伸びが1つ目の時よりかなり良かった、くらいの違いです。

なので、とりあえず最初のX昇格くらいなら、目標は2000弱パワーで良いんじゃない?というのが私の考え方です。
基礎が出来ていれば「あとは自然と上がっていくだろう」という感じです。


そんなこんなでKS27氏に関しては、一つ目のパワーが1900台後半に差し掛かってからは、後はトントン拍子で全ルールX帯まで駆け上がりました。
(というように、私には見えていただけかもしれませんが、実際私と比べれば超短期間で全ルール上がりましたからね)

そして現在の彼は自身のウデマエオールX達成の経験を活かすべく、「KS27Campus」というガチマッチの解説プラベを主催しつつ「ウデマエXになりたい人の役に立つ」為の活動を始めています。

私も彼の今後の活躍に期待していますし、それはスプラにおいてだけでなく、実社会においてのスキルアップや「なりたい自分になる」為のステップアップも含めて、非常に楽しみです。


10.最後に

当記事「初心者を880時間でウデマエオールXまで育成した話」をご購入・ご拝読頂きまして、ありがとうございます。

「解説プラベの包括と今後の展望」に記しましたように、先日「KS27Campus」に参加させて頂きました。

その際に、これまでの事を振り返ってみると、改めて思うこと、感じること、ちょっと忘れていたけど結構印象深かったこと、様々なことが思い出されてきました。

大前提としては彼がウデマエオールXを達成するための活動ではあったものの、私にとっても「財産」になった時間であったのは、間違いありません。

その「財産」を記録として残し、今後の何かに役立てようと思ったのが、この記事を執筆しようと思ったきっかけです。

又、今回初めての「有料記事」にしようと考えた理由が2つあります。

※2021年9月25日付で無料公開しました。
内容は当時のまま残しておきます。

1つ目は、
・有料にすることで、内容をかなり深く、ボリューム面も含めてそれに恥じない記事にしよう、と自身に発破をかけ、より良い成果(購入して頂いた読者の方への満足度や、参考になる度合、等)を求めたい

という部分がありました。
自分なりの、一つの挑戦をさせて頂いた格好です。

これは、他の記事を含め、私のnoteにおける一定数の「読者」の皆様の存在が大きいです。
これだけの反響(閲覧数やスキ)がなければ、そもそもこのような挑戦はしなかったと思います。
読者の皆様には、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

2つ目は、
・「有料記事」を通じて「自己投資の大切さ」を伝えたい

ということです。
今のこの現代は、インターネット及びスマートフォンの普及によって、わざわざお金を払わなくても「ある程度の情報」というのは多分に手に入れることが出来る時代になりました。
なので「お金を払って情報を得る」という事に若干の抵抗感があるというのは、致し方ない部分があるとは思うのですが、一方で「お金を払ってでも自分のスキルアップや目標達成への近道を模索する」という「自己投資的な考え方」が廃れていってしまうことに対する危機感みたいなのを、私としてはしばしば感じるのです。

ここまで読んで頂いている方には当たり前の事かも知れませが、考えてみてください。
この記事の値段は300円。
今時はアルバイトでも、都市部なら時給1000円くらいの求人はザラです。
時給1000円で仕事する人にとって、300円は30分弱の価値(対価)です。

ならば、この記事を読むことによって、例えばウデマエXに到達するまでの時間(リアル時間でもプレイ時間でも)が30分以上短縮できたとしたら、もう元は取れているし、仮に100時間単位で短縮できたとしたら「大大大儲け」という事になっちゃいますよね?(笑)

何でもかんでも課金すれば良いというものではありませんし、私自身そのような考え方はありませんが、「なりたい自分」になる為の自己投資(主に本だったり、実験の材料だったり)は、私は結構積極的に行います。

時間もコスト、ですからね。


さて、最後のご挨拶が長くなってしまいましたが(笑)
とにもかくにも、この1万字を超える記事を書くという、私としては初めての挑戦をさせて頂いたこと、本当にありがたく思います。


宜しければ今後とも何卒、よろしくお願い申し上げます。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

2020.7.22 著:Merci

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