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「新規事業を生み出す次世代リーダー」を輩出するプログラム ~NTTデータ様の事例と共に 前編~

メルセネール・大道寺です。

今回は趣向を変えた投稿です。
弊社はこの春からHPを段階的に作り直しています。その中で「大変お世話になったクライアントの皆様に事例として出て頂きたい」と考え、いくつかの企業様に打診をさせて頂きました。その内の1つがNTTデータ様でして、お願いさせて頂いたところ、ご快諾頂き先日掲載させて頂きました。

その記事がこちらになります。

※2022年8月末段階で打診させて頂いたクライアント様、全てご快諾頂きまして、順次適切な形でご紹介できればと考えております。


このnoteではこのプログラムの内容を詳らかにするということでは無く、私たちがどんな流れ・想いでプログラムをご提供しているのか、私の視点でお話したいと思います。機密情報に触れない範囲でこちらのケースの”思い出”も混ぜたいと思います。

”新規領域”と”人材”の定義

まず最初に方向性を明確にする

私たちは研修会社ではありませんので、そもそもプログラムありきでは考えていません。また提供しているプログラムの幅は非常に限定的です。基本的には新規事業創出に関わるプログラムとしています。

更にこの新規事業系プログラムも大きく2つの方向性があります。

  1. 事業を生み出すことに重点を置いたプログラム

  2. 事業を生み出す人材を輩出することに重点を置いたプログラム

弊社ではどちらの方向性でもお受けさせて頂くのですが、限られた期間やリソースの中で実施するため、どちらを優先するかを明確にして進めさせて頂いています。もちろん事業と人材の両方で成果が出ることが理想ですが、必ずしも両取りすることはできないため、判断の分岐点に差し掛かった際に、プログラム参加者を始め、関係者が迷わないよう、ここはしっかり定めています。


”新規領域”を定める

人材輩出に重点を置かれている際は、「新しいビジネス・事業を考え、生み出し、成長させられる人材」を育成したいというご相談から始まることが多いです。

ここでしっかり議論させて頂くのが、”新しい”の定義です。ここがブレると、プログラム内での検討活動、伝えるべきノウハウ、評価者の方々の視点、投資判断・・・など全てのものがブレます。結果として、”良い体験”にならなくなってしまいます。

”新規事業”、”新規テーマ”等が指す意味は、組織レベルではなく個人レベルでバラついている企業がほとんどです。まずはここの意味・範囲を統一することが非常に重要になります。

※自組織の”新規領域”を定めるイメージ

この設定に絶対的な解は無く、組織として何を目指していくのか?という戦略との整合を取りながら明確にしていくことが重要です。NTTデータ様とは横軸と縦軸に何を置くかの議論や言葉の定義から始め、時に他社の戦略や事例も確認しながら、独自の領域を設定を行っていきました。

”新規領域が決まる”=”人材要件”ではない

狙うべき”新規領域”が定まれば、その領域開拓を担う人材のあるべき姿を考えることになります。より上段にある戦略や組織論との整合も大事ですし、評価制度等の仕組み側の整備も必要となるテーマです。どこまで手を入れていくか?、スコープにするのか?は論点になるので設定する必要があります。広げ過ぎると、戦略の見直しや、組織の在り方の検討という、戦略コンサルや人事コンサルの領域に踏み込みかねません。(それがダメだと言っているわけではなく、明確にスコープを決めましょう、ということです。)

”新規領域”が定まったからと言って、領域が決まればそのまま人材要件が決まるわけではありません。その組織の事業領域や人材の成熟状況など踏まえて、求められる人材像は変わります。

ここで大事なのは現状をしっかり理解するということです。設定した”新規領域”を開拓・広げていくにあたって、

  • 現状は何が起きているのか?

  • なぜうまくいっていないのか?

  • 新しいビジネスが立ち上がらない原因がどこにあるのか?

  • 人材の観点では?組織の観点では?戦略の観点では?

など、現状を客観的にかつ広い視野で理解しましょう。企画・運営を行うチームだけでなく、幹部が思っているコト、ミドルマネジメント層の認識、現場の若い世代のグチや想い、新規事業における各階層の理解・スキル習熟度合い・・・など、確認していくことが重要です。

個別にインタビューをかけていくことは当然ですし、合宿のように集まって好きに意見を述べてもらうような場、無記名で自由に回答してもらうようなアンケートなど、やりようはいろいろありますので、多面的に情報収集して頂くのが良いかと思います。

”人材要件”と”ボトムアップの変革プラン”

現状の理解及び整理が一定進んだのちに、目指すべき人材の要件を描きます。新規事業においては様々な素養が求められます。

  • 戦略策定力やアイデア着想力、ビジネスデザインスキルといった事業構想に関わるスキル

  • 具体的にカタチにしていくためのインタビュースキルやリサーチ力

  • 物事をどのように理解し捉え直すかという思考力

  • 幾多も訪れる困難な状況をいかに乗り越えていくかというマインドセットやチーム経営力

など様々な視点から自社に必要な人材の要件が定めていきます。

新規事業は必ずしも一人で進めるものでは無く、多様性を大事にする中では、そもそも役割を分けて、各役割ごとに要件を設定するという考え方もあります。”ビジネスデザイナー”とか”サービスデザイナー”等、主要な担当範囲を分けながら、新規事業の組織・人材の在り方を考えることも有用です。

その上で大事なことは、中期的な視点でどのように組織が変わっていくのかを描くことです。人材育成・輩出はボトムアップ型の組織変革施策だと考えています。面での効果を得るためには時間が掛かるが故に、中期的にどのような組織・絵姿になっていくかの変革イメージを明確にしましょう。

特に新しい事業は簡単に生まれるものではありません。だからこそ、プログラム等を通じて学びを得た人が、そのまま巣立って終わりではなく、継続的に関わりあいながら、何度も新しい挑戦をしたり、挑戦する他のメンバーを支えられる仕組みが必要です。

この中期的なプランまで描くことが、人材要件定義に含まれると考えると良いと思います。

思ったより長くなってしまったので、プログラム実施のリアルに関しては後編として書きたいと思います。


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