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ポンコツ女の珍道中

ハリドワール駅にほぼ定刻で到着し、列車を降ります。そしてデリーに帰るチケットを予め買っておくことにします。

チケット窓口に並び順番を待っていると、次々と後から来た人が私の前に陣取ります。これは、黙っているといつまでたっても順番がやってこないパターンのやつです。私が好きな、かまいたちの行列に割り込んでくる人のネタが頭に浮かびます。注意するなら早めが良い。意を決して、

あのー、私も並んでるんですけど、。

強く言わなくても、一応こう伝えるだけで、

ああごめんごめん、どうぞどうぞ と

最初の順番通りに戻りました。そして、その順番を抜かそうとしたおじさんたちが、無くなっていた記入用紙を私の為にもらってきてくれて、結果、なんだかんだ親切にしてくれました。

私の番が目前になったとき、隣にいたお兄さんが書き忘れの箇所を指摘してくれたり、癖が強くて聞き取りにくかった窓口のおじさんの英語を訛りの少ない英語に訳してくれたりと親切にしてくれ、無事チケットを購入することができました。

ありがとう!と立ち去ろうとしたとき、これまた違うおじさんが、

ちゃんとチケットの日付も確認した?

と聞いてくれます。

日付を見ると、そのチケットはまさかの5月9日発でした。。。笑

私が乗りたい列車は2月9日。もし、ちゃんと日付も確認するよう言われていなかったら、絶対に気づいていませんでした。

おじさんありがとう。。

2月9日の乗りたい列車のクラスはキャンセル待ち、8日も無理、9日のエアコンがないクラスなら空いているということで、それになりました。(季節的にエアコンはいらないし、そのクラスでも危なくないよ、しかも日中だから! というお兄さんの言葉を信じます)

なんだかんだ手間取り、時間がかかってしまったので、後ろのおじさんたちにごめんね〜と伝えるとみんな笑顔で大丈夫大丈夫!と言ってくれました。チケット売り場にいた殆どの人に助けられ笑、チケットを購入し、リシケシ行きのバスのりばへ向かいます。

ハリドワールのバス乗り場からリシケシのバス乗り場までは約1時間、39ルピーでした。

ガッタガタの砂埃舞う道をクラクション鳴らしまくりながら進む1時間です。テーマパークの乗り物に乗ってると思い楽しみます。笑

リシケシのバス乗り場から、いわゆる一般的にイメージするリシケシの場所まではオートリキシャで向かいます。
私がとった宿はラクシュマンジュラエリアにあります。そこまではオートリキシャで15分から20分でいけるはずです。シェアリキシャなら数十ルピーですが、待てど暮らせど他の人は乗ってきません。

運転手さんたちも、今の時間はあまりお客さんいないんだよね、といった感じです。

一人でラクシュマンジュラまで行くなら、200ルピーと言われます。

私は、高い金額を言われたときは、満面の作り笑いをしてから、もう一度値段を聞きます。笑
そうすると、おじさんたちも笑って少しだけ値段を下げて答えてくれます。

150ルピーで良いよ。

んー100ルピーで! お願いします!

おじさんたち、参ったなーといった感じで顔を見合わせ笑います。
結局、タポバンまでなら100ルピーでいいよ。そこからラクシュマンジュラまでは遠くないから歩いていって! と言われたので、承諾してタポバンまでのせてもらいました。

そこからは歩きます。近くに宿があるはずなのに、見つからず、グーグルマップを見たりあたりを見渡したり、ウロウロしていたその時、

グキッ

足を挫き、転倒しかけます。挫いた片足にバックパックの重みがのしかかります。近くににいたインド人のお兄さんが駆け寄り道の端へ誘導してくれます。

大丈夫?! とかなり心配そうに声をかけてくれましたが、恥ずかしすぎて、大丈夫大丈夫!ありがとう〜! と言ってお兄さんたちに去ってもらいます。

痛い。。半泣きで顔を上げると、宿の看板がありました。(ドラマのような展開)
必死で宿へ向かいます。一連の出来事を見ていたおじさんたちに、ちょっと休んでからにしなよ!と言われるも進み続けます。宿はまさかの坂の上。。根性で登ります。

チェックインして、挫いた足を見ると腫れています。痛い。
これは、早く冷やさねば。。重症化してしまったら大変です。

宿に氷はありません。坂を下り、カフェに入ります。
欲しくはないドリンクとスイーツを頼み店員さんに小声でお願いします。

変な頼みだとは重々承知なんだけど、、
氷を袋に入れて貰えないですか。。? さっき足を挫いて痛くて、、冷やしたいの。。

優しそうな店員さんは、チラッと私の足を見て、

もちろん!ノープロブレム!

と言ってくれました。
そして近くにいたおじさんに

ドクター! と呼びかけなんだかんだこちょこちょ話しています。そのおじさんがやってきて、足を見せろといいます。

腫れているあたりを押したり、足首を回したり、簡単な診察のようなものが始まり、今は氷で冷やすのは良くない、必要な薬と包帯を買いに行かせるから待ってて。150ルピーくらいかかるけど良い?といいます。

このカフェに来る前に、湿布を買おうと薬局を探したものの近くにないと言われていたので、必要なものを買って来てくれるなら問題ないと思い承諾。

青年が、包帯と塗り薬と痛み止め買ってきてくれました。
カフェの店内でおじさんが薬を塗って、包帯も巻いてくれました。笑 お医者さんなの? と聞くと、アユールヴェダのね、と言っていました。
塗ってくれた薬は、日本でいうボルタレンのような、インドでは有名な塗り薬で、暑いときは患部を氷で冷やしたほうがいいけど、今みたいに寒い時は更に氷で冷やすと良くないんだとのことでした。 飲む痛み止めは、一応その場では飲んだふりをして、ホテルの部屋に帰ってから飲みました。

150ルピー払ったものの、買ってきてもらったものの箱を見ると値段の合計は150ルピー超えていたので、差額を追加で支払いました。それ以上の、買いに行った代や処置した代などは請求されませんでした。それだけでなく、私が泊まっている宿が坂の上と知ったおじさんは、バイクで宿の前まで送ってくれ、今日1日は歩かずベッドでゆっくり休んでねーと言って去っていきました。

リシケシにはヨガをしに来たのに、、歩くこともままならない。今日の朝からの一連の出来事を振り返り、自分の愚かさ、情けなさにへこみます。

ベッドで横になり、少し痛みが弱まって来た頃、宿のスタッフが街散策ができず落ち込む私を工事中で立入禁止にしている屋上へ連れて行ってくれました。

ちょっと写真では伝わりにくいですが、この日どこにも行けず落ち込んでいた私の心を癒やしてくれた綺麗な景色でした。

ここで少し宿のスタッフと世間話をします。私はこの旅で話をする人には、自分が結婚していて、夫ともうすぐ合流するということを序盤で伝えます。

そして、それを聞いた彼は、
僕は結婚願望は無いね。今日は元カノの誕生日なんだ、でもその元カノはもう結婚してしまってるから、変にメッセージとかは送らないけどね〜。。。

と遠いどこかを見ながら言っておりました。まだ好きなの?と聞くと笑いながら、もう過去のことだよ、と。

まだ、彼女に気持ちがあるんだろうなー。なんだか切ないなーと思いながら部屋に戻りました。(余計なお世話)

夕食は、その宿のスタッフが足痛い+タイでの体調不良から完全回復していないことを気遣ってくれ、インド感ゼロの美味しい、カレー味じゃないお腹に優しそうな野菜スープを部屋まで届けてくれました。

今日この1日で、どれほど沢山の人に助けて貰っただろうか、、。
インドの皆さん本当にありがとう。
長い1日が終わりました。

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