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no.7_3回目の登山(雪山) 雲取山(奥多摩)

  • 日時:2013年1月20日-21日(1泊:雲取山荘) 

  • 標高:2,017m

  • 総距離:20.9km

  • 獲得標高:1,707m

  • 天候:晴(前週に大雪)/-3°C

  • アクセス:電車

  • パーティー:2名

2013年1月
3回目の登山は奥多摩、雲取山。前週に東京に大雪があって都心では珍しく8cmの積雪、首都高全面通行止め、と天気が荒れた翌週の登山。期せずしてその大雪のがたっぷりと残っている中での山登り。初めての宿泊登山で2日間の行程で雲取山荘で泊まるため、予約を予めしておいた。

西武秩父の駅からバスで三峰神社に着いて、すでに雪が深くゲイターを付けて神社でお参りをして山登りを始めようとすると、どうもつっしーの足取りがとても重い。異様というくらい重くて動きもスローで会話も無い。

「どうした?」
「いやー、ザックが重すぎる・・・。」
水4L、そして翌朝用のコンビニキムチ鍋、ウイスキー、55Lのザックがぱっつんぱっつんで、獲得1mくらいでもう死にそうになっている(笑。
写真だと分かりづらいけど、全く喋らないので相当調子が悪そうだ。ゆっくり行くことにして登山開始。

三峰神社から雲取山を目指す王道ルートだけれど、斜面の北側ということもあり、道中はあまり陽も当たらず始めから先週の雪がバッチリ残っていて最初から足取りが厳しい。

ー 初アイゼン
アイゼンを最初から付けることにした。アイゼン付けると雪をしっかり噛んでくれるはずなんだけど、思ったようにはうまく進めず、それなりに滑る。これは練習だと思いながら進めていくんだけれど、アイゼンを付けているというなんとも言えないこの一端の登山家感が自分の高揚感を作っていって、なんだかアイゼン履いてるだけでそれっぽいねという勝手な自己満足感を高めてくれる。まだ全然登ってないのに、その時点で俺たち最高じゃないか、やるなと(笑。

本当に雪が深くて膝下の積雪が進むスピードをなかなか上げてくれない。ただ大変だけど、徐々に噛むポイントも分かってきて、慣れるに従って登りのスピードも上がってきた。無ければ当然登れないわけで、きちんと準備していくのは大事だなと痛感。この日は結局最後まで全てアイゼンを履いて登ることになった。

ー 雪山で知ったこと
・アイゼンの使い方。
 斜面、登りは前歯側にしっかりと重心を取って登ると安定する。
 しっかりと角度を入れて、特に急斜面はつま先立ちのイメージで登る。
・ゲイターが大事。
 ゲイターは雨用のスパッツでもいいんじゃないかと最初は舐めていたけれど、膝下までのものが脚下部のパンツのバタつきを抑えてくれて、雪での足捌きがいい。今回、モンベルのロングを購入して臨んだ。自分の足で雪が若干舞う時もあるので、濡れ防止も兼ねて膝下からのロングゲイターが奏功した。
・ストック(ピッケル)は重心のブレを安定させる。
 アイゼンでも足元は滑る。雲取山ではピッケルは過剰かもしれないけれど、少なくてもストックはマスト。今回は天候も安定していたので、ストックで登った。
・静かで寂しくなる。
 雪はまわりの音を思いの外、吸収する。ふと一人の瞬間になると夏山にはない静寂が自分を包む。思ってみれば光の無い暗い世界と違い、無音の世界は日常には滅多にない。音が無いのにも関わらず何重にも物凄い無音の空気の圧力がやってきて、自然の中で自分を一人にする瞬間がある。

さて、登りの時間を要しながらも進んでいくと、いづれも単独の一人の爺さまと、また別の一人の女性に出会した。
女性の方「今日は雲取山荘までですか?」
私「はい、そうなんですよ。少しピッチを上げないとですね。」
女性の方「暗くなるから、ヘッドライトが必要ですね。替えの電池は持ってますか?」
私「・・・。はい、もちろん持ってます。」

なんだよ、いきなり替えの電池の話する?!もっと話すことあるんじゃないの?「雪山、素敵ですね」とか「空気が澄んでいて静寂で、心が洗われますね。」とか、そういうのではなく、電池ですか。。。しかも替えの・・・。
まだまだ自分は素人感満載なんだと、雪の自然の中で勝手に自分でどよめきながら、また足を進めていくことに。山は色々と不思議だな。

登るにつれて、足先もどんどん冷えていった。登山靴も冬用のではなくAKU-vertigo(通常のトレッキングブーツ)を履いていたので雪で浸水して靴下も完全に凍てついていた。気温はマイナスのまま。外からの雪、中からは汗が出てそしてすぐに冷える。2重の凍てつきで、結局山小屋に着いた時は片方の足の親指の感覚は少しおかしくなっていた。ブーツも当たり前だけど重要だと経験した。なんでもやってみないと分からないです。

これは景色の心の印象。
つっしーと歩いていても、いつもベッタリ一緒というわけではなく、付いたり離れたりを繰り返すので、一人で登る時間が何度もやってくる。
クリスタルな世界、白い景色と黒い影、静かで、その先に吸い込まれそうな感覚。明るくて綺麗な中に急激に襲いかかる無音が怖さを感じさせた。新しい山の一面を知った。本当に一瞬なんだけど、美しさと怖さを感じるなんとも言えない気分。

登り始めて、約7時間弱。時間がかかったけれど雲取山荘に到着。
食事して、0℃前後の部屋で豆炭コタツに足を突っ込んで寝た。
コタツは本当にありがたい。しっかり寝れました。ほっと一息。

翌朝、朝食を山頂で朝日を浴びながら食べるために、雲取山荘から30分ほど登って山頂でご来光を拝む。日差しでグーンと周りが明るくなる。


鍋を食べる。
気温がマイナスなので器に移しているとすぐに冷える。鍋から速攻で口まで運んでどんどん食べる。ウィスキーを一口飲んで、体を温めていたら、昨日登りで一瞬会った爺さまもいつの間にか山頂に到着していて、どうもウィスキーを飲みたいらしい。
さっと飲んだら、さっさと下りていった。あっさりしている。

この後はしばらく大きな富士山を右手に見ながら、澄んだ空気の中を歩いていった。

雪山、テンション上がりました。新しい世界。
まだまだ登ります。



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