見出し画像

ADHDの注意散漫(ポップコーン現象)に対処する3つのプランニングシステム。

ADHDの特性の中でも、非常に辛いものは、一つのことに集中できないことだろう。頭の中で絶えず、あちらこちらにと思いが飛び回ってしまう。「ハーバード式大人のADHDパーフェクトガイド」の中では、これを「ポップコーン現象」と呼んでいた。何かをやっていても「ポン!」と頭の中で新しい考えが浮かぶのだ。

例えば、今、私は「ポップコーン」と書いたので、そこから映画のことを思い出して「最新の映画って何やっていたっけ」「映画と言えば〇〇という作品は公開されたんだっけ」という思いに支配されている、笑。常に、ポンポンと浮かんでくる雑念を振り払うのに相当のエネルギーを要するのだ。

まるで、何人もの人に同時に話しかけられながら仕事をしているような状態。他の人から見えないとしても、ADHDがひとつの仕事を成し遂げるのは聖徳太子みたいな神業が必要なのだ。これがADHDが日々経験していること。注意散漫になるものしょうがない。

ADHD脳(注意散漫)の原因

ADHDの前頭前皮質の機能・働きは、ADHDを持たない人に比べて低下していることが知られている。「前頭葉は脳のメモ帳」と言われることもあるようだ。つまり、行動の計画を立てて、ひとつひとつ実行できるようにするのが、この部分の役割だ。

例えて言えば、普通の人は、計画を立てそれを実行できるようにする脳内のシステム手帳を持っているようなもの。しかしADHDはそれを、すべて空で記憶しなければならないようなものだ。はなから無理がある。ADHDは脳機能的にハンデを負っていると考えるとよい。

このようなハンデを理解したうえで、それを補うツールを用意すればよいのだ。視力の弱い人が眼鏡をかけること、足の悪い人が杖を使うことと変わらない。ADHDを受け入れるなら、その先に進める。「ハーバード式大人のADHDパーフェクトガイド」から、注意力散漫に効くツールを紹介したい。

3つのプランニングシステム

脳内で計画を立て、予定を管理できないのであれば、リアルのツールで対処すれば大丈夫。この本の中では、3つのシステムを用意することが勧められている。そして、これは私が取り組んできたことと同じだった。

1:プランナー
何をいつまでに行うかを記録するカレンダー。(私の場合は、グーグルカレンダーにすべてを統合している。)

2:TODOリスト
一日ごとにやるべきことに優先順位を付けて終わらせていくためのリスト。この本の中では、毎日20~30個のリストを書き出してしまうADHD夫のために、そのリストから2~3個を選んであげる妻の話が出てくる。そう、毎日、現実的な項目を書き出さなければ意味がない。一日ごとに終わらせるリストだ。(私は、フセンを用いながら一日ごとのタスクを書き出している)

3:備忘録
すぐに取り組む必要はないけれど、忘れてしまっては困るようなことをすべて書き留めておくようなノート。ポップコーンが「ポン!」と飛び出すたびに、このノートに書いておくことだ。いったん、脳内からその考えを取り出して外においておければ、少しは静かになってくれる。(私の場合は、TODOリストのノートと、何でも書ける「何でもノート」をセットにして持ち歩いている。)

普通の人が脳内でやるようなことは、すべて書き出して、持ち歩いて管理する必要があるのだ。きちんとした計画が視覚化できているプランニングシステムがあると、注意散漫になっても、戻ってくる場所があることになる。もしそうでないとしたら、ADHDは脳内ポップコーン現象のため、どこまでもさ迷って行ってしまうことになるだろう。

計画を立てる時間を決める

もちろん、この3つのプランニングシステムを持っているだけでは、まだ片手落ちだ。大事なのは、これに加えて計画を立てる時間を決めること。あらかじめ決めていないと、ADHDはプランニングのためのシステムそのものを忘れてしまうことだろう。(私も何冊ものノートを書きかけで放置して失くしてきた)

一日の中で、必ずプランナーやTODOリストを確認する「仕組み」を持つことで、思い付きに流されるような人生を送らずに済む。私の場合は、夜寝る前の時間は、一日の振り返りを日記に書くと共に次の日のことを計画する時間になっている。ここ最近は21時にアラームをセットして、それが鳴り始めると計画を立てる時間をスタートする。

変わることのないルーティーンを持つようにすれば、その時間に確実に予定と計画に触れることができる。(朝・夜のルーティーンを守ることの大切さは下記の本でも触れた)

注意散漫はADHDの特性

ADHD傾向があるなら、注意散漫になってしまうのは避けられないはずだ。いくら自分を責めても無意味だ。(ちなみに「もっと集中しろ」と怒られても改善しない)。注意散漫になってしまう原因を見極めて、それを補助するツールをいくらでも用意することだ。

グーグルカレンダーやメモ帳・ノートなどの、ADHDならではの手帳・ノート術はやがて一冊にまとめてみたい。書くのが大変すぎて(面倒すぎて)放置しているのだけれど、四苦八苦しながら生活を管理するのは楽しいことでもあるよね。

綿樽剛の著書一覧

#ADHD #大人のADHD #集中できない #注意散漫 #ADHDあるある #手帳術 #ADHDの仕事術 #仕事術

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq