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仕事を選ぶなら「本当にやりたいこと」を!ステータスを捨てる眼力。

ADHDにとっては「天職」に出会えるかどうかで人生が変わる。わがままに聞こえるかもしれないけれど、ADHDは「本当にやりたいこと」は人並み以上にできる一方で、そうではないことは全くできない人なのだ。
参考:発達障害(ADHD)にとっての「天職」を見つけよう。地味でも熱中できることを。

その一方で、ADHDは、自分の可能性を過大評価してしまうこともある。おそらく、自己評価が低いことの裏返しなのだが、ステータス・知名度のある仕事を選ぼうとして挫折することが多いのだ。そこで、ADHDの仕事選びはとにかく「本当にやりたいこと」を追求しなければならない!ステータス・給料・資格などは二の次、三の次であることを語りたい。

私は、この重要な事実を、意外な人から学んだ。

事件リポーターの仕事術

阿部祐二さん、名前を聞いて分からなくても、顔を見ればすぐにわかるはず。「スッキリ!」などに出てくる「事件リポーター」だ。阿部氏が書いた激熱の仕事術の本を見つけて一気読みしてしまった。

実は、阿部氏は35歳までモデル・俳優だったのだ。それなりに売れていて、その世界でも十分にやっていける人だった。しかし、彼は「ジャーナリズム」に関心があり、事件リポーターに自ら転身したのだ。阿部氏は、もともと政治経済学部で報道に関心があり、新聞記者を目指していたのだ。

でも、失礼ながら、ジャーナリズムと事件リポーターは私の中でつながらなかった。阿部氏も認めているけれど、一般的には事件リポーターは人から高く評価されない仕事だ。マスゴミと呼ばれたり、罵倒されたりすることも日常茶飯事だという。
しかし、阿部氏は、30代の後半で「フィクションではなく、ノンフィクションの世界に行きたい!」と自ら、マネージャーに頼み込んで事件リポーターに転身するのだ。

「三十五歳になって、今から新聞社や出版社に入るのは無理があります。そこで、「ここから、ジャーナリズムに最も近い仕事ができるとしたら何か」と考えたときに、行きついたのが、事件リポーターでした。当時のマネージャーさんに「リポーターをやりたい」と頼みこんだ」のだ

阿部氏は、自分が「本当にやりたいこと」の軸をぶらしていなかったのだ。そこで、大事なのが、地位やステータス、つまり他の人からどう見えるのかということにこだわらない姿勢だ。

ステータスにこだわらない

俳優、タレント、アナウンサー、事件リポーター。事件リポーターは、芸能人の中でも、底辺に属する仕事だと考えられることも多いという。しかし、阿部氏は、これが、自分にとっての「本当にやりたいこと」。つまり、ジャーナリズムの追及につながると確信していた。

阿部氏にとってのジャーナリズムとは「真実を追求し(えぐりだし)世の中に少しでも影響を与えること」だ。そのため、警察発表の裏を探り、新聞記事で書かれていたことを疑い、真実をえぐりだしていくのだ。

「僕が事件リポーターを志したのは、ジャーナリズムに興味を持っていたからでした。 世の中のさまざまな問題を独自の切り口で取材し、えぐり出した真実や他では報道されていなかった裏側などを、視聴者の方に伝える。そうすることで、視聴者の皆さんに何かを考えるきっかけにしていただき、世の中を良い方向に変えていく。あるいは、日常生活の何かの足しにしていただく。」

阿部氏は、この仕事に誇りを持って取り組んでいるので、インタビューの技術を磨くための研鑽をし、毎朝新聞を五誌読み、岩波新書を買って取材対象を徹底的に研究し、語学を学び(海外でのインタビューや取材も可能になった)、映画や小説を読んで感情表現を学び、夏目漱石の本を朗読して情景描写のトレーニングを積み続けているのだ。

そして、22年のキャリアで、人気のある事件リポーターとしての地位を極めていく。その仕事の姿勢は、まさにジャーナリストそのものだ。この阿部氏が「本当にやりたいこと」にたどり着くためには、ステータス(ほかの人からの見た目)にこだわらないと述べている。この言葉は重い。

「事件リポーターという仕事を心底誇りに思っているし、 矜持 を持っているし、一生やり続けたいと考えている・・リポーターではステータスは得られないかもしれませんが、僕はそんなステータスは要らないから、リポーターの仕事を日々続けたい。」

「新たな仕事を探すときに、ぜひ意識してほしいのは、「ブランドや知名度、ステータスで選ばない」ということです。そうしたものに目がくらむと、自分のやりたいことにたどりつきにくくなります。なぜそう言えるのかと言えば、僕がリポーターという天職にたどりつけたのは、ブランドやステータスにこだわらなかったからです。」

なんと格好いい姿勢だろう。失礼ながら、阿部氏のこの本を読むかどうか、私は迷ったのだ。表紙の写真を見て。
正直言えば「事件レポーターから何かを学べるだろうか」と思ったのだ。そんな気持ちになった自分がちょっと恥ずかしい。阿部氏の本気オーラに触れて、自分が「ステータスによどんだ眼鏡」をかけていることに気づかされた。

先にも述べたように、ADHDは自尊心が低いこともあり、ステータスを過剰に意識してしまうことが多いように感じる。しかし、ステータスありきで仕事を選んでも、それが本当にやりたいことにはつながらない。他の人からどう見られるかではなく、本当に自分にとってやりがいのある仕事なのかを考えてみるべきなのだ。

情熱はどこにあるのか

大切なのは、他の人にとってではなく、自分にとって情熱が見いだせることを探し出すことだ。まあ、本気で内省できる人であれば、今から自分探しをする必要はないだろう。ステータスを求める汚れた眼鏡をはずせば、「本当にやりたいこと」見えているんじゃないだろうか。

これまで、お金をたくさんかけてきたこと、時間を費やしてきたことは、それだけ「投資」しているから、本気でやりたいことの可能性が高い。その仕事を目指すには、今からでは遅いと思うかもしれない。しかし、役職にこだわらずに、業務の内容で選べば、自分が情熱を注げるジャンルの仕事はあるはずだ。

阿部氏が、35歳になってからジャーナリズムに携わりたいと思ったときに、手が届くのが事件リポーターだったということを思い出そう。でも、それは妥協ではなかった。
今の自分にとって、手が届く現実的な目標の中に、本当にやりたいことを見出すことは可能なのかもしれない。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq