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本当に「打ち込めること」の見つけ方を知ろう。ADHDが偉人になるか凡人になるかを決めるもの。

本当に打ち込めるものを持っている人は強い。困難な局面でも、障害に襲われても、自分が何のために生きているか分かっているのだから、また立ち上がれる。ロゴセラピーのフランクルが言うように、やはり人間には生きる「意味」が必要だと思う。

一般的な話だけれど、ADHDはストレス耐性が低く、モチベーションを安定して保てず、メンタルに問題を抱えやすい。しかし、それは本当に打ち込めることを持っていないからだ。ADHDっぽい傾向を持っていた野口英世やエジソンは、まさに不眠不休で研究に打ち込んだ。本当に打ち込めることを見つけたADHDたちは人類史に残る偉業を成し遂げた。

ADHDはブレーキが壊れていて、止まることができない傾向がある。その傾向は、本当に打ち込めることを発見できている人にとっては、アクセル全開で進む力になる。発達の凸凹がある人は、本当に打ち込めることを見つけたら確実に強い。発達の特性を活かすカギは、そこにあると確信している。

しかし、本当に打ち込めることの見つけ方は、なかなか教えてもらえないものだ。どうしたら、自分が打ち込めることを見つけ出せるのだろう。

打ち込めないことには打ち込まないこと

本当に打ち込めることを見つけるために必要なのは「本当に打ち込めないことには打ち込まないこと」だ。まるで禅問答のようだけど、とても、とても大切なことだ。本当に打ち込めることを探そうとするあまり、何でも一生懸命やってみようとする人がいるけれど、それでは、集中力の無駄遣いになってしまう。

人間の集中力というのは限界があって、極度に集中できるのは2~3秒だともいわれている。(野球とか大相撲とか、真剣勝負の時のスポーツ選手を見ると分かる。)もし、そうだとすると、普段から、何にでも打ち込もうとしていると、本気で打ち込める対象が表れた時には、すでにエネルギーを使い果たしている可能性もあるというわけだ。
次から次へとナンパを繰り返し、あらゆる女性に注意を向ける男性が、同時に一人の女性とのお付き合いに深く没頭できないのと同様だ(実践版GRIDに出てくる例だ。)

人間の脳は正直だ。自分が本当には打ち込めないことが何かを知っている。「飽きた」という感覚がそれを教える。ADHDはすぐに「飽きる」けれど、それは、そもそも「飽きる」ようなことをやってるからではないか。本当に打ち込めるものを見つけた時のADHDは「飽きる」ことがないのだ。

これもまた、実践版GRIDに出てくる例だが、コンマリメソッドの近藤 麻理恵氏の整理の仕方はシンプルで、あるモノに「ときめき」を感じるかどうかで仕分けていくという。ときめきを感じないものはバッサリと切り捨てていく。それ以外のものは、雑念をもたらす対象でしかないのだ。要点は、自分にとって、本当に重要なもの以外にはエネルギーを注がないということだ。

本当に打ち込めることの見つけ方

では、どのように、自分にとって本当に打ち込めることを見つけられるだろうか。(こればかりは誰かに見つけてもらうわけにはいかない)。実践版GRIDの中から、本当に打ち込めることを探し出すためのいくつかの質問を引用して、私なりに大切だと思ったところを説明してみたい。

・自分の「特徴的な強み」を使うことで、自分自身が幸せを感じられるとき何をしているだろうかと考える。
・余暇には何をして過ごすのが好きか。
・最高で完璧な一日はどんな日だろうか。
・お金のためでなく自発的にやろうと思える理由(動機や目的)で、あなたにとって一番大切なものは何だろう?またその理由があなたにとって重要なのはどうしてだろう?
・スーパーヒーローになれるとしたら、どんなスーパーパワーを手に入れたいだろうか。 
・もし絶対に失敗をしないとしたら、何をするだろうか。
・周りの人に褒められることは何だろうか。
・楽しいと思えるのはどんなときだろうか。

お金のためでなく自発的にやろうと思えること
いくつかの質問の中で、特に考えたいのが、この点だ。「〇〇になりたい」「〇〇を目指したい」という時、だいたいの目標は「仕事」と結びついている。お金をもらう仕事だ。では、もし、そのやりたいことを実現できたとして、たとえ無給でもそれをやるのだろうか。これは考えるべき質問だ。

もし、お金をもらえなくても、ボランティアでも、それに打ち込んでいるとしたら、そこにある情熱は本物である可能性が高い。やりたくてやっているはずなのに、実は金銭的な価値で釣られていることは多いものだ。金銭というのは、単なる「ポイント」に過ぎない。ポイント集めではなく、それ自体が本当にやりたいことで、打ち込めることなのかを考えよう。

私の場合だと、読むことと書くことはお金のためではなく、打ち込み続けることができることだ。例えば、日記を書く習慣は何年も継続しているが、誰に見せるものでもないが、そこに価値を置いている。このnoteもそうだ。これが、直接、稼ぎにつながるわけではないことは理解しているが、自分の貴重な時間を投資して書いている。

もし絶対に失敗をしないとしたら、何をするだろうか
もう一つ、取り上げたい質問がこれだ。実はチャレンジしたいことがあるのに「恐れ」がストッパーになっている場合が少なくない。「失敗したらどうしよう」という気持ちが「したい」という気持ちにフタをしているのだ。もし、失敗をしないとしたら何をするか?と聞かれると、恐る恐るだけれど、本当に打ち込みたいものが見えてくる。

まあ「失敗しない」という前提に現実感がないから、やはり、したいことを思い浮かべるだけでも、身がすくむように思うかもしれない。それでも、きっと、少しでも頭をよぎったことは、自分が(本心では)本当に打ち込みたいと思っていることなのかもしれない。

私の場合だと、一対一のコーチングより、セミナーのような一対オーディエンスのような「教育」をやってみたいという気持ちがあることに気づいている。プレゼンやセミナーを社内で行う機会はあるけれど、数百人・数千人の前でのセミナー主催者になるってのは、どんな気分だろうか。(今のところ、震え上がるような気分になるね。)

自分に正直になる

こういう質問を正直に投げかけていくことで、自分が本当に打ち込みたいものを見つけることができる。大事なのは正直であることだ。人間はすぐに言い訳をするし、うそをつく。自分に対してついてしまううそは深刻だ。自分に対して、自分は、簡単にだまされてしまうからだ。

大事なのは「飽きた」という感覚を認めること。本当に情熱のないものに、自分が飽きていることを認めること。そして、自分が本当に打ち込みたいものを隠さないことだ。すぐに実現できないかもしれない。でも、本当は自分の内部にメラメラと燃えるような情熱があることに気づいているだろう。その声を無視しないことだ。

何もかもうまくできないように思えるADHDは、本当に打ち込めるものを見つけた(認めた)時には強くなる。彼らは何もできない人なのではなく、自分にとって本当に打ち込むべきではないことには価値を認めない人たちなのだから。そこに、偉人になるADHDと、凡人で終わるADHDの違いがある。

たぶん。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq