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油について学ぶなら欠かせない1冊「病気がイヤなら「油」を変えなさい!―危ない“トランス脂肪”だらけの食の改善法」山田 豊文

食に関する勉強をするにつれて、糖質制限(炭水化物の制限)でも、MEC(タンパク質の摂取)でも、それだけでは手落ちであることが分かってきた。どんな「脂質」を摂るかを意識しないといけないのだ。我が家の食生活を考えても、油には無頓着気味だったことを認めないわけにはいかない。

体に良い油、悪い油に関して、基本的な知識を得たいのであれば、この本をご紹介したい。マヨネーズが大好きな私は泣きながら読んだっす。

*この書評を書いたのは数年前なんだけど、今読み返すと、またマヨネーズに戻ってきている自分に気づいた。過ちを繰り返してしまう・・・。

「油」は健康に不可欠

「油(脂質)は私たちの「命の燃料」となる無二の栄養素だからです。命の燃料が尽きたとき、それは「死」を意味します。つまり、脂質について正しく理解することは、豊かな人生をまっとうするテクニックを身に付けることであり、正しい食事療法にとって、もっとも重要なテクニックなのです。」(病気がイヤなら「油」を変えなさい!―危ない“トランス脂肪”だらけの食の改善法 山田 豊文 河出書房新社 P129)

「ノンオイル」がヘルシーなイメージを醸し出すように、油は悪者にされがちだけど、実際には人体に欠かすことができないものだ。人は油が不足すると死んでしまうのだ。油(脂質)は細胞膜などの原料となるから、細胞一つ一つに大きな影響を及ぼすのだ。

実は、糖質制限を実践し始めてから(特にMECを実践してから)かなり意識して「脂質」をとるようにしてきた。そうしなければカロリー不足になってしまうので。MEC実践者はバターやラードをガンガン摂るよね。ので、油に対するネガティブなイメージはほぼ払拭していた。

しかし、油の種類には注意を払ってこなかったというのは、完全に「片手落ち」だと気づいた。MECを始めて調子に乗った私は、糖質は注意して避けていたが、その代わりに、フライドチキンやチキンカツなどを食べまくっていた。「肉だから大丈夫」って。これは、冷や汗が出てくるような失態だ。

特に「トランス脂肪酸」は無思慮にとるべき油ではない。

買い食いはトランス脂肪酸だらけ

「マーガリン以外にも、トランス脂肪は名前を変えてさまざまな食品に使われているからです。買い物をするときに、食品のパッケージに記載されているラベルを確かめてみてください。菓子パンやクッキー、クラッカー、ケーキ、チョコレート、スナック菓子、アイスクリーム、フライ、レトルトカレーなど多くの加工食品の原材料名に「ショートニング」「加工油脂」あるいは「ファットスプレッド」などと書かれていませんか?」(病気がイヤなら「油」を変えなさい!―危ない“トランス脂肪”だらけの食の改善法 山田 豊文 河出書房新社 P61)

「他にも、市販のサラダ油やマヨネーズ、ドレッシングのほとんどに、マーガリンと同じように水素を添加した油が使われています。しかし、これらのラベルを見ると「植物性油脂」「食用精製加工油脂」としか表示されていません。」(病気がイヤなら「油」を変えなさい!―危ない“トランス脂肪”だらけの食の改善法 山田 豊文 河出書房新社 P62)

トランス脂肪酸と言えば「マーガリン」は有名だけど、それだけではない。「ショートニング」は、ありとあらゆるところで使われている。お惣菜コーナーで売っている揚げ物などは、自宅で揚げる揚げ物とは違う。サクサクしてとても美味しい。しかし、それこそが、まさにショートニングの魔力なのだ。ショートニングは、あらゆるお菓子(クッキー・ビスケット・ポテチなど)にも使われている。パン屋さんの美味しいパンも、ほとんどがショートニングを使っているだろう。(悲しい~~)。

油に、なぜ水素添加するかというと、少しでも長持ちさせるためだ。本来、油はすぐに酸化してしまい、スーパーで並べておいたり、長距離を移動させることが難しい「生鮮食品」なのだ。しかし、現代人は油に水素添加するという方法を編み出したことにより、商品の品質を落とさず(?)あらゆるものに「油」を入れることができるようになったのだ。

だからこそ、スーパーマーケットに並んでいるほとんどのものには、トランス脂肪が含まれていると言って良い。特にお惣菜の買い食いは危険なのだ(よく唐揚げ買っている)。お肉だから良い!糖質だけ気を付けていれば良い!というわけではない。脂質にも気をつけないと相当まずい・・。

注:MEC実践者は生クリームをどんどん使う人も多いようだけど、もし、植物性のホイップクリームを使うとしたら、完全にトランス脂肪を身体に取り入れていることになる。脂質=なんでもOKではないということを知らなきゃ、かなりマズイ。

油には油で対抗!オメガ3を活用しよう

「一般に、オメガ6とオメガ3の理想バランスは1~4対1が適切であると言われています。・・・ほとんどの現代人がオメガ6とオメガ3の食事バランスが10対1、あるいは50対1という、とんでもない比率になっており、さまざまな現代病を引き起こす大きな原因となっているのです。」(病気がイヤなら「油」を変えなさい!―危ない“トランス脂肪”だらけの食の改善法 山田 豊文 河出書房新社 P144)

「オメガ3はオメガ6と競合するため、オメガ6からつくられるプロスタグランジンがガンの増殖を促進する働きを、オメガ3由来のプロスタグランジンがブロックしてくれるからです。「油は油で対抗する」これが非常に有効なのです。」(病気がイヤなら「油」を変えなさい!―危ない“トランス脂肪”だらけの食の改善法 山田 豊文 河出書房新社 P173)

オメガ3の脂肪酸を豊富に含んだものの中には青魚のDHA・EPAや、アマニ油・えごま油などに含まれているαリノレン酸がある。揚げ物や炒めもの、油を使ったお肉料理ばかりでは、オメガ6だけが異様なまでに増え、オメガ3が不足する。オメガ3は相当意識して摂取しないといけないのだ。

我が家では、ヨーグルトにアマニ油(えごま油)を入れている。

他に、オメガ3系脂肪酸はどうしても不足するので、朝・晩1錠ずつサプリも飲むようにしている。ものすごい安いサプリではないけれど、費用対効果を考えると、必要なサプリだと思う。

「油」に関心を持つなら必ず読むべき本

改めて正しい知識が無いというのは怖い。「生兵法は大怪我のもと」と言われるが、中途半端な知識で「肉も油も食べ放題OK!」楽して痩せるダイエットみたいなイメージでMECを実践したら絶対身体を壊すことになる。

糖質と共に脂質も研究が必要だ。三石巌は、甘いもの大好きだったから糖質制限はしていなかったけれど、ショートニング・マーガリンだけは口にしないと決めていたという。まだ、マヨネーズのない生活は考えられないんだけど、少しずつ、卒マヨしていきたい(涙)

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq