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「室伏広治」流!スランプから抜け出す方法ーとにかく「磨く」こと。

人生は連戦連勝ってわけにはいかない。勝つ時もあれば、負ける時もある。絶好調だと思う時もあれば、とにかくギアをローに入れて、低速でも何とか乗り切らなければならない時もある。いわゆる「スランプ」に陥ると、何をやってもうまく行かないように感じる。まさに、泥沼、もがけばもがくほど沈むような気分になる。

こんな時に役立つのは、スポーツ選手の書いた自己啓発本を読むことだ。私がトップアスリートに関心を持つのは、彼らが並外れた成績・実績を残したからではなく、絶対にある時期はスランプに陥り、それでも、そこから抜け出すして、今の実績を残してきたからだ。では、本日は、ハンマー投げの室伏選手から、スランプから抜け出す方法を学ぼう。

気のすむまで「磨く」こと

室伏氏は、アテネオリンピックでのハンマー投げ金メダリスト。鉄人のような彼でもスランプに陥ったことがあった。そんな時、彼は初心に戻り、ハンマーをとにかく「磨く」ことにしたという。練習が終わるたびに、土を取り払い、汚れをふき取り、油をさし、洗剤できれいに仕上げる。これをひたすら繰り返した。

そうしているうちに、室伏氏の内面で変化が生じてきた。

「一生懸命に磨き続ければ、たとえ道具であっても、心が通うものではないでしょうか? ハンマーを磨き続けているうちに、私は、「何事も技ではなく、心が大切なのだ」と感じました。 驚くことに丁寧に磨くと、ハンマーを持ったときの感覚が変わります。」

そして、ハンマーと心が通っているという実感を得るようになる。ハンマーを磨き始めてから1年後には、目標としていた距離をはるかに越える成績をはじき出し、再び快進撃をするようになったのだ。室伏氏は気の「済む」まで、ではなく、気の「澄む」まで磨くことがスランプを抜け出す方法だと語っている。

「ハンマーのほこりや汚れを磨いていると思いきや、実は、自分の心の疲れや不安、失いかけた自信を取り払って、心の汚れを掃除して、心を磨いているのかもしれません。そのご褒美として、前向きな意欲で気持ちが澄んで、幸せな気持ちになれるのです。物理的にきれいに磨かれるだけでなく、自分自身心が「きれいになった」という感覚を得るまでやるというのは、気持ちが良いものです。」

室伏氏は「どんな種類の洗剤を使えば、一番きれいに磨くことができるか」、いろいろ追及して、無心にハンマーを磨き続ける。これは一種の動く瞑想だ。身近なものを、しっかり「磨く」ことは、心を落ち着けて自分自身に余裕を取り戻すことにつながるのではないか。

シンプルだけれども、なかなか侮れない方法。そして、すぐに始めることができるスランプ脱出法だ。スランプに陥った時には、人は焦りの気持ちに負けがちだ。焦りの気持ちに負け始めると、一番身近なところに目が向かなくなりミスを多発するようになる。心の余裕を失う。

名だたる経営者が、徹底してトイレ掃除をしたり、ゴミ拾いをしたりするのも、この一環だと感じた。

実践編:とにかく「磨く」

そこで、私もさっそく実践してみることにした。室伏氏にとっては、仕事道具はハンマーだった。私の場合は、ハンマーに当たるものは何か。身近なところにあり、いつでも目にするもの。使うものを磨きたい。

1:パソコン・デスク周り
気がつくと仕事で主に使うパソコンにはホコリがいっぱいつまっている。特にキーボードには、細かなホコリがたくさんある。机を整理するだけではなく、きれいに拭き上げることも大事だ。100円ショップで買った「セスキ」で、磨き上げている。

たかだが5分くらいですっきりキレイになる。もう亡くなってしまったけど、以前の同僚が、始業前に、とにかくきれいに机を磨き上げていた姿を思い出した。(参考:始業前の掃除の習慣(ルーティーン)が一日を生産的にする。

2:トイレ
トイレは特に磨き上げたい場所だ。というのも、トイレに入るたびに、あ~掃除しなきゃなと思いつつ、おろそかになっていたからだ。今村氏によれば、こういう脳内対話が一番よくない。いつも、そのことが気にかかっているような状態はスッキリしない。(参考:【書評】10秒朝そうじの習慣 ~人生を劇的に変える最強メソッド 今村 暁

トイレを磨き上げて、最後に消毒するのが日課になった。これをし始めてから一か月くらいは経つ。これも始業前の10分前後で終わる。でも、その効果はすごい。トイレがより落ち着く場所になった(笑)。武田信玄のように、やがてはトイレでアイデアが湧き出てくるかもしれない。

3:体・身だしなみ
何よりもお世話になっているツールは自分自身の体だ。顔や体を丁寧に洗う。しっかり髭を剃る。こういうことに取り組み始めた。いつでも、面倒くさくて早く済ませようとし続けてきたことなんだ。本当はお風呂入るのも面倒なので大嫌いだ。(ADHDの星野氏もお風呂ギライで有名だ。ADHDには、お風呂に入って黙っている時間が耐えがたいのだろう。)

しかし、自分の体をしっかりケアする時間を計測してみると、どんなに長くても15分くらいなものだ。集中してケアに取り組むと、細かな未ケア個所が分かってくる。今まで、これだけだらしなくしていたのだということに気づかされる。ちょっとしたことかもしれないけれど、身だしなみをしっかり整えることは、自尊心アップに直接役立つかもしれない。

4:勉強すること
そして、もう一つ大事なことに気づいた。本を読んだり、動画を見たり、いつでも「勉強」の意識で生きているのだけれど、どうも打算的になってきているような気がしていた。アウトプットありきで学んでいるので、本当に自分を養うことがおろそかになってきている。自分の内面が叫んでいるように思えた。

すぐに仕事に役立つことではなくても、お金に直結しなくても、自分自身を本当に養う勉強・学びに没頭する時間も大事ではないか。「~~のために」行う勉強ではなく、自分が知りたい・関心がある、そういう知的欲求を満たすために、時間をとっても良いのではないかと築けた。

そこで、最近、ぐっと関心が高まっている近現代史(日本・世界・第一世界大戦前後から現代まで)の勉強に精を出している。すぐに利益に結び付くようなインプットではないが、いくらでも深堀できて、なおかつ芋づる式に学びたいことが出てくる、出てくる。誰に命じられたわけでもなく、儲かるからでもなく、勉強するってのは楽しいと思える。

白取氏が言う独学の喜びだ。

ピンチはチャンスになる

スランプに陥った時は、それ以上、同じやり方で突っ走ってもダメだというシグナルが出ていると捉えたら良い。坂道になれば、ギアを変えなければならないのと同じように、走りながら、色々調整していかなければならない。少し疲れた時には、あえて立ち止まり「磨く」ことに集中するのも悪くない。

身近なものを、本気で磨いているうちに、気がつくとスランプを抜け出していたことに気づくかもしれない。

たぶん(まだ抜けてないから)

#室伏広治 #スランプ #スランプの抜け方 #行動瞑想 #セルフヘルプ心理学

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq