運動とポジティブセルフトーク：メンタルヘルスを高める

笠原彰　とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員　プロメンタルコーチ　作新学院大学教授

2023年6月29日 16:48

ステップ1: 運動とメンタルヘルスの関連性

運動が心の健康に良い影響を及ぼすことは、多くの人々が認識しています。

研究では、定期的に運動を行う人々が、運動を行わない人々と比較して、月間で平均1.49日（43.2％）少ない不快な日を経験することが明らかにされました。

しかし、運動がメンタルヘルスに対する全て解決策とは言えません。

テニスの大坂なおみ選手や体操のシモーネ・バイルス選手のように、精神的な問題に直面するアスリートもいます。

アスリートの心理的ストレス

研究では、アスリートが試合の結果や怪我のリスクなど、特有の心理的ストレスを経験しやすいことが指摘されました。

ネガティブなセルフトークの影響

研究者たちは、アスリートが自信を失うときに、非合理的な思考に陥りやすいことを示しています。

その結果、不安や鬱の症状が増加する可能性があります。

以下のようなネガティブなセルフトークが、そのような状況を引き起こす可能性があります。

私はこのスポーツに適していない
私には価値がない
誰かにポジションを奪われるかもしれない
きっと失敗してしまう

これらのネガティブなセルフトークを繰り返すと、アスリートは自分自身を信じられなくなり、よりネガティブな思考に囚われる可能性があると研究者たちは述べています。

ネガティブなセルフトークをポジティブに変換する方法

ネガティブなセルフトークをポジティブなものに置き換え、それが口癖になるまで、あたかもマントラを唱えるように繰り返す習慣を作ることです。

「私はできる！」でも「ゴー！ゴー！ゴー！」でも、何でも良いです。

短くてシンプルで、自分にとってポジティブなフレーズを選び、運動中に頭の中で意識的に繰り返してみてください。

他人の目を気にしないのであれば、大声で叫んでも構いません。

それが練習中の厳しい瞬間であれ、試合の重要な局面であれ、さまざまな状況で同じセルフトークが自然に出るようになれば、それは大きな進歩です。

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