高野山ではじめての宿坊体験
テレビを見ない生活が板に付いてきた今日この頃。
ネガティブなニュースや物欲を刺激するCMを目にしないおかげで、毎日を穏やかに過ごせてる気がする。
しかし、全くテレビ番組を見なくなったわけではない。
数少ないが、好きな番組もある。
そのひとつはTBSの世界遺産だ。
好きな番組とかいいつも、なん曜日の何時から放送してるか知らないんだけども(笑)
日曜日の午後6時からでした。(調べた)
先日の日曜日、何気なくテレビのリモコンで地デジに切り替えたら、
ちゃらら〜〜ん🎶と聞き覚えのある音楽がながれ、杏ちゃんの声が聞こえできた。
今回は高野山特集だったので、懐かしい思いで見入った。
高野山へはこれまで3度訪れている。
子供の頃と、40代になって2度。
子供の頃の高野山の記憶としては、山の中、シロアリのお墓、お線香のにおい、ぐらいだ。
親戚のお墓参りを兼ねた高野山観光だったので、小学生の私と弟には全く面白くない場所だった。
40代に入り、仕事や子育てや恋愛や人間関係にモヤモヤしていた頃、高野山での宿坊体験(1泊2日)ができると聞き予約した。
そのお寺は西禅院。201511
その頃、伊藤淳史さん主演の映画「僕は坊さん」を観てお坊さんの日常に触れ、面白かったのもあり舞台となった高野山へ行ってみたいとなった。(高知と高野山が舞台のお話)
小学生の頃は全く興味無かったのにね、歳を重ねたってことか。
当時、漠然とした悩みを抱えていた私は、子供の頃訪れた高野山とは印象が違って見えた。
高野山の紅葉シーズンに宿坊予約したのもあり、真っ赤に色付いた木々が眩しい。
紅葉を見て、久しぶりに心からキレイだと感じた。
当時の私は、仕事の営業成績に翻弄され、人間関係に疲れて、うつろう四季を感じる余裕など無かったんだなと思った。
宿坊では夕方5時頃には夕食で、精進料理をいただく。
お肉やお魚が一切無いお料理が、私のでっかい胃袋を満たしてれるのかどうか一抹の不安があった。
「般若湯はいかがですか?」
お給仕をしてくれているお坊さんが訊ねてくれた。
般若湯???はんにゃとう???
和紙に書かれたお品書きに「般若湯(ビール)」と書いてある!
ちなみに日本酒も般若湯だった。
お酒じゃないの、般若湯飲んでるのと思えば罪悪感も無い(笑)
般若湯はもれなくいただきました(・▽・)
宿坊体験なのでアルコール禁止なのかと勝手に思っていて、厳しい修行をイメージしていた私は面食らったけど、そんなことは一切なくまるで老舗旅館に泊まってるかのような雰囲気だった。
酔いもまわり、お腹もいっぱいになり楽しいひとときを過ごした。
胡麻豆腐とか高野豆腐、お野菜の煮物、汁物、お野菜のてんぶらなど、十分すぎる量だった。
夜のお散歩に壇上伽藍へ行くと、真っ暗の夜の冷たい空気の中で、そこだけライトアップされ堂々たる朱色の建物は恐ろしく感じるほど、幻想的だった。
この壇上伽藍だけじゃなく、高野山には立派な建造物が沢山あるが、1200年も前にこの標高の高い山にこれらを建てようとした、権威や知識、財などを考えると益々圧倒された。
朝は5時起きで、お坊さんのお説教を聞いたあと朝ごはん、そして写経。
非日常でなかなか楽しい体験だったのだ。
イメージしていた修行とはかけ離れた、「優しい」体験。
お寺とかお坊さんも身近に感じた1泊2日。
奥の院の静まり返った空気、その奥、一の橋から御廟に続く道はさらに空気が変わる。
弘法大師がいらっしゃる(まだ生きてらっしゃるからね!絶賛瞑想中よ。)と聞いているからだろうか、厳かな、ピンと背筋が伸ばさずにはいられない、自分の心の中を全て見通されているような、でも安心できる心地よい緊張感があった。
高野山を降りて下界に着き、家路に着く。
そしてまた慌ただしい日常に揉まれていくのだが、この体験をきっかけに精神世界や心理的なものに興味が出てきたのだった。
この時期に、四国八十八箇所への興味もわきはじめた。(当時の上司が歩き遍路していたので)
また行きたくなってきたなぁ高野山。
高野山へ行くと必ず買うもの。
胡麻豆腐と麸(乾燥タイプ)。
高野山で買った麸は、フランスパンみたいな風貌で長く、弾力があり、すごく美味しいし食べ応えがある。
欲しくて色々ネットで探してるのだけど、見当たらない。(꒦໊ྀʚ꒦໊ི )
ひょっとしたら仙台麸なのか??和歌山なのに?