年寄りだからと言う免罪符
【愚痴】
「ワシ、年寄りやからよくわからんのや。教えてくれ。」
電話に出るなり客は切り出した。
説明の度に
「ワシ年寄りやから、こんなんわからん。パソコンだのスマホだのと面倒やな。」
を連発している。
私の内心は
じゃあこのサービス使うなよジジイ。
と悪態をついてはいるが、我慢して感情を殺し淡々と説明を続ける。(既に優しくはできなくなっているw)
このような客に対しては、スマホの基本的な操作は敢えて案内しない。
そもそも端末の基本操作サポートは対象外だ、客自身で調べるよう促す。
こんな客に対し、甘い顔をして教えようもんなら際限なく求めてくるのは経験上嫌という程わかってる。
もちろん、普通の感覚で常識をわかってる客にはこんな対応はしないのだが。
うちの親もそうだが、自身が出来ない事に対して
「仕方ないじゃない、年寄りなんだから。」
と言うのを聞くと、言い返す言葉につまる。
いい加減にしろ、と本当は言いたい。
初歩的なITスキルを持ち合わせようともせず、パソコンのひらがなカタカナの入力から英数文字の入力に切り替えすることも出来ないレベル、スマホでの複数アプリ立ち上げ状態でのアプリ切り替えなどを
「全部教えろ」
と言うのは虫が良すぎるで、じいさんよ。
ここはパソコンスマホ初心者教室の問い合わせ先ではない。
パソコンやスマホの基本的操作ができる上での、サポートなのだよ、ここは。
少しは勉強してこいや!
と思う。
年寄りやから許してよ
年寄りやからやってよ
年寄りやから
年寄りやから
年寄りやから
うっせうっせ!(ꐦ°᷄д°᷅)うっせえわ!
ストレスがピークです(笑)
*
母が病院の待合室で呼ばれるのを待っていたら、受付でじいさんと看護師さんがもめていたらしい。
【看護師】書類にサインを書いてください。
【じい】目が見えへんから名前書かれへん。
【看護師】メガネお貸ししますから、サイン書いてくださいね。ほらメガネ。どの度数ですか?
【じい】メガネなんかいらん!ワシは書きとうない!
【看護師】書いてもらわないと今後治療できないんですよ!
【じい】なんや?!そんなに脅すんなら新聞社に言うぞ!ワシは○○新聞社のもんやで!(迷惑な○○新聞社のOB)
【看護師】あーはいはい、大声出さなくても聞こえますよ。それなら、院長先生呼んできますね。
【じい】ワシは書かんぞ!新聞社に言うぞ!@:&!-&&m!!!(意味不明な叫び)
その後院長先生がやってきてじいさんをなだめすかして、ようやくサインをしてもらえたようだ。
この話をしながら母は、
「サインなんてその人の名前書くだけやのに、あれだけ本人が書きたくない言うてるんやし、代筆してあげればいいのになぁ。」
この意見に正反対の意見の私。
一度でも代筆すれば、きっとじじいは次回も言うだろう。
「前もやってくれた」と。
良かれと思ってその人にルールから外れたサービスをすると、やってもらって当然と思うようになる。
次回も同じように求める。
忙しくなければスタッフは困惑しながらも、彼のワガママに再度応えるかもしれない。そのまた次も、その次も。
最初、サービスをしたスタッフは、こんな無限ループになることは予想してなかったかもしれない。
ただ、良かれと思ってしただけ。
それは、お互いのためにはならないのだ。
その場限りの優しさは、後に裏目に出る。
この意見を母に話すと、不服そう口を歪めたが、黙った。
優しさとはなんだ⊙︿⊙
年寄りだから、障がい者だから、病人だから、妊婦だから……
殆どの善良な人たちは、自分の弱みを逆手にとって免罪符のように権利を主張はしないことはわかってる。
大多数が、自分で解決しようとし、学ぼうとしているんだ。
そういう人と話をするとその背景はおのずとわかる。
説明も案内もスムーズにいくし、本来のサービスをフルに発揮できる。
しかし、全ておんぶにだっこの他力本願の面倒くさい少数派が、人に不快な思いをさせる。
一部のこういう輩がいるので、ルールを作らなければならない世知辛い世の中だけれど、システムやルールを把握すれば生きていけるさ。
出来ない事柄や出来ない理由ばかり言って、現役世代の労力や善意を搾取するより、まずはやってみてほしい。
やろうとしてほしい。
初めから出来ないと投げつけ甘える前に。