[シ的投稿01]夜に追いつかれる
ひとしごと終わり、家へ帰ったあとの心の有り様はどうしようもない。
どれだけ素敵な1日を過ごしても、どんなに好きな部屋へ帰ろうとも、私は一気にだめになる。
するべきしごとも、夢中になっている作品にも私の心をすくい上げることはできない。
没頭する間もなく、夜が、陰鬱が、私に追いつくのだ。
布団へ入るとなおさら悪い。
気持ちが急いで、なんのときめきもないのに心臓が嫌な音を立てる。
寂しさに、情けなさに、切なさに、吸い込まれそうになる。
布団の奥に、そういったものが凝縮した暗い穴がある気がする。
誤魔化せない夜が、今日も私を飲み込む。
追いつかれてしまう。
その前に目を閉じなければ、今日に幕を降ろさなければ。
こうやってウジウジとしているうちに、夜が嫌な色を帯びて間延びする。
早く、早く、追いつかれる前に、穏やかな明日へ希望を任せて眠らなければ。
おやすみ、明日はきっと微笑むから。
安心して、おやすみ。
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