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夢が叶ったと実感した日のこと

先日、仕事ではじめて字コンテを作った。
頭の中にある映像を文字に起こす。
これまでADVゲームのシナリオしか書いてこなかった自分にとって、
映像
分野の仕事は新しい挑戦だった。

書き始めるまでは「頭のなかの映像をどう文字にしよう?」と
悩んでしまったが、慣れてくると案外スラスラと進む。
あふれてくる脳内の映像をひたすらに文字にしていく。
頭のなかの妄想を全部見せるような感じがして
ちょっと恥ずかしかったが、すごく楽しかった。
はじめてキャラクターのセリフを書いた時もなんだか
照れくさかったのを思い出した。

字コンテを1つ作っただけでこの達成感。
一体、なぜだろう?

ふと、昔の将来の夢を思い出した。
かつて私は映画監督になりたかった。
映像で自分の世界を表現したいと、そう考えていた。
ほんの一瞬、中学生〜高校生くらいの頃だ。
ゲームも好きだが、映画も好き。映画監督になるのもいいなあ・・と
多分そのくらいゆるやかな夢だったと思う。
そんな夢を、なぜ未だに覚えているのか。
それは、大学生のころこの夢を他者から否定され、バカにされたからだ。

大学生のころ、ほんの一瞬働いていたアルバイト先でのことだ。
ふとした雑談のなかで「私、映画監督になりたかったんですよ」と話したことがある。それに対して「なれるわけない」「食っていけるわけない」と
散々に言われた。私はショックで、トイレで少し泣いた。
その後すぐにこのバイトは辞めた。

「叶えられなかった夢」ではなく「誰かに否定された夢」として
映画監督という職業ははずっと私の心に残っていた。
だからこそ、ほんの少しでも映像を表現する
作業ができたことがうれしかった。
中学高校時代、映画が好きでしょっちゅうツタヤに通っていたこと。
映画監督になるのもいいなあとぼんやり考えたこと。
バイト先でバカにされたこと。
今、小さなものだが、映像を表現する仕事の一部ができたこと。
・・・今までのことを思い出してなんだか急に感慨深くなり、
少しだけ泣いた。(情緒がめちゃくちゃ)

今の仕事をしていて一番達成感を感じた瞬間だったかもしれない。
「ゲームクリエイターになりたい」とはまた違う夢だが、
夢が叶った気がした。
それと同時に、「シナリオライター」として新たな自分の可能性が見えた。
夢は叶うと同時に、不思議と新しい夢やビジョンが見えてくるものだ。
そんなことを身をもって体験することができた。
この気持ちを忘れないように、
ちょっと恥ずかしいがnoteに書き留めておこうと思う。

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