カレーライスの愛

私はベジタリアンもどきだ。もどきというのも、焼き肉のような塊の肉は一切食べないが挽き肉はむしろ好き好んで食べるからだ。
そのため私がカレーライスを作るとサイコロステーキのような肉を使うことになる(ばら肉を使う方が安いけど食べる時に取り除くのが億劫だからだ)。
本当はシーフードカレーにしたいところだが彼はシーフードカレーが苦手だ。挽き肉を使ってカレーを作ってもいいけれど、肉好きの彼にとっては物足りないかなと思い、サイコロステーキみたいな肉を使っている。

つまり、この食材の選択は私なりの彼への愛情でもあるのだ。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

重い空気が流れて数日が経ったある日、カレーが作り置きしてあった。
大量の作り置きだったので許可を取らなくてもいいかなと思い、こっそりと食べてみた。
肉を避けるのが面倒だなと思い、そーっとお玉で上澄みだけをすくっていたがふと気付いた。

このカレー、肉ないやん。

私への気遣いだったかもしれないし、はたまた食材費を安く済ませたかっただけかもしれない。

その真相は定かではないが、肉好きな人が肉なしカレーを作ったのを愛情と解釈しても悪くはないだろう。

その愛情を向けてくれるうちは、一緒に暮らすのも悪くはないかな

久しぶりにそう思えた夜でした。

おわり