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どついたるねん。

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きっと仕事のためにはならないでしょうが、暇つぶしにはなるかと思います。そんな、エッセイです。(2019/10/1〜2021/5/23)
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#女の子

お酒に弱いと言った、たとえばあの子が

そういえば私には、目に焼き付いてずっと頭から離れない女の子がいる。 ある日、銀座から一緒に最寄り駅まで、終電に揺られて帰った女の子だ。 あれはゼミの後輩で、たしか名前を井川奈沙といった。 その日はゼミの飲み会で、「そろそろ終電の人もいるから帰ろうか」という話になったのが午後11時頃。 田舎者みたいに銀時計の前で集合写真を撮り、その日は解散となった。 乗り換えアプリで、調べて「自分〇〇線なんで」と言った。 飲み会メンバーの一人が、XX方面ですか? と話しかけてきた。

女の子から下の名前で呼ばれ、緊張で腹を下した

大学の同じゼミの同期に、可愛らしい女の子がいた。 私自身、彼女とすこぶる仲が良かったわけではなかったが、かといって険悪な関係なわけでもなかった。 ほとほどに交流のある、ゼミの同期。 それが私と、大学一年生の時分から付き合う彼氏のいる彼女との関係だった。 ここでは彼女のことを、梶浦さんという仮名で呼ぶことにしよう。 ある日の朝、大学に向かうバスで私と梶浦さんは偶然隣同士の席になった。 バスは混み合っていて、私たちの周りにも、たくさんの乗客がいた。 「1限あるの?」

あの娘のことがウザいと言われたんです

自己紹介にも以前書いたが、私は中学受験を経験している。 高校や大学受験ならいざ知らず、中学受験は学習塾の存在なしに立ち向かえる類の試験ではない。だからこそ、合格を手繰り寄せるのは何より親の狂気などと言われることもあるのだが、その話はひとまずおこう。 そんなわけで、私も中学受験のために、学習塾に通っていた。 私の住んでいたのは大きな街ではなかった。 だから中学受験をする同級生は少なかった。 そのため街には学習塾も少なく、その数少ない受験をする同級生のうち一名と、塾がか

ガールズバーの客引きに目を奪われた話

私も二十歳を超えた男である。 つまり、世にあふれるガールズバーやスナック、キャバクラのようないわゆる「女の子のいる店」のメインターゲットである。 だから、行ったことこそない――これを人生経験が乏しいと捉えるかどうかは読者諸賢に任せる――が、その手の「客引き」はそれなりに受けてきた。 「お兄さん、2件目、どうすか? 女の子いますよ」とか。 「どうっすか? おっぱい」とか。 そんな言葉は、たくさん聞いてきたわけだ。 まあ、内容があけすけなだけで、2次会のカラオケとか飲

お前も「可愛い」って思うんだな

新入社員研修の帰りに同期の何人かで飲みに行った。 会社の最寄り駅を通る路線にあるちょっとした大きな駅の近くにあった、海鮮系の居酒屋だった。 店に入るなり、私たちは入口付近の席を案内された。 めいめいが座って最初の飲み物を決めながら談笑していると、女性の店員がお通しを持ってきた。 小鉢を置き、「オーダー決まりましたらお呼びください」と言い残して去っていった。 お通しの入った小鉢を各人に配っていると、隣に座っていた藤沼に「なあ」と話しかけられた。 「なに?」と私が応じ