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どついたるねん。

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きっと仕事のためにはならないでしょうが、暇つぶしにはなるかと思います。そんな、エッセイです。(2019/10/1〜2021/5/23)
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2020年8月の記事一覧

あの日の週刊少年ジャンプごっこ

先日、近所のスーパーに行ったとき、小学生ぐらいの男の子たちが駐輪場で『僕のヒーローアカデミア』(ヒロアカ)の話をしていた。 「ワン・フォー・オールがさ――」なんて、主人公の緑谷出久(デク)とオールマイトの個性の名前を口にしていた。 ああ、男の子たちはいつの時代もジャンプ漫画に夢中なのだな、と思った。 「いつの時代も」と書いたのは、自分が小学生の頃もそうだったからだ。 ある日の休み時間、同級生の小泉がいきなり「螺旋丸!」と言いながら、なにかを握るようにした右手を私の懐に

特別定額給付金を申請した

去る8月12日、特別定額給付金の申請書類を投函した。 「特別定額給付金を受け取れる気がしない」というエッセイを投稿したのが6月6日。足掛け2ヶ月を超える長い戦いだった。 終わってみれば簡単な作業だった。 噂のマイナンバーを使ったネット申請は、私がマイナンバーを覚えていなかったので使えなかった。 あるいは、マイナンバーに対し「覚える」という言葉を使うこと自体が不適切なのかもしれないし、調べようもあったのかもしれないが、それを考えることすら億劫だった。 このため、私の給

スイッチを指の背で叩くと

自動ドアには2つのタイプがある。 一つは、人が近づくことをトリガーとしてドアが開くタイプのもの。 もう一つは、ドアの特定の箇所に手を近づけるまたはスイッチを押すと開くタイプのものだ。 今年冬から始まった「パンデミック」において、例のウイルスは接触感染することが盛んに言われていた。 だから、手指のアルコール消毒が大事である、と言われていた。 思えば、飲食店や駅ビルの入り口に消毒用アルコールが置かれているのにも、いつの間にか慣れてしまった。 この接触感染に関して、エレ

ストレスを晴らす趣味についての自己問答

私の趣味は少ない。 私は決して活動的な人間でもないし、かといって、自宅に籠もったまま充実した時間を過ごせるタイプでもない。 だから休日はいつも、無目的に家を出て、電車に乗ってふらっとどこかに行って、その移動中に本を読んで――そんな具合だった。 あれは大学受験浪人の年だったかと思う。 どうにも体調がすぐれない日々が続き、幾度も同じ病院にかかっていた。 典型的な風邪症状だった。 だから、処方された風邪薬を飲むことで、それは緩和されていた。 しかし、少しするとまた同じ

しょぼすぎる夢を見る

夢を見ることは誰しもにあるだろう。寝ているときに見る夢のことだ。 空を飛ぶ夢。歯が抜ける夢。芸能人が出てくる夢。 内容は多岐にわたるが、多くの場合それはどうにも突拍子がない。 誰かを話すときに夢のことを話すのは避けたほうがよいと言われるのも、その無法さに起因する。 その話がどれだけ荒唐無稽でも、全てが「夢だから」に回収されてしまうだから――つまり、コメントのしようがないからだ。 また、その夢について「どうしてそんな夢を見たのだろう?」と訊ねても詮無いことである。

それに対して、私は怒りを覚えない

「ラインが返ってこないと腹立ちませんか?」 とある研修の際に、講師が受講生全体に向けてそう訊ねてきた。 それは「みなさんも、雨が降ったら傘を差しますよね?」ぐらいに、当然コンセンサスの取れるであろう事柄を、わざとらしく確認するみたいな訊き方だった。 エンジニア職の社員に離職者や休職者が増えてきたことを理由として、私の勤める会社でエンジニア職全員を対象としたメンタルヘルス研修が開講された。 テーマは「ストレスを溜めないための考え方」。 研修は少人数制かつ予約制である、