ビックシルエットはなぜ流行る?
今も尚続く『ビックシルエット』のファッションってなぜこんなに浸透してるのか不思議ではありませんか?
これにはトレンド〜大衆化になる要因があります。
よくパリコレから大衆に浸透するのに2年かかるという話がありますが、トレンドというのは新しい価値観を生み出す事。
そして人々がそれを受け入れるのに2年かかるのです。
という事は、2018年のパリコレで注目されたブランドの背景を調べれば起源がわかるかもしれません。
2018年注目されたブランドといえば 『Off-White (オフホワイト)』。
今では超人気のルイヴィトンのアーティスティックディレクターであるヴァージル・アブローのブランドです。
『Off-White (オフホワイト)』 のコンセプトはラグジュアリー・ストリートウェア。
彼の経歴を見ると、このクリエイションに根付いてるモノがわかります。
彼のクリエイションにおいて大きく影響しているのはまず、
・黒人
・シカゴ生まれで母親が洋裁をしていた。
・大学で建築の修士号をとっている
・Kanye West
・DJ
デザインというのは元来自分の生きた環境で得られた情報を収集し現代に脱構築するコトにある。
彼は黒人のカルチャーや音楽と密接な関係性の中で
音楽業界の大物Kanye Westと共に歩んで来た道は
『Off-White (オフホワイト)』 というブランドに大きく影響しているはずである。
そして彼のクリエイションは『ラグジュアリーストリートウェア』という形で表現されている。
その要素となるのが
・建築
・ヒップホップを始めとしたストリートウェア
であ流。
ビックシルエットというスタイルは、彼が感覚的に当たり前にあるモノであって意図して大きくしたとは思えない。
昔B系ファッションというのが流行った。
ストーリートファッションは時代と共に多様化するがそもそもストリートというのは、黒人が迫害を受けてきた歴史にある。
そして彼らは昔からビックシルエットで服を着ていた。
アメリカで人種差別が今よりひどかった頃、貧困地域に住む黒人の子供達は成長しても長く服が着られるように大きめの服を着ていた。
このような所から自分を大きく見せるためにジャラジャラとアクセサリーを付けたりしていったのがB系ファッションといわれる。
彼らは音楽やダンスと密接な関係がある。
ラップや、ダンスも自身の存在を示すツールなのだ。
ヴァージルアブローは貧困地域に住んでいたわけではないだろうが少なからず大きくそのルーツの影響はある。
そして時代が進み、彼らのカルチャーは世間に受け入れられ、
一つのカタチとして
『Off-White (オフホワイト)』 のランウェイがあると考える。
我々一般人はそれを斬新な着方だと思い価値観が変わる。
実際に真似してみたら
『体型カバー』
『わかりやすくオシャレ 』
『動きやすい』
など
実用性を感じて大衆に受け入れられた。
そしてファストファッションなど大衆向けのブランドにまで反映されているのです。
ファッションはアートだとよく言われていますが、
私はファッションはカルチャーだと思っています。
世界には様々な人々がいて、そこで生まれたカルチャーが洋服に現れている。
それを深く理解し、現代に落としこんでいるのがブランドのクリエイションです。
昔は「衣、食、住」などと言われましたが現代においては
インターネットが最優先でしょう。
ファッションとは今や自己表現ツールの1つであり、必需品の粋を完全に超えています。
我々は恵まれた国に生まれ、服を選ぶ自由があります。
ただ服を買うだけでなく、ものづくりの背景を知り彼らのメッセージを読み取る事で服を買う価値が上がるのではないでしょうか?
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