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【Memory of Movies】第5章 私の人生を変えた映画!『ハイスクール・ミュージカル』

映画とは、時に人生を変えることがある。
あれは、今から十数年前…当時、中学2年生だった私は、将来の夢や目標といったものを見いだせずにいた。特にこれといってやりたいこともなかったし、部活もやっていなかったため、目指すべきものもわからなかった。ただ、映画だけは幼い頃から変わらずに好きだった。そんな時、一本の映画が人生を変えることになる。


いつもお茶の間はお気に入りのディズニー・チャンネル

我が家はスカパーを契約していたため、いわゆるケーブルTVが映る環境にあった。そのため、様々なチャンネルで洋画やアメリカのTVアニメを観ることがよくあった。特にお気に入りのチャンネルだったのが、当時、開局して2、3年だったディズニー・チャンネル。
日本で開局された当初から視聴していた私は、『リジー&Lizzie』や『おとぼけスティーブンス一家』といったドラマ・シリーズから『キム・ポッシブル』、バズ・ライトイヤーのアニメ・シリーズなどに心惹かれるようになった。もともとディズニーが好きだったのかと聞かれれば、年に数回、ディズニーランドへ行っていたくらいだ。それでもなぜか、常にチャンネルはディズニー・チャンネルに合わせてあり、我が家のお茶の間はディズニーに彩られていた。

全米で社会現象を巻き起こしたミュージカル映画

そんな中、たまたまディズニー・チャンネルで放映された、ある予告編に興味を惹かれることになる。
「全米で社会現象を巻き起こした、ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー」。
この印象的なキャッチフレーズに目が留まった私は、あるミュージカル映画を鑑賞することになる。
『ハイスクール・ミュージカル』だ。

ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーとは、その名の通り、ディズニー・チャンネルが製作したTV映画のことである。
『ハイスクール・ミュージカル』は、その61作目で2006年に全米で放送された。
ザック・エフロン演じる主人公のトロイ・ボルトンは、学校一の人気者で、誰もが認めるバスケプレイヤーであるが、大みそかの夜にヴァネッサ・ハジェンズ演じるガブリエラ・モンテスと出会ったことから、バスケだけでなく、演劇にも目覚め、父親や親友に反対されながらも、本当にやりたいことに挑戦していくといったストーリーが展開される。

夢がなかった私に夢をくれた作品

中学2年生の多感な時期にこの作品を鑑賞した私は、衝撃を受けた。
ミュージカル作品自体あまり観てこなかったということもあるが、キャストが本当に楽しそうに演技をし、歌って踊っている姿に感銘を受けたのだ。そして、ストーリー自体も、何も夢がなかった私には突き刺さるものであり、ただただ夢中で食い入るように観てしまった。
それからの数か月間、翌年には高校受験を控えているにも関わらず、何度も何度も繰り返し、『ハイスクール・ミュージカル』を見続けた。ただ、この世界に浸っていたかったのだ。
鑑賞を繰り返すうちに、セリフやダンスなどを完全に覚えてしまった私は、こんな楽しそうな世界に、いつか飛び込みたいという気持ちを抱くようになる。
いつか、ハリウッドに行ってやると…。

私の夢には続きがある

その時から、私には夢ができた。
ハリウッド映画に関わる仕事をしたい。
絶対にハリウッドで仕事をしてやる。

もともと英語は得意科目だったため、すんなりと身を入れて目指すことができた。
あれから十数年、常にハリウッドを目指し、ここまで来た。
演劇、映像制作、脚本執筆などの現場で多くを学ばせていただき、現在は映画・海外ドラマライターとしても活動している。
最近では、あの『ハイスクール・ミュージカル』を放送しているディズニー・チャンネルと公式で仕事ができたり、ハリウッドスターへのインタビュー取材にも参加させていただいている。本当に一歩ずつではあるが、着実に夢へと近づいていると思う。
今の私の夢は、ハリウッドに身を置いて活動することである。
それは、演者としてなのか、裏方としてなのか、はたまたライターとしてなのかはわからない。今後どのような道を歩んでいくかによって、目指すべき道は変わるからだ。だが、常に前を見続け、高みを目指していくことに変わりはない。私の夢には続きがあるからだ。

映画とは、時に人生を変えるものなのである…。
『ハイスクール・ミュージカル』という作品は、私の人生に最も大きな影響を及ぼし、最も大切にしていきたい作品なのだ。

(文・構成:zash)

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