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「死にたい」という人#10

介護、医療の仕事についていると「死」というのは案外近くに存在する。施設で働いていた時なんか、休み明けできたらお亡くなりになっていたってことが結構あったし、自宅で転倒して入院し、肺炎で…っていう話は結構ある話だと思う。

それほど死は間近にあると考えると改めてすごい仕事だと思う。

通所を利用される利用者さんは、希望を持って、やりたいことがあってキラキラしている人は結構少なくて、活気がない人から、ネガティブマックスな人といろんな人がいる。

今日はネガティブの頂点、「死にたい人」の話。

サービス付き高齢者住宅で転倒しまくっている人なんだけど、独居で「もう死にたい」ということをよくいっている人だ。

正直なところ、そういうことをいいつつも構ってあげると元気になる人もいる。いわゆるかまってちゃんだ。しかしその人は、かまってちゃんとかではなく、本気なのだ。

食事も取らない、とにかく部屋に閉じこもる。トイレとかは生理現象だからしょうがなしに行くけど、しっかり転ける。

そういった人は実をいうと過去に何回か担当したことがあってその都度思っている。

この人達になんて声をかけたら正解なのだろうか。

理学療法士になって7年目になるが、本当に悩む。

主訴が「死にたい」人にゴリゴリ運動を提供するってなんなんだ?その人たちはもう動きたくないんだぜ?自問自答するけどいっつも答えが見つかんない。

結局のところ拘縮が起こらないような運動しか自分にはできないんだけどね。

ただ、そういった方への介入で一番うまく行ったのがとにかく話すことだったな。

ほんと会話8:軽い運動2ぐらいの割合。

最後は笑うようになってくれたし、風呂にも入ってくれた。

ターミナルとか、「死にたい」気持ちが強い人には運動よりも会話の方がいいのかもしれない。

僕の経験なんだけどね。


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