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なぜ量子コンピュータが研究される必要があったのか。

こんにちは!私は学びやワクワクを発信している現役の東北大生です。
今回は量子コンピュータがなぜ研究される必要があるのかというテーマで、量子コンピュータの研究の背景を話したいと思います。

そもそもなのですが量子コンピュータって聞いたことありますか?
すごく雑な言い方をすると、これまでのパソコンの計算スピードを圧倒する速さの計算速度で計算を行える次世代コンピュータで、最適解(その場に合わせたふさわしいもの)を求められるコンピュータです。

では、そこで疑問なのがなぜ次世代コンピュータが必要になったのかということです。
最も根本的な理由としては、社会のIT化が進みどの分野の仕事でもITが不可欠になったことが挙げられます。AIの導入やDX化は身近な言葉になりつつありますね。その際にこれまで以上に扱う情報の量が増えます。情報の量が増えた時に困るのが、適切な情報を大量の情報の中から速やかに取り出してくることです。その時に必要になるのがパソコンの精度の基礎となる「計算速度」です。現在のパソコンの性能だと今後さらに情報が増えた場合の対応が難しかったり、現在のコンピュータでは解けないような複雑な問題を解けなかったりと社会の進歩にはパソコンの進歩が欠かせないのです。

では、なぜ”次世代のコンピュータ”が必要なのでしょうか?
理由は二つあります。
一つ目は、現状のパソコンがこれ以上進歩できなくなったことです。パソコンはこれまで部品や素子の大きさを小さくしていくことで小さなパソコンにたくさんの部品も持つ高性能の素子を大量に搭載することで性能を上げてきました。つまり、「部品を小さくする」ことがポイントでした。ですが部品を小さくし続けた結果、ついに原子数個分のレベルにまで小さくなってきました。その結果、物理的にこれ以上小さくできない段階になったり、小さすぎる部品を正確に制御することが次第に難しくなったりしました。その結果これまでの方法とは根本的に異なる方法でのコンピュータの実装が求められるようになりました。
そして二つ目は、ITの電力消費量削減が求められていることです。世界の10%の電力消費はITの電力とも言われており、地球環境の問題や今後も増えるITの需要増加に伴い電力消費量の削減が求められています。

これら二つの要望を応えたのが「量子コンピュータ」だったというわけです。量子コンピュータは量子力学という分野を活用したこれまでのパソコンとは異なる方法を用いることで、圧倒的に高速の計算を実現しました。さらに、量子コンピュータは電力の消費量が少なく、パソコンの規模が大きくなったとしても消費量は少ないままで実装することができます。

これからの研究の進歩に期待ですね。


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