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詩 『死に向かう二十歳のうた』 6


弔いなんてものがあるから厄介なんだ。

つくしのように

春の訪れを喜んで

日差しをいっぱいに受け止めて

背伸びする

たくさんの友達と一緒にのびのび

春のうららを楽しむの

つるんと

しっとりと

ある日誰かに摘み取られるの

でも誰も気にしないの

気にせずにただ春の喜びに身を埋めるの

私も気にしないの

みずみずしいまま

春の喜びの中で死んでいく

誰も弔いやしない

誰も悲しまない

それがいい

残ったつくしは

ただ春風に身をまかるの

みんなただ笑ってるの

たまに摘み取られた私のこと

思い出してふふふと笑うの

ただふふふ

死なんてないみたいに




・・・

本来なら春に出すべき詩ですね。
でも憂鬱な梅雨に春を思い出すのも良いかもしれません。

2024/06/24

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