ゴールデンウィークは、俳句・短歌でもどう?
最近、「俳句」と「短歌」にハマっています。
ゆくゆくは"詠みたい"とも思っているけど、今はひたすらその魅力をインプットし続けているフェーズ。
今日は「俳句、短歌ってたのしい……っ!」と思わせてくれた3冊を紹介します。俳句1冊、短歌2冊。
なぜハマっているのか?というと、
自分も「文字を書く」職種の端くれなので、俳句や短歌をインプットすることでシンプルに文字情報の取捨選択の手がかりを得られるんです。
こんなに冗長的に書かなくても、100文字を2文字でバシっと伝える熟語の存在だとか、読者の信じ方(皆まで言う必要のないことを知る)なんてのも学べる。とっても勉強になる。
スキル的な意味でのハマりと、単純に「なんで17音(31音)でその100倍ほどの情景が伝わっちゃうんだよ……」という感嘆?もはや快感?の沼にズブズブ入っているという感じです。
では、サクッと読めるものばかりなのでぜひGWのおともにど~ぞ!
俳句
「もう泣かない電気毛布は裏切らない」
16歳から俳句を詠みはじめたという俳人、神野紗希さんによる「エッセイ×俳句」の文庫本。
初心者にとって、この世で一番短い作文「五七五」の17音からいきなり「深いね~~~わかる~~~」と情景を読み解くのはなかなかハードルが高いもの。
この本は、神野さんの短編エッセイ50本がギュッと詰まったエッセイ本。それぞれのエッセイは四季に章が分けられ、エッセイの中で必ず1本以上の俳句が紹介されている。それは正岡子規の句だったりするし、エッセイで書いた情景から神野さんご本人が詠んだ句だったりする。「詠み人知らず」の句だってある。
エッセイがセットになっているので「なるほど、こんな情景が詰まった17音なんだな。いやなんで17音でおさまっちゃうんだよぅ??」と感動すら覚えるわけです。なので、その俳句が抱え込んでいる心情や情景(エッセイ)とセットで俳句をインプットすることができてめちゃめちゃ初心者におすすめ。
あとはシンプルに、神野さんのエッセイ自体もめちゃめちゃイイんです。表現がいちいち(褒めてる)美しくて、簡潔で、ウィットに富んでいて。エッセイ好きにも読んでほしい本。
特に好きな俳句
幼い頃、縁日で食べたかき氷。そんなかき氷を大人になってじゃりじゃりと食べながら見る「なんともない風景」が、私にとっては故郷である。これまで自分が通り過ぎてきたあらゆる風景もまた、誰かにとっては「故郷」なんだよね、という心情を詠んだ句。
短歌
「たやすみなさい」
現代歌人・岡野大嗣さんのよる歌集。さっき紹介した神野さんのエッセイもそうだけど、本そのものがカワイイから見てほしい。表紙もめっちゃ素敵なのよ。
短歌といえば「百人一首?」というひとも多いと思うけれど、私がハマっている短歌は「現代短歌」ともよばれるもの。もし自分が将来、歌を詠めるとしたら……いちばん想像しやすい作品スタイルかなと思う。
例として、私がこの歌集の中で特に好きな歌をあげてみまする。
どうです?
かなり身近で、意味もすっと入ってくるんじゃないでしょうか。これが現代短歌です。
たった31音前後で、じゅうぶんに伝わっちゃうんだよね。特に岡野さんは犬好きなので、犬好きには「よくぞ言語化してくださった」という感情がたくさん歌集に詰まってます。
心がふっと軽くなるような、あぁこの感情に名前はあったんだと感じられるような歌がたっぷり。
「短歌ください」
これ、先日のアメトーークでヒコロヒーさんが紹介していたのを見て即ポチ。これもめっちゃ面白かったです。
ダ・ヴィンチの読者投稿企画「短歌ください」に寄せられた短歌の傑作選。歌人・穂村弘さんの講評付きなので神野さんのエッセイ同様、「なるほどこの歌にはこういう意味が」という理解が進みやすい。
読者投稿企画というだけあって「恋愛」「匂い」「癖」「暴力」といったさまざまなテーマで寄せられた歌を一度にインプットできるのも魅力。
特に好きだった歌 (すべて出典:短歌ください より)
テーマ「恋愛」に寄せられた短歌。
「(今夜は君を)帰さない」と言われたことのない体、という表現がグっとくる。
お腹いっぱいにさせたいという母心と、おにぎりをお裾分けするような間柄の友人がいる(いてほしい)と信じる(信じたい)母心を勝手に想像してしまう歌。
以上、
初心者の私がインスピレーションで選んだにしてはどれも素晴らしく良かった、と思える3冊でした。
エッセイ好きには「もう泣かない電気毛布は裏切らない」、ゆるりとしたご褒美みたいな時間を歌集で味わいたい方には「たやすみなさい」、短歌ってなんぞや?の入門編を探している方には「短歌ください」がおすすめかなぁ。
みんなも興味をもってくれたら嬉しいです!
おわり。
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