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9. 企つ者は立たず(つまだつものはたたず)

エゴを捨てると真実の道が見える

この章は実にシンプルで、つま先立って歩いても長くは続かないし、大股で歩いても遠くまで行けないし、ましてや自分の才能を見せびらかすようなことをする人は、何事も成功せず、かえって信用を失うことになると老子は言っています。

「エゴを捨てると真実の道が見える」というのは、私が考えたサブタイトルですが、そのような意味だと解釈しました。この「エゴ」というのは、当時では余計な食べ物や、余計なふるまい、不自然なふるまいなどと言ったふうに表現されていますが、現代では、嗜好品やぜいたく品、不必要なもの、また承認欲求などでしょうか。

いやいや、そんなことはわかっていると言いたいところですが…。

以前から私は老子について生い立ち等が気になっていました。そして調べてみると、なんと紀元前5世紀から6世紀にかけて道徳や政治哲学を説いていたとされています。

ということはこれを説いていたのはおおよそ2500年ほど前ということになります。びっくりしませんか?

もう既に2500年前にはこのような思想はあり、それが現代にも通ずるとなれば、人間の本質は「つま立っている」のでしょうか?2500年前から人間って何も変わっていないんでしょうか?

それって私たち人間が如何に学ばない生き物なんだと言われているようで、少し複雑な気持ちになってしまいました。

しかし、ネガティブにとらえていては学んでいる意味がありません。

せっかく「老子」に出会えたのですから、今からでも遅くないと思って学んでいきたいと思います。

そして自然なふるまいこそが自らの「道」を創り、自分というたった一人の人間の人生を大切に生きるということであると思います。

やはり昔も今も、「自然態」こそが人間の本質を知るたった一つの方法だとも言えるのでしょう。




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