加湿器が雑巾臭いから漂白剤入れたところ・・・・・・
!注意!
加湿器に漂白剤を入れることはリスクのある行為ですので、真似する場合は問題ないことを検証した上、自己責任で行うこと!
本記事は空間除菌を目的としたものではありません。
なぜ漂白剤を入れようとしたのか?
去年の年末、SwitchBotの加湿器を買いました。
他のSwitchBot製品とリンクして、加湿器を制御できるので、
湿度が高くなったらOFF
湿度が低くなったらON
部屋にいないタイミングではOFF
等といった運用ができるので、過湿になることもなく丁度いい湿度を保つことができて重宝していました。
ただ良くないこともあって、水の入る量が多く(3.5L!)、ずっと動きっぱなしじゃないため、水が数日間滞留するんですよね。
また、構造的に水が捨てづらいため、1週間に一回くらい掃除すりゃいいかと考えていました。(説明書でも1週間に一度掃除するように表示があります。)
しかし、買って1週間もしないうちに、加湿器から汗のような、雑巾を放置したときのような嫌な匂いが発生しました!しかもちゃんと洗ったのに、また数日経つと再発しました。
部屋に入るたびにウッ!っとなるため対策しなきゃという次第です。
製品自体はいいのになぁ・・・
雑巾臭の原因は?
まずはこの異臭の原因を調べました。
花王の研究によると雑巾臭の原因はモラクセラ属の細菌(M.osloensis)の発生させる4-メチル-3-ヘキセン酸であることがわかりました。
また、汗のような臭いも花王の研究より、マイクロコッカス属の細菌の生成する短鎖~中鎖脂肪酸であることがわかりました。
ということでモラクセラ属、マイクロコッカス属の細菌をターゲットに対策を取ることにしましょう。
どう対策を取る?
次はモラクセラ属、マイクロコッカス属の塩素耐性を調べてみました。
飲料用タンク水から高頻度に分離されたProtomonas extorquensの消長と塩素抵抗性という論文によると、残留塩素が下記の値以上のサンプルでは各細菌はほとんど分離されなかったとのことです。
モラクセラ属 残留塩素濃度:0.4mg/L~
マイクロコッカス属 残留塩素濃度:1.0mg/L~
ということで残留塩素濃度を1 mg/L以上キープすることで嫌な臭いを発する細菌は増殖できないであろうと推測されます。
残留塩素濃度の最大値は、WHOのガイドラインより5 mg/L以下であることが望ましいため、1~5 mg/Lの範囲に収まるように調製します。
※これは余談ですが、残留塩素というのは、残ってしまった余分な塩素というニュアンスで取られがちですが、どちらかというと、菌を増殖させないために残す必要のある塩素という意味合いです。
残留塩素がある程度残っていないと水道水中に菌が繁殖しまくり大変なことになります。
塩素投入テスト
次は塩素の投入量を求めます。塩素元として使用するのは次亜塩素酸ナトリウムです。手頃なものとしてキッチンハイターを使用しました。
キッチンハイターの次亜塩素酸ナトリウム濃度は新品時6%なので、有効塩素濃度としてはざっくり 60,000 mg/L となります。
これを5 mg/Lまで下げるには 12000倍に希釈する必要があります。
3500 mL(タンク容量)÷ 12000 = 0.3 mL
注:大した濃度ではないので、実用上問題ない程度に適当に計算しています。次亜塩素酸ナトリウムは不安定なので日毎に濃度が落ちていくし、水との密度差も考慮していません。
ということで給水1回あたり、ハイターを0.3 mL ずつ入れればOKでしょう。
注:1ml以下の極微量を測り取る必要があります。ホールピペットまで用意する必要はありませんが、シリンジ程度は用意しておきましょう。
私の使用環境であれば2,3日に1回給水する使い方であるため、3日間残留塩素濃度が1 mg/L以上キープできていれば合格とします。
残留塩素濃度はDPD試薬で測定することができます。
私は下記の商品を使用しました。200円以下ですごく安いのですが、10回以上使用できます。
注:DPD試薬の量は水 10mLに対し0.1 gと非常に少量です。
0.1gを測れるスケールとミクロスパーテルが必要になります。私は下記のスケールを使用しています。ラボで使う風防付きの電子天秤に比べてガバガバですが、100mgオーダーであれば十分です。
テスト結果
カラーチャートと一緒に撮影し忘れたのですが、3日目でちょうど1 mg/L位の濃度になっています!ということは3日間残留塩素濃度1 mg/L~をキープできたので合格ですね。
このあと2週間くらいテストしてみましたが、臭いは全く無し!良好でした!
今までは2,3日も経たない間に臭くなったので大きな進歩です。
注:あくまで菌の繁殖を抑えるものなので、定期的な掃除はしたほうがいいと思います。また逆に塩素の臭いがするようなら入れ過ぎです!
最後に
繰り返しですが、加湿器に漂白剤を入れるのはリスクのある行為ですので、しっかりとした調査の上で自己責任で行ってください。
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