プレ展示 海を聴くということ。感想会NO.1
サウンドスケープ展示やってみた。
プレ試験的な催しとして4chサラウンドのサウンドスケープ展示を行いました。
詳細なコンセプト・内容は下記URLにまとめているので是非一度目を通してもらえるとありがたい。
https://twitter.com/fuziSnk/status/1635636183530086403?s=20
で、実際の展示をしながらその場で色々と改善できたところもあったので述べていく。
備忘録でもあり、先駆者っぽさを出したいからというゲスな気持ちである。
サウンドスケープ展示にあたり行ったこと。
1.スピーカー位置の修正
“聴く”という展示を想定して、スタンディングの状態でスピーカーが耳の位置までくる高さの環境を作っていた。
環境音の録音、編集にあたり使用していたモニター環境をある程度再現できる方がラクというベタな考えでもある。
がしかし、設営完了して割とすぐにスピーカースタンドは取り払いました(笑
想定はしていたのだけど、海の音は足元から聞こえるのです。
であれば、気配は下の方から感じた方が再現度は高いなと。
実際、スピーカーを床に置いて、若干上方向に煽ってみると音場ははよりリアルなものへと変わりました。
立ったり座ったりの上下位置での聞こえ方も違ってくるのがまたリアルでした。
2.収録音源のレベル修正・音情報の整理
音量の上げ下げといえばその通りなのですが、家で編集したよりさらに音源の修正を行いました。
収録された音源は通常のステレオとは異なり、さらに後方からの音を含めたより多層な情報を含んだファイルになります。
この前後のステレオ情報を含んだサラウンドファイルをベースに、よりサラウンド感を感じてもらうために別で録音したモノラルに近い波の音を各方向に足していくのが今回の制作の醍醐味であり、没入感の鍵でもあります。
しかし、音源を重ねるほどにサラウンド感は損なわれるように感じます。
基本的にニンゲンは2つ以上の音情報を処理しきれないと聞きます(文献後日載せたい)
波の音があちこちから聞こえすぎては、包まれてる感じはあるとしても立体感につながらないのです。
なので音源ファイルの情報をより削る必要があるのです。
ようやくの本題ですが、具体的には各サラウンド音源の一部方向の音量のみを自室で編集したよりさらに-5~10dbほど下げることにしました。
これにより、レイヤーした各音源の前方と後方の音像のバランスが取れて、前から波が迫り、後方へ流れた波が岩にぶつかる音場を再現できました。
これは今後よりバランスを改善できそうな点であります。
イメージとしては、サラウンドを作るにあたり、各種ステレオ・モノラルのファイルをより狭い範囲で時間差別に散りばめた方がサラウンド効果が高いという感じです。
ミニマルな音源情報が今後のサラウンド制作をする上での鍵になりそうです。
3.ルームチューニング
設営が済んだところでスピーカーの鳴り方を部屋に合わせて調整する必要があります。
基本的に反響しすぎる音を削るだけなのですが、さらに行ったこととして波の音の耳触りを極力良いものにする必要があります。
マイクで収録された波の音は確かに全音域を綺麗に収録できてはいるけれど、それが全て耳に入ってリアルに感じかといえばそうでもない。
例えば高い周波数帯のものは耳に付くし、低い帯域も気持ち悪さや違和感の原因になります。
なので、音の最終出力側のEQから音場を調節します。
超低域はバッサリ落とし、高音域はこもった音にならない程度に抑えます。
音量は最終的に通常の出力レベルより高めの設定となりました。
実際の海岸がいかに音が大きいかがわかる瞬間でもあります。
4.通常設営との違い。
普段、主な仕事としてPA音響の世界に携わっています。
やることはこちらの世界ではごく当たり前に行われていることではあるけれど
体感として、より“気配を感じられる音場”を目指す必要があるように思いました。
結果としてはスピーカーの音を綺麗に鳴らしきるというより、各方向のスピーカー情報は最小限にまとめる必要があり、通常のオーディオチューニングのように綺麗さを追求するものとは別の発想が必要なように感じます。
揃える機材としても、解像度がずっと高いスピーカーが必要かと思っていたけども、必ずしもそうでもないように思えます(いらない音域をゴリゴリ削ってしまうので)
まとめ。
なんだかんだ調整をしたけどプレ試験としては狙い通りの感想やリアクションをもらうことができました。
サラウンド展示は思った以上に独特な調整が必要なことがわかったのはとても良い収穫です◎
次回はシンセなど交えた“作られた音場”も掘り下げたいと思います。
次回もお楽しみに。
最後に。
メメノメメは音楽枠を飛び出したアートプロジェクトです。
サウンドスケープにご興味がある方など、ご感想ご連絡お待ちしております◎
tw:@fuziSnk
mail:katamichi001fujisaki@gmail.com
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