自然とアイデアが集まる 3つの目的別デザインレビュー
こんにちは。マネーフォワード デザイナーのmemiです。
デザイナーの皆さんは、リモートや時短勤務など働き方が多様化してきた中で、どのようにチームでデザインレビューをしていますか?
私の経験で言うと、出社が当たり前だった頃は隣の席にいる人に声をかけて相談したりと、デザインレビューは必要な時に自然と始まるものだと思っていたのですが、リモートになってからは場や時間を設定しないと相談できないというハードルが生まれてしまったように思います。
マネーフォワードとしてもプロダクトによってはデザイナーが一人体制のチームもあり、
担当プロダクトのPdMやエンジニアに見てもらう機会はあっても、デザイナー同士で話す機会がない
経験が浅いメンバーにとっては、他の人の意見を聞く場が少なく、成長の機会を失っている
といった課題が見えてきました。
そこで、デザイナー同士がお互いのデザインを見て意見交換をし、成長を助ける機会が自然と生まれる状態を目指して、デザインレビューの強化施策を実施してみました。
始めてみたところ、組織や個人の課題・状況に合わせて複数の施策が生まれたので、簡単ですがご紹介します!
01. 相互レビュー会
概要
別々のプロダクトに所属するデザイナー3〜4人でチームを組み、週イチでデザインレビューの時間を設けています。
普段関わりの少ないメンバーと話す場が出来ることで相互理解にもなる一方、ドメイン知識がない相手に説明する必要が出てくるため、デザインの言語化能力が鍛えられます。
方法
担当プロダクトの枠を越えて3〜4人でチームを組み、週イチ30分〜1時間実施
相談者とレビューする側の担当は持ち回り。もしくは、緊急度が高い人が手を挙げる
レビュー内容の共有方法は、指定しない
チームメンバーは2ヶ月ごとにシャッフル
実施してみて思ったこと
これまでメンバーを変えて複数回実施してきましたが、「相談内容と同じ課題を自分も抱えたことがある。聞いたことがある。」という場面に何度も出会いました。経験豊富なデザイナーがたくさんいるのに、声にする機会が少ないことでその実態に気付けないのは勿体ないですよね。
一定期間、少人数制の同じメンバーで実施することで、デザイナーそれぞれのバックグラウンドや強みを知る機会にもなります。相互レビュー会以外の場でも「この話は、あのデザイナーさんに相談してみよう!」と、相談の輪が広がるような関係性を築けられるといいですね。
02. デザインレビューチャンネル
概要
Slackでデザインレビュー用のチャンネルを作り、いつでも必要な時に相談できる場として運用しています。
チャンネルのメンバーであれば誰でもコメントできるので、一度に複数のアドバイスを得ることができます。
方法
Slackでデザインレビュー専用のチャンネルを作る。参加は自由。
レビュー依頼をする
投稿内容のサンプルは以下
担当のプロダクト名
レビュー対象のFigmaや関連リンク
そのデザインが必要になった背景や目的
特にレビューして欲しいところ
回答期限
フィードバックをする
回答期限内にレビュー依頼元のスレッドにコメントする
指摘だけではなく、いいところは褒める
実施してみて思ったこと
対面だとなかなか意見が言いづらい・即答できないメンバーも、Slackであれば気軽に、任意のタイミングでコメントができるので、経験年数問わず多くのメンバーがレビューする側として参加しているのが見受けられました。
今では「できたものを報告する場」としても展開されていて、メンバーのアイデアがたくさん詰まったチャンネルになっています。
一方、時間拘束がないぶん緊急度の高いレビュー依頼はできないところが柔軟さに欠けていました。それを補うために生まれたのが次の「Discord」での施策です。
03. Discord
概要
デザインレビューの目的だけではなく、ラフに会話できる場として設けています。
「デザインレビューは必要な時に自然と始まる」といった、私が出社していた頃に体験していたものと近い体制を作ることが目的です。
方法
Discordの環境を用意(Discord公式サイトはこちら)
部屋を目的・状況別に分ける(以下参考です)
オフィス:仕事のベースとなる部屋。
もくもく部屋:作業に集中したくて話しかけられたくない時の部屋
ミーティング中:打ち合わせをしている時の部屋
離席中:少し席を外す時、お昼休みなどで休憩をとっている時の部屋
1on1:一対一で話したい時の部屋
相談部屋:誰かに相談したい時、複数人でデザインレビューをする時の部屋。
わいわい雑談部屋:休憩も兼ねて、誰かとおしゃべりしたい時の部屋
相談ごとやデザインレビューをお願いしたい時は、オフィス部屋やSlack上で声をかけて、1on1/相談部屋に入る
実施してみて思ったこと
今までは緊急で相談したいと思った時に、相手のスケジュールを見に行って状況を確認し、空いてそうな時間を押さえた上で相談可能か聞いてみる...という手間があったのですが、この施策を始めてからは相手の今の状況がすぐ把握できるようになりました。「アイデアを発散したいので、話を聞いてもらいたい」といったレビュー以外の目的でも活躍します。
【番外編】うまくいかなかった施策:Slackでのhuddleタイム
Discordの施策を始める以前も、週に一度一定の時間にシニア層のデザイナーがSlackのhuddleに待機して、誰でも参加可能な柔軟な相談の場として設けていたのですが
曜日と時間が決まっていることで「それまでに準備をしないといけない」というハードルが生まれる。
その時間に予定が入ってしまうと参加できない
などの意見が見受けられ、柔軟な場になっていないことがわかりました。
デザインレビューや相談の場においては、相談者とレビューする側の人数やタイミングを拘束しすぎるとうまくいかないという気づきがありました。
さいごに
最初は自分の所属している部内で小さく始めていたデザインレビュー施策ですが、今では他の部と一緒に実施する機会も増えてきました。
「これは相互レビュー会のお題にして、意見を聞いてみよう。」
「フィードバックしていただいた話を同じプロダクトのメンバーに共有したら、スムーズに意見がまとまりました!」
といった会話が聞こえてくると、担当プロダクトが違ったとしても、外からプロダクト作りに貢献できていると感じて嬉しくなります。
この記事が、デザインレビューにお悩みのデザイン組織やデザイナーさんの参考になっていたら嬉しいです。
デザインレビューに関わる記事として、同じ部に所属するMacchiの記事もぜひ覗いてみてくださいね。
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